ある晩、ベッドで本を読み終わり寝ようとしていた時の会話です。
主人: “J’ai des fourmis! ” 「アリがいる!」
私: 「どこに?」
主人: ”Dans la main!” 「手に!」
私: 「なんで手にアリなんかがいるわけ!!!」
主人: ”My hand is numb” 「手がしびれてるんだよ。」 -と英語で。
私: 「うーん、おもしろい表現。本当にアリがいそうだよね。」
そう主人は、片手を枕の下にして本を読んでいたため、手がしびれてしまったのです。そして、そんなことをよそに私はそのフランス語の表現に感動。フランス人もうまいこと考えたなあなどと。
avoir des fourmis dans les jambes (アヴォワール デ フ (ル)ミ ダン レ ジャンブ) 「足がしびれる」
* avoir 持つ fourmi アリ dans ~中 jambe 足 main 手
またfourmi「アリ」には、(アリのように)「勤勉な/倹約家と」いう意味もあります。
fourmi-lion(フルリオン) アリ-ライオンとは「アリ地獄」
fourmiller (フルミエ)というのは動詞で「(アリのように)群がる/ひしめく/たくさんある」という意味になります。例えば、Les erreurs fourmillent dans ce livre. 「この本には間違いがたくさんある。」とか Le parc fourmille de promeneurs.「公園は散歩する人でいっぱいだ。」というふうに使います。
ちなみに英語でHe has ants in his pants.「アリがズボンの中にいる!」と言ったら、それは彼がそわそわしているとか、むずむずしているという意味になります。また英語でも、He works like an ant.「アリのようにせっせと働く」 という表現をします。
では日本語ではどのようにアリが使われているかというと、
蟻の穴から堤も崩れる-些細なことであっても、少しの油断で大きな災いを招くことがあるというたとえ。
蟻の甘きにつくが如し-利益のあるところに人が群がることのたとえ。
蟻の思いも天に届く-たとえ微力でも、一心に願えば叶うということのたとえ。
日本語で使われるアリというのは「むずむず」というよりも、「小さな」というニュアンスで使われることが多いようですね。