Category Archives: 文化

New Yorkerから見たParisien

パリに住んでかれこれ数年が経ち、パリジャンの定義がかなり理解できるようになってきた今日この頃です…。そんな中、おもしろい記事を発見(Figaro紙より)。

タイトルはずばり “Les habitudes des Parisiens censées agacer les New-Yorkais”
(ニューヨーカーを苛立たせるパリジャンの習慣)

ニューヨーカーがパリジャンをどう見ているのか、あるいはパリジャンから見たニューヨーカーとはどういうイメージなのか…。ニューヨークには住んだことがありませんが、この二者の関係、ちょっと興味深かったので紹介します。記事にある情報の出典はNew York Magazineです。

まず、ニューヨーカーのパリジャンのイメージは:

根深い喫煙習慣赤ん坊がいてもタバコを吸うという光景にニューヨーカーはショックを受ける。国から厚い援助金を受けて、おしゃれで、ひ弱そうな若いパリジャン夫婦が、赤ん坊のいる場所でタバコを吸っている。“パリでホームパーティーに出席したら、次の日には着ていた洋服をもってクリーニング屋さんに急ごう!”と記事の作者からもアドバイス。カフェのテラスは煙だらけで、タバコの灰がカフェのカップの中に落ちても気にしないのがパリジャン。

いや、ニューヨーカーだけではないと思うのですが、これは本当にびっくりしますよ。ベビーカー押しながらタバコですから。こちらでは子供の頃から堂々とタバコが吸えてしまえる環境ですから、この悪習慣はなかなか改善されることはないでしょう。

あと共感したのは、やっぱりニューヨーカーもパリジャンってminceだと思っているんですね!よく言えば“ほっそりした”、悪く言えば折れそうなくらいの細さです。私もずっと、それ思っていました…。パリ16区あたりを歩くと、筋肉の全くついていない足をよく見かけます。

プライドの高さ:パリジャンのもう一つの特徴、それはスノッブであること。パリに住むあるアメリカ人によると、パリに来た頃は毎回外出するたびに着替えるのが嫌だったという。パリジャンはなんでも本格的にやらないと気が済まないので、ジョギングしながぶらぶらすることはない。

ジョギングはしている人よく見かけますが、確かに格好はプロのような装いで走っている人が多いですね…。。

閉鎖的:外国人に話しかけることはしない。もし電車の中で空気が悪いねと誰かに話しかけたら、きっとその人は怖がった表情をして、去ってしまうだろう。

どうみてもフランス人ではない顔をしている私。でもいつもフランス語や英語で道を尋ねられるのはそのせいでしょうか。周りに一杯人がいるのに…。

さて一方、パリジャンから見たニューヨーカーのイメージとは:

パリにに住むあるニューヨーカーは、パリにいると低い声で話し、リアクションも緩やかになるが、ニューヨークに戻ると人はその逆でリアクションが大きく、叫んでいるようにも聞こえるという。パリに来て控えめになるということを覚えたそうです。またニューヨーカーは、サイズが大きいこと、どこにでもコーヒーをもって行くこと、また深い信頼関係を結ぶことが難しいことを指摘されています。

確かに、パリはアメリカと比べて落ち着いた雰囲気がありますね。一生懸命にならなくても何とかなるような雰囲気…。良いのか悪いのか分かりませんが。

この記事のコメント欄に、あるフランス人は、“これはパリだけに関した調査であって、フランス人全体を映し出している訳ではない。確かにパリジャンは外国人を見下しているが、彼らは他のフランス人も見下している。なぜなら彼らにとってのフランスはパリだから。”と訴えていました。

そう、これはフランスではなくパリなんです! お忘れなく。フランスはこんな国?のグラフ3をご覧下さい!

フランスはこんな国?

グラフから読み取るフランスは・・・

 

グラフ1:フランスが好きな理由を示すグラフです。

青帯—the food  フランス料理がすきだから

緑帯—the people フランス人が好きだから

赤帯–the wine フランスワインが好きだから

 

グラフ2:各国の問題解決手段です。
Jerome VADON

クリック拡大

左一番下のフランスは・・・問題(probrem)が起こるとストライキ・・・そして結果はProblems(問題が増えてしまう!)
他の国のジョークも理解できるでしょうか。

ドイツ人は賢いですね。即解決方法が見つかる。

アメリカは問題が起こったらドローン(無人飛行機)を利用。

ロシアはすぐに逮捕して解決。

中国は問題は存在しないと否定。

イギリス人はアフタヌーンティーを飲みながら。

でもアイルランドの人たちはアイリッシュビールでしょうか・・・飲み過ぎて問題が何だったのか分からなくなる!

と、こんなふうに。日本がないのが残念。

 

グラフ3:パリジャンから見たフランス地図
cartefrance.fr (他の地方から見たフランス地図も笑えます!)

 クリック拡大

パリジャンにとって、パリはmaison(我が家)、パリを囲む大部分はpaysans(農民)、海岸部分は全てplages(ビーチ)、北部はpauvres(貧困)、ブルターニュ地方はalcooliques(アルコール中毒)、バスク地方とコルシカ島はterroristes(テロリスト)、フランス南西部はbranleurs(ぐうたら)、ピレネー山地とアルプスはski(スキー)、南仏はmenteurs(うそつき)。

 

グラフ4:マルセイエから見たフランス地図

 クリック拡大

マルセイエにとって、マルセイユはcapitale(首都)。マルセイエにとって、sud (南)とnord(北)の境界は地図上の線の通り。地図の上にあるもう一本の線より上はPôle Nord(北極圏)の始まり。そしてパリはcons。

フランス人の名前

フランス人の名前については、フランス人の名前のページでご紹介しましたが、このページでは現在(2010年)フランスでよく付けられているファーストネームを見てみます。そこから分かることは、いかにイスラムがフランス文化へと浸透してきているか。

La Provence 2010年1月18日付
2009年マルセイユで生まれた子供につけられたファーストネーム、Mohammed(モハメド)と Adam(アダム)が男の子の名前トップ、 Emma(エマ)、 Lina(リナ)が女の子につけられる名前トップ。

さらに2007年、l’INSEEによって製作された資料によると、93県Seine-Saint-DenisにおいてMohamedという名前が常に一番を占めていることが分かる。実際この名前はYanis、Enzo、Lucas、Thomas、Alexandre、Theo、Kevin、Nicolas、Adamといった名前を抜いてトップに来る。これは数年続いており、2002年にはすでにEnzo、Lucas、Yanis、Rayan、Theo、Thomas、Alexandre、Hugo、Maximeを抑えて首位に立っている。

Telestar 2010年10月2日付
フランスにおける組み合わせになった男の子に付けられるファーストネームのトップがMohamed-Amine。30年近くトップにあったJean-Baptisteが2番手。5番手にはMohamed-Ali。しかしMohamedとその47の組み合わせがPierre、Louis、Paulといった300にわたる組み合わせ可能なファーストネームを今にも押しのけることはない。女の子に付けられる名前の4番手にFatima-Zahra。

また、イタリアのミランやベルギーのブリュッセルにおいても、Mohamedという名前が拡大しているそうです。とても興味深い傾向です。日本でこんな現象が起こったとしたら・・・どうなるんでしょう。

al-Kanzより参考

関連ページ パリの中の文化衝突

パリに来るなら

最近おもしろいポストカードを見つけはまっています。
Paris goloというシリーズになったパリに関するおもしろい絵のついたカード。
フランス人が思うパリジャンがよく表れていておもしろいです。

ちなみに Paris golo (パリ ゴロ)
Pas rigolo (パ リゴロ) 《おもしろくない》にかけてあるのでしょう。

Si tu viens a Paris… もしパリに来るなら。。。
と、題されたこのカードに書かれたことを訳すと、

鳩の糞よけヘルメットをつける

侮辱言葉を防ぐ耳栓をする

犬の糞よけブーツをはく

無関心・無感動な顔をする

文化的なものを身につけているとなお良し

そしてこちら

Code de la rue parisienne パリの交通規則

絵を見てお分かりのように、
《みんなで相手を侮辱する》

他にも、たくさんおもしろい絵があるのでパリのお土産にどうでしょうか!?

フランス人のイメージ

先日ある英字新聞を読んでいたらこんなおもしろいジョークを見つけました。

アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、イタリア人、フランス人そして日本人について、それぞれの国民性をおもしろく表現しているジョークです。

French image
The Japan Times より

“A sinking liner”

The captain urges the passengers to dive into the sea.
He says to the American man , “you will be a hero if you do it.” ;
to the British man, “you will be a gentleman.” ;
to the German guy , “this is an order to jump.” ;
to the Italian man , “you will be loved by many women later.” ;
to the French man, “don’t jump” ;
and to the Japanese man everyone is jumping!

沈没しかけている船

その船長は船を早く離れるよう乗客を促している。
アメリカ人には 「ヒーローになれるぞ」 と ;
イギリス人には 「紳士になれるぞ」 と ;
ドイツ人には 「飛び込むことが規則である」 と ;
イタリア人には 「女性たちがみんな愛してくれるぞ」 と ;
フランス人には 「飛び込むな」 と ;
そして日本人には 「みんな飛び込んでいるぞ」 と。

アメリカとイギリスそしてイタリアについてはすぐ理解できたのですが、ドイツとフランスがいまいち。そこでうちの主人にどういうイメー ジなのか聞いてみることに。フランス人(もしくはヨーロッパ人)が持つドイツ人のイメージとは、「規則に従って厳格そして勤勉」ということらしいです。そ してフランス人の “飛び込むな” という表現の裏に隠された意味とは,「フランス人というのはいつも言われたことと反対のことをする国民」ということだ そうです。なるほどー、確かにフランス人て何を考えているのか分かりにくいところがある。わが道行く個人主義ですからねえ。ちょっとひねくれていそう。う ちの主人いわく、フランス人は周り(ヨーロッパの他の国)からそう思われているんだそうですよ。

そして、日本人。「みんながしているから自分もしなきゃ」、なんか痛い皮肉ですね。

つまり、フランスと日本というのは考え方の点において正反対ということになります。日本だと何が人気ではやっているのかすぐ分かるけれど、フランスにいると何が人気で何がはやっているのかというのはとても分かりにくい。なぜなら日本では「これが今流行」なんて言葉を聞くと、みんな同じ ファッションで同じ食べ物を食べはじめる。とても分かりやすい。そうでないことがかっこ悪いような気までしてくる。一方、フランスでは、「今これが流行」 なんて言葉さえ普段見ることはないような。他人を気にせず自分流をもっていて、自分がかっこいいと思えばそれでいいし、他人から何か言われたとしても気にすることはしないでしょう。そう、「これが流行」なんていわれると逆に敬遠するかもしれませんね。そしてみんなが知らないようなことに対して価値を見出す国民性だと思います。

*ここでご紹介したジョークの載った本を後日発見。世界で日本人がどんなふうに見られているのか、また他の国々の国民 性をうまく表現したジョークが他にもたくさん。ジョークを読んで世界の文化、お国柄が見えてきます。おすすめの一冊(とてもおもしろかったです)。


中公新書ラクレ
著 早坂隆
「世界の日本人ジョーク集」

さて話題を変えて、フランス国内に目を向けてみましょう。日本でも九州、関西、関東、東北というように、フランスにもそれぞれ地域によってカラーというものがあります。

まずフランス人が見る【パリジャン】とは、プライドが高く、冷たくて、浅はか。外見的には青白くて ひょろ長い。地方出身者からなるパリのサッカーチームの選手でさえ、パリでプレーするのが嫌いだとか。

そして、パリジャンは地方出身者を田舎者扱いし、彼らのフランス語アクセントを笑い、低レベルだと思っている。パリはフランスではなく パリなんです。 パリに来るならも参考に。

では他の地方のイメージはというと、、【南仏】は、怠慢で、大げさ、【ブルター ニュ地方】(フランス西部)の人は頑固、【コルシカ人】は、短気で怠慢。(あくまでもイメージなので全てが当てはまるわけではありません。)

さらに目を広げて、フランス人の見る他国イメージです。まずお隣スイスの人々はスロー。またベルギー人はいつもフランス人に馬鹿にされています。個人的にはベルギー人の方が賢い人が多いと思うのですが。道徳心もあって。ドイツ人は先に書いたように勤勉。イギリス人は味覚なし、でもエレガ ントでユーモアのセンスがある。たまに気取りすぎて男性が女っぽいことも。イタリア人は、うるさい、おしゃべり、ずるがしこい、そして男性はマッチョで女性を少し見下ろしているところがある。スペインはプライドが高く、いつも外でパーティをして騒いでいる。ポルトガルは貧しい国だが、働き者である。

またイタリア人とフランス人についてこんな言葉があります。A Frenchman is an Italian who forgot to smile. 「フランス人とは笑うことを忘れたイタリア人」 同じラテン系でよく似ているのかな。

そう周りから見るフランス人のイメージとは、プライドが高く、ずるがしこく、個人主義。

うちの主人はコンピューター専門で日頃から海外とのやり取りも多いのですが、そん中、フランス人であることを痛感することが多いそうで す。例えば、何か協力してもらったことに対してあるカナダ人に”thank you”と言うと、「フランス人なのに珍しいな」と言われたそうです。なぜ珍しいのかと尋ねると、「フランス人ってだいたい意地悪な人が多いから」と答えたそうです。

またこちらはロイターニュースで見つけた話題。「オランダ人から見た「礼儀正しさ」アンケート調査で、マナーの悪さ1位に輝いたの はロシア、そしてフランスが2位。オランダは自らを3位に。一方オランダ人が選んだ、マナーの良い国は、スイス、スカンジナビア諸国、ベルギーが上位に (ロイター通信/2006年)」。

そしてこちらもフランスのニュースから、失礼なパリジャンという話題。「パリ観光局では、パリジャンの観光客へ対する対応が「無礼」と 批判され、外国人旅行者に親切にするように啓蒙するキャンペーンを繰り返してきている」ということです。(ロイター通信/2007年)

では最後にフランス人の見る日本とは。

日本に対して肯定的な人の意見は、「近代的、清潔、伝統的」、否定的な人は「長時間労働、自殺の多い社会」。あとよく聞くのは、日本人は世間知らずなので、何かとだましやすいとか。この点ではかなり被害を受けている日本人も多いのではないかと思います。言葉の壁もありますし。皆さんだまされないよう気をつけてください。

また最近ではアニメの影響がかなり強いですね。日本に行ったことのないアニメ狂フランス人の中には日本をアニメのような世界だと思い込んでしまっている人がいます。テレビで見たレポートの中では、テレビアニメのコスチュームを着てパリの中を歩き回る女性だとかが目撃されています。そういう人たちは、日本と同様とにかく非現実的で、フランスでもオタクが広まりつつあります。「漫画が好きだから日本語を勉強したい」くらいならまだいいのです が、「アニメの世界で暮らすために日本人と結婚したい」と言っていたフランス人女性には驚きました。中にはそれを社会に適応できない幼稚な習性だと感じる外国人も多いようです。もっと他にもたくさん日本の良い文化を伝えていきたいものです。