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陶器の村ムスティエ(プロヴァンス)

ムスティエ サント マリ Moustiers Sainte-Marie

南仏の本当に山の中、北部に位置する小さな村ムスティエはフランスの美しい村の一つとして認定されています。

近くにはLac de Sainte Croixという大きな湖と、Gorges du Verdonという峡谷があり、たくさんのフランス人がキャンピングカーで夏のバカンスを楽しんでいます。

またこの村は世界でも名を知られる陶器の産地としても有名です。

ムスティエ観光公式サイト

 

村の歴史

ムスティエと現在呼ばれるこの地域に人間が住み始めたのが、クロマニョン人時代、約3万年前。

ブロンズ時代にはリギュールと呼ばれる部族(Ligures)が一帯を支配し、Oppidasと呼ばれる要塞化された集落を築いていきます。

しかし5世紀になって初めて現在の村の起源が始まります。Lérinsの修道士たちが凝灰岩の洞窟に住み始め、6世紀に修道院を築き、そこからMoustiers Sainte-Maire(Monasterio au Moyen-Age)という名前の由来が来ます。

その後、10、11世紀にムーア人の侵入があり、住民たちは身を守るために洞窟の中へと避難し、12、13世紀頃に要塞や家々が立ち並ぶようになります。

しかし14世紀にはペストの大流行(1348年)に加え、プロバンス伯爵領の継承争いにより多大な人口損失を受けることになります。

さらに16世紀、水力を利用したなめし革業や製紙業が開発され村は再び活気づきますが、17世紀に降りかかった厳しい気候のせいで村の機能は悪化し、再び人口が減少してしまいました。

 

ムスティエ陶器

ムスティエ陶器技術は中世より発展してきました。もともとは緑と茶色という自然の色で陶器が作られていたのですが、1668年にイタリア人修道士がLérinsの修道院からこの土地に立ち寄った際に白い陶器を作る秘伝を伝えました。

さらにルイ14世が財政難を乗り切る政策として金や銀の食器を減らすよう命じたため、ムスティエの陶器はヨーロッパの宮廷で最高の名声を得ることになります。

………… ムスティエ陶器のお薦めショップ

お店を選ぶときにはEPVのマークを目印にするといいですね。
Enterprise du Patrimoine Vivant 自然のままの粘土を使った製法と伝統的なノウハウをマスターしたアトリエとして認められている証拠です。

Atelier Bondil
Manufacture Lallier-Moustiers

確かにこの二つのお店の店員さんは『自然の粘土を使用しているから手にすると意外と軽いんですよ』とおっしゃっていました。別のお店で同じような食器を持ってみると重いんです。また絵柄の説明や、歴史なども丁寧に教えてくださいました。

私たちはAtelier Bondilで伝統的な白い陶器にブルーのデザインのお皿と、カラフルなデザインの花瓶を購入。

*おそらく観光客が店内で無断で写真を撮って帰るのでしょうね。写真は撮らないようにと張り紙のしてあるお店もあるので十分注意しましょう。

 

ヴェルドン渓谷 Gorges du Verdon

ムスティエ サントマリの村の近くにはヨーロッパで一番深い渓谷の一つGorges du Verdonがあります。ここは必見!

Allos峠近くに水源をもつVerdon川によってHaute Provence大地の石灰が侵食してできた結果この渓谷が生まれました。長さは50kmも続き、一番深い地点で700mもあるそうです。

ボート遊びを楽しむ人、ハイキングを楽しむ人、手前の橋から写真を撮っている観光客。今回私たちは観光客側でしたが、次回はハイキングに来ようと約束。素晴らしい景色が見られるはずです。

 

ランチは

さてランチですがGorges du Verdonの南に位置するMoissac Bellevueにあるホテルレストランに連れて行ってもらいました。

Bastide du CALALOU

緑に囲まれたとても素敵なレストランです。サービスもさすが4つ星レストラン問題ありません。

アントレのマグロのカルパッチョ、メインはポーク、デザートは苺のスープとチョコレートたっぷりのProfiterole chocolat caramel。

 

お土産にオリーブオイル

Moulin à Huile GERVASONI

レストランのある村から東に位置するAupsという村で偶然立ち寄った小さなオリーブ工場。そこで見つけたオリーブオイルは毎年メダルを取っているものすごいお店でした。小さな販売所に入るとその認定証が天井一杯に掲げてあり、製造過程を一通りビデオで見せてもらった後、3種類のオリーブオイルを味見。南仏出身の主人はスーパーのオリーブオイルでは決して満足しないため、いいオリーブオイルを探し出すのはかなり大変なのですが、ここの商品は太鼓判。

 

まだまだ発見することがたくさんあるプロヴァンス。ドライブがおススメです!

Villecroze ヴィルクロズ(プロヴァンス)

南仏といえば海側コートダジュールが人気ですが、山側もとても楽しい。いろんな小さな村が静かに点在しています。今回訪れたのはVillecrozeヴィルクロズと呼ばれる小さな町というか村。

ランチが目的だったのですが早く着いたのでまずはレストランの近くにあった公園へと足を運んでみました。

Jardin des grottes

公園奥には35mの高さから流れる滝や、名前の通り居穴洞窟もあります。奇麗に整備された花壇にはバラがたくさん咲いていました。のーんびりお昼まで時間をつぶしたら、歩いてすぐそこにあるレストランへ。

Le Colombier

Quartier Le Colombier – RD557
83690 VILLECROZE

こちらはホテルレストランとなっておりレストランの裏を少し登った所にホテルがありました。早く着き過ぎたので迎え出てくれたシェフが公園を紹介してくれました。戻ってみると今度はマダムがお出迎え。

テラスもかわいくデコレーション。南仏らしい雰囲気です。

そしてメニューは!

前菜:トマトとメロンのムース。これがとても美味しい。そしてグルマンドサラダと鴨のフォアグラ(自家製)。

メインはMarmite de Noix de St-Jaquesを選びました。中にはホタテとポワロが入っています。

デザートはイチゴパフェ?もう一つはVacherin Glaceと呼ばれるアイスクリーム。

南仏の山側には本当に美味しくて素敵なレストランがたくさんあります。ドライブがてらいろんなレストランを試してみて下さい。

ブールジュ

お城で有名なロワール地方にある都市ブールジュ。元はケルト人が設けた集落があり、共和政ローマ時代のガリア戦争ではカエサル率いるローマ軍とガリア軍の戦いの場所ともなりました(アウァリクム包囲戦)(ウィキペディアより)。

そしてこの町の見所といえばサン=テチエンヌ大聖堂。12−13世紀にかけて建設された司教座聖堂で、シャルトルの大聖堂と並ぶフランスゴシックの代表的建築と知られています。1195年にブールジュ大司教アンリ・ド・シュリがブールジュ司教座大聖堂の教会参事会に贈り物をしたことが、それまで小さかったロマネスク様式の聖堂から大聖堂へと建て替えるきっかけとなったそうです。

そして1992年にはブールジュ大聖堂としてユネスコ世界遺産に登録されました。

大き過ぎてカメラに納まりません・・・。

この柱の大きさが伝わるでしょうか。ブールジュ大聖堂には他の大聖堂と違って翼廊が存在せず、そのことによって視界が開け、内部の空間が広大に感じられるのだそうです。

小さな町ですが、この大聖堂周辺には中世からルネッサンス期に建てられた美しい建物が点々と集まっており、のんびり歩いてみるのもいいかもしれません。

ブールジュ観光局

 

 

テンプル騎士団の村

世界一高い場所に架かる橋,ミヨー橋を越え、A75(高速道路)を南へと進んで行くとPlageau de Larzac(プラトー ドゥ ラルザク)と呼ばれる高地へと辿り着きます。どんどん山を登ったかと思うとそこから下らず永遠と平地が続きます。日本人には少し不思議な地形です。

この一帯はGrands Causses National Regional Parc(グラン・コース自然地方公園)として保護さており、ヨーロッパでも一番美しい自然が楽しめる場所として有名です。

広大な高地の合間に深い谷がいくつも入り組んでいる眺めは圧巻。

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そしてこの住む人もまばらな地域にテンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団がかつて築きあげたという村が点在しているのです。

Larzac Rampartと呼ばれる一帯には5つの見所があります。

・La Cavalerie
・Le Viala du Pas de Jaux
・Saint-Jean-d’Alcas
・La Couvertoirade
・Ste-Eulalie de Cernon

今回私達が訪れたのはLa Couvertoirade(ラ・クヴェルトワラドゥ)。

古い石造りの集落がひっそりと佇んでいます。ここにテンプル騎士団や聖ヨハネ騎士団が・・・感動です。

そして村を見下ろす場所に教会が。そばには騎士団の十字架マークの入った墓がいくつか残っていました。どんな人がここに眠っているのでしょうか・・・。

テンプル騎士団とは
エルサレムへ向かう殉教者たちの旅の安全を守るため1113年に聖ヨハネ騎士団、1120年にテンプル騎士団が誕生しました。12世紀中頃、テンプル騎士団がLarzacに落ち着いた頃、この高地一帯は複数の地主たちが支配していました。それが12世紀後半になると多くの寄進が行われ、Larzac高地はテンプル騎士団の支配下に置かれることになります。そしてそれから150年の間、騎士団は分散してくらしていた高地住人をLa Cavertoiradeなどの集落に集めます。1312年には、テンプル騎士団は教皇によって廃止され全ての財産は聖ヨハネ騎士団へと引き渡されることになります。さらに百年戦争(1338ー1453)による社会不安の中、聖ヨハネ騎士団は受け継いだ集落の強化をはかるのですが、16世紀にはユグノー派教会により集落は奪われてしまいます。ちなみに聖ヨハネ騎士団はその後マルタ島を与えられます(歴史がいっぱいのマルタ島の旅も良かったですよ!)。聖ヨハネ騎士団はマルタ騎士団とも呼ばれます。

またこの集落の中には小さなお土産屋さんやカフェなどもあります。

地元の果物、ハチミツ、ハム、チーズなど美味しそうなものがいっぱい。サンドイッチ屋さんでサンドイッチとチーズを買って野原でピクニック。景色は最高!

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おすすめのショップはGilles DIRUITさんの作る、なんて言うんでしょうか・・・説明が・・・

このストーブのミニチュアなのですが、煙突やなべに香水をしみ込ませて、後ろ側は見えませんが空洞になっているのでそこでキャンドルに火をつけると、その熱で香りがふわっと部屋中に広がるのです。これはBonne idéeです。小さなお店に一つ一つ手作りの作品がずらーっと並んでいます。騎士団とは全く関係ないのですが・・・女性には喜ばれそうな。おすすめです。

BRÛLE PARFUM METAL
Atelier Métamorphose

12230 La Couvertoirade

中世の歴史や、テンプル騎士団に興味のある方にはとてもおもしろい場所だと思います。機会があれば是非。ただ車がないとアクセスできないのが難点ですが。

Conservatoire Larzac  オフィシャルサイト (音に注意)

ミヨー橋

Viaduc de Millau (ミヨー高架橋)

フランス南部,南仏への入り口に当たる辺りにある都市Millau(ミヨー)にある高架橋です(A75/オートルート75号線)。なんと塔の高さはエッフェル塔よりも東京タワーよりも高い、343メートルに達します! 世界一高い橋として2004年に開通しました。

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橋を渡る直前にサービスエリアがあり、パーキング横にある小高い山というか丘を少し登っていくと橋とミヨーの町が見下ろせる展望台があります。橋はタルン川渓谷に架かっており、それはそれは見晴らし最高です。ここは誰が撮ってもポストカードのような写真が撮れると思います。

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ではもう一枚の写真もどうぞ。この高さ伝わるでしょうか。この橋の上を渡る時のドキドキ感,ワクワク感・・・素晴らしい眺めです。

ミヨー高架橋オフィシャルサイト

では、橋を眺めた後はミヨーの町へ降りていきましょう。
街中自体にはそれほど見るべきものはないのですが、ここは中央山塊と呼ばれる地域で辺りは山や谷など自然がいっぱい。Grands Causses(グラン・コース)地方自然公園の中にあり、アウトドアアクティビィティが盛んのようです。

歴史としては、3000年前にまでさかのぼりますが、タルヌ川一帯にコンダトマグス(Condatomagus)というガリア語の地名があり、陶器製造で栄えローマ帝国に製品が輸出されていたそうです。その後、民族大移動が起こりタルヌ川流域に侵攻して来た民族がアミリアヴム(Amiliavum)と名付け、フランス語のミヨーと変化していったそうです(wikipediaより)。

ミヨー市オフィシャルサイト

市街地を抜け、自然公園の奥へと進んでいきます。山の中を車でぐるぐると、走ること20分。目的地であるホテルに到着!

Grand Hotel de la Muse et du Rozier

タルヌ川沿いに立つ4つ星ホテルです。川のほとりまで降りて行くことができ、川で泳いでいる人もいました。またオープンテラスで川を眺めながらぼんやりするのも素敵です。

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川辺にはリクライニング式のイスが用意されていていつでもどこでもお昼寝可能!

もちろんどの部屋からも山や川の景色が見れるようになっています。私達の選んだ部屋は広めのスタンダードの部屋。出窓になっている部屋もありましたが、一泊しかしないし・・・(次回訪れた時には連泊したい)。またバルコニー付きは部屋が少し狭いようです(値段は安くなりますが)。景色も窓部屋の方が奇麗に見えました。夜は、川の音を聞きながら眠ることができます!

そして食事は、運の良いことに私達が訪れた日は特別メニュー! 地元の食材を使ったコースでした!!! 偶然にもいい日に当たりラッキーだとホテルの人にも言われました。

ミヨーのすぐ近くにある町Roquefort(ロックフォール)といえばロックフォールチーズ、そしてこの地方のもう一つの名物Aligot(アリゴチーズ)。

ロックフォールチーズと梨のパイ

子羊とAligotチーズ

そしてデザート:地元の羊のミルクでできたチーズで作ったチーズケーキとアイスクリーム。おいしい!!!

満腹状態ですぐには眠れそうにもないので、川辺のテラスで少し休憩してから部屋に戻りました。ここは一泊するだけではもったいない場所です。是非次回は長く滞在して近くの山をハイキングして回りたいと思います。自然公園のほんの一部ですからね。まだまだ見所がありそうです。