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EUいじめ問題

いじめ問題は、日本でも大きく取り上げられている社会問題の一つですが、同じように海外においても深刻な問題として扱われています。地域社会が複雑化するにつれ子ども社会もそれに追随します。

EU全体でのいじめ問題
ヨーロッパ社会でのいじめ問題は他の国々と同様、増加傾向にあり、また一方で若年化しています。

スペインでのいじめの例

2003年の9月、スペイン北部バスク地方にある高校に新入生として当時13歳だった少年が通っていたのだが、胃腸感染によりクラスで下痢を伴う発作を起 こしてしまった。そしてこの日以来クラスからいじめの対象になってしまう。2004年の8月には、少年がサマーキャンプでハシシを友達と一緒にすっているのが見つかり、そのことで少年の両親が関係したクラスメートの両親に忠告したところ、そのことがかえっていじめを悪化させてしまった。その年の9月にはその少年の机にトイレットペーパーで飾られた《記念日》と書かれた文字が。

少年はいじめをするクラスメートの名前を挙げることを拒んでいたが、2004年9月17日についに母親に事実を伝え、その2日後関連した生徒の親に会うことになる。9月21日、トラブルに巻き込まれぬよう携帯電話を持ち少年が学校から帰ってくるはずの時間、少年は家へ向かう代わりに町を 囲む中世の石塀の頂上へと向かった。そしてそこで飛び降り自殺を図ったのです。

こういった事例がヨーロッパ各地で広がっており、自殺までいくケースはまれではあるものの、嫌がらせや暴力など広範囲化しまた悪化し続 けている。また傾向としてはその対象が若年化していることです。

スペイン 9歳から16歳の間の7%の子どもたちが深刻ないじめの被害にあっている。

フランス 学生の13%が複数のいじめ事件のターゲットにあったことがあると答えている。一方、い じめだけでなく、言葉による攻撃、けんか、盗みなど学校における暴力事件の数も72,000件(2002-03年)から81,000(2004年)へと増 加している。

ドイツ 暴力的いじめにあったと答える生徒のパーセンテージが一世代のうちに倍増している。 1970年代に5%だったのが、今日では10%となっている。ドイツ人元教師は、「実質的に子ども達の切れる境界線が低くなり、より突発的に暴力へ訴える。」と述べている。

イギリス 1862人のイギリス人の親のうち、21%が自分達の子どもが過去一年においていじめを 受けたことがあると答えている。またそのうち57%は言葉によるいじめ、27%が暴力によるいじめ問い結果も出ている。

いじめの原因として、家庭環境の影響は大きい。調査では、子どもの数が減り、一人っ子が増えるにつれて、家庭内で人間関係を学ぶことが困難になってきていると指摘されている。兄弟が多ければ、その中で上下関係やけんかをすることによって痛みを知ったり何が悪いのかと言うことを自然に生活の中から学べるのだが、一人っ子であることによりその訓練が省かれてしまうのだ。そしていきなり大きな学校という社会へ送り出され、直面する問題に対して解決方法がなくいじめへ走ってしまうという。

例えば、兄弟間でテレビの奪い合いがあるとする。どちらかがあきらめないと解決しない問題である。きっとけんかが始まるであろう。でも その後けんかをしたところで解決するものではないと気付くはず。そしてそこへ親が入り、テレビを順番に見るという妥協案を提示することにより、その問題は 解決されるでしょう。このように子どもは多くの解決方法を家庭で身に付けていく。

それが一人っ子の場合では機会が少なくなってしまうと言うのです。そして学校などで、自分の欲しいものを他人が持っていたり、自分より 頭のいい子がクラスにいたりすると、そのストレスをどう発散していいのか分からなくなってしまうのです。そして子どもの脳というのは感情に訴えやすく暴力 へと走っていしまうのだそうです。

以上 ヨーロッパTIMEより参考
訳 aki

日本にいるとなかなか国外の事例を耳にすることがありませんが、いじめという問題は世界的問題でもあります。便利になる社会である一方、その犠牲になって しまうのはまだ良し悪しの判断ができない子どもたちだと思います。大人の都合だけで社会を変えてしまうのは無責任であるし、今の子ども達は次の世代の親でもある。この連鎖が続いていくとしたら、きっと心のない人間でこの世の中いっぱいになってしまうでしょう。また学校の先生や親だけでなく、社会の中にいる人全員が参加して考えなければならない問題だとも思います。

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