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フランスの格差

人間の暮らしが豊かになるよう、さまざまなものが開発され進歩を遂げているはずなのに、貧困と言う言葉はなくならず、それどころか豊かな国における 格差というものもがニュースにあがるようになりました。

ここフランスにおいてもその傾向は顕著で、最近ますます地下鉄で見るホームレスの数が増えてきています。そしてそれとは逆に、 Insee(フランス国立統計経済研究所)による統計によると、より多くの富裕層がさらに裕福になっている傾向にあるそうで、フランスの格差問題がよく理 解できます。《リッチな者はさらにリッチに、貧しいものはさらに貧しく》ということです。

高所得層の収入平均は人口全体の所得平均よりもさら上がっており、こういった高収入層によって格差が広げられてしまったとも考えられます。人口のわずか1%に過ぎない超富裕層が所得の5,5%を、また32%の遺産収入、さらには特別所得(資本利益や資産益)の48%を受け取るのだそうです。

さらに裕福な人々の数も大幅に上昇 : 70%が年間500,000ユーロ、28%が100,000ユーロ以上を稼ぐ(2004~2007年)。2006年度のフランス年間生活平均基準が 20,750ユーロ(月1,730ユーロ)だったところ、2007年ではその生活基準が21,080ユーロ(月1,760ユーロ)で、1,6%の上昇。 50歳から64歳の裕福な人々では、年間25,000ユーロ。

さらに格差の要因となっているのが、経営人や金融家などの高給取りの人々。彼らは派遣社員の7倍支払われ、莫大な昇給の恩恵を受けてい る。より裕福であれば裕福であるほど、給料も上がる!

では貧困の分岐点はどのあたりかというと、月に908ユーロの生活レベルで、人口の13,4%。片親、移民世帯、失業者が主に貧困の危険にさらされ ている。片親世帯の30%以上が貧困と直面していおり、失業者の場合貧困に陥るリスクが4,7倍、また移民世帯に属する人々の3分の1が貧困のの分岐点下にあるということです。(以上フリーマガジン20minutesより参考/訳 Aki)

パリの中でも東側と西側でよく格差が分かります。北駅辺りから16区に移動してくると同じパリなのにこんなにも違うものかと驚くことでしょう。最近 では16区あたりの地下鉄内にもホームレスが増えてきて、ベンチに座って電車を待つことができません(ホームレスがたむろしてお酒を飲んでいたり、寝てい たり、ちょっと怖いです)。先日はベンチではなくプラットホーム上に直接寝ている人がいてビックリ。そうかと思うと、息子の誕生日にプライベートジェットを買ってやっただの・・・同じ国なのに世界がまるっきり違う。

パリの西に位置するBois de Boulogneでは富裕層しか入会できないと言う隠れジムが何件かあるそうです。あるテレビのドキュメントでやっていたのですが、メンバーに知り合いが いなければいけないとか、入会できるかどうか審査した後に通知が来るとか、普通の人だと門前払いにされてしまうそうです。これは差別ではないかという問いかけをしていましたが・・・。とくにフランスはご先祖様のおかげでリッチな人が多く、そういう方たちは働かずとも収入を欠くことがないですからね(これはどこでも言えることですが)。生まれた家系によってほぼ階級が決まってしまう。

ただこのまま差がどんどん開いていくとどうなってしまうのでしょう。日本でも深刻な問題ですね。