フランス語vs英語

フランスでは、全て政府で取り扱われる書類などはもちろんのこと、ビジネス文書、レストランメニュー、広告などにおいてフランス語を使用するとい う法律が決められている。しかしながら最近になってこういったフランス語擁護者たちは英語の強力な脅威に立ち向かわなければならなくなってきた。

フランス国内において英語教育をフランスの学校で義務づけるようにしようという提案が持ち上がったのだが、これに対して反対の声が予想通り炸裂した。それどころかフランス語支持者達はフランス語をEUの公式な言語に採用するよう声名を出したり、シラク現大統領でさえこれに加担している。 Nothing would be worse for humanity than to move toward a situation where we speak only one language.つまり、「人道にとって一言語しか話さないような状況に近づいていくということは何よりもあってはならないことである」と彼は言っている。みんな英語以外に他の言語も使おうと。これは、70年間のフランス植民地の結果現在もなお約100万人もの人がフランス語を話すヴェトナム訪問の際に発した言葉です。フランス人はいったい文化の多様性を保護しようとしているのか、それとも自分達の影響力あるいは支配力を誇示しようとしているのだろうか。言葉と行動に矛盾が多い。

第一言語として約3億8千万の人々が英語を使用し、第二言語としては2億5千万人を超える。一方フランス語はというと、それぞれ1億人と6千万人程度である。毎年フランスはフランス語を国際的に促進するため10億ドルの予算を費やしているにもかかわらず、その話者の数から見ると世界で11番目のランクにしかならない。

ユネスコ、インターポール、欧州裁判所など国際的機関においては公式言語としていまだフランス語の力は存続しているが、他の分野、例え ば、国際外交、ビジネスなどでは英語が圧倒的に支配してしまっている。特にコンピューターウェッブサイトの52%がほぼ英語使用なのに対し、フランス語はたったの4.4%。さらに欧州全体(英国をのぞいて)でも、92%の学生達は外国語として英語を学ぶことを選ぶ。ちなみにフランス語をとる学生は33%、 ドイツ語が13%。さらにフランスの多国籍企業などでも職場で使用する言語として英語を採用している所もある。

長い間フランスでは自国の言語、文化を世界に広めることがこの国の政策の重要な部分であったのに、グローバル化によってその影響力が弱 められてしまった。多くのアメリカの映画や音楽が国内に浸透し若者の心をひきつけ、フランスを越えて活躍しようと望むものにとっては必要不可欠の言語であるという位置づけがなされている。そんな中フランス指導者達は英語を採用するよりむしろ現実を否定して公然と非難を繰り返す。そのため、8歳以上子ども達 に対して英語を必須にしようという政府の提案にしても教育機関や教師達が耳を傾けないのである。

そんな報告があった後日、3人のフランス人の役人がブリュッセルでフランス語をEUの公式言語にしてくれとバトルを始めた。フランス語は他の言語と違って、意訳の違いの危険性が少ないからだと言う。

以上TIME誌より参考

英語にもフランス語にも関係のない私から見ると、ヨーロッパでライバルの英語が拡大していくのを見るのはフランス人にとって耐えられな いことなのでしょう。でも今のビジネスコンピューターの時代にフランス語の影響力はとても英語に勝てるものではないと。フランスにいても使っている電化製 品はほとんど外国製(その点日本語が共通語になってもいいくらいなのに…)。文化社会「フランスの税金」でも述べたように、この国でビジネスで成功するということはまず難しい。みんな能力のある人は海外へ出て行ってしまう。まず言語や文化を無理に提供するより、もっと外に影響力を持 てる中身を作らないといけないと思う。魅力のあるものになれば自然とその言葉も必要とされてくるのでは。

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フランス人も英会話に通います。97%の人が結果を出せるんだそうです!