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フランス人も花粉症

長いヨーロッパの冬が終わり暖かく明るい春がやってこようとする時期、ウキウキする気持ち半分、憂鬱な気持ち半分で過ごす人は少なくないはず。そ う、毎年日本でも話題にされる花粉症の季節です。

私自身日本にいる頃、大変悩まされました。特に目がかゆくなり、鼻が詰まったりして、、、。それからフランスに移り、おそらく植物の種 類が変わったからでしょうか、症状はかなり軽くなりました。でも、私の場合花粉に対する許容量が小さいのでしょう、毎年確実に目のかゆみが広がり、今年はくしゃみの数も増えたと思います。

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フランス人も通りでよくくしゃみをしたり、鼻をブーっとかんでいる人が目立ちます。主人も花粉症ではないのですが、天気のいい日には花粉が飛んでいるのを感じると言っています。日本だとマスクしたりして予防ができるのですが、こちらはマスクをつけると重症患者と思われるそうで、外でつける人はいませ ん。目薬も日本のように簡単に薬局で買えるというものではありません。医者からの処方箋が必要になります。外出するときは、花粉を吸い放題ということにな ります。

こういった状況で、フランスでも年々花粉症をはじめいろんなアレルギーにかかる人が増加しているそうです。

植物、動物、食品などが原因で喘息、花粉症、鼻炎、結膜炎、湿疹などの症状が広がり、現在フランスでは千五百万人が何かしらのアレルギーにかかっているだろうとされていてるそうです。またフランス人の40%がこういったアレルギー症状をもつ可能性を持っているとも言われています。

生活水準が上がり衛生に対する関心が強まる社会では人間は抵抗力を失い、また医学の発展や抗生物質の過度の使用により免疫システムが本 来のように機能しなくなってしまった、というのがよく言われる現代人の特徴ではないでしょうか。

食生活の点から見ると、食事の準備に費やされる時間が減り、惣菜などできたものを利用するケースが増え、そのことがさらに消費者をアレルギーにかかりやすくさせる要因になっているそうです。フランス人は世界各国のさまざまな料理を食べるようになり、時にエキゾティックなスパイスや果物でアレルギー反応を起こす人もいるそうです。食品アレルギーについて言えばフランスでは5年で2倍に膨れ上がったそうです。

住居問題では、我々の住む居住空間はどんどん小さくなり、またしっかり隔離されいつでも暖かく保たれるようになりました。そのことで湿 度も上がり、ダニが住みやすい環境を作り上げてしまいました。さらにはペットを飼う人も増え、今日では2世帯に1件以上が動物を飼っている計算になるそう です。特にパリはどこを見ても犬犬犬ですからね。

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食品アレルギー:フランスでは二百万人が食品アレルギー症状を持っている。大人よりも子どもに多く、15歳まで の子どもは動物が元になっている食品、大人は逆に植物性の食品でアレルギーにかかることが多い。(卵白、牛乳、落花生、魚)

花粉症:フランス語ではrhume des foins(干草の風邪)、英語では hay fever(干草熱)とか専門用語でpollinosisというのがありますね。英語で花粉を pollen、フランス語でpollensと呼ぶところから来ているのでしょう。フランスでは人口の25%がかかっているとされ、毎年全ての年代において患者が増えているそうです。

動物アレルギー:フランスの人口の約2.5%がこの症状を持っています。一番多いのが猫アレルギー、そして一番強い症状が現れるのが馬やげっし動物(ねずみやウサギ)だそうです。

フランスも、日本のようにさまざまなアレルギーに悩む人がたくさんいるということですね。生活が豊かになったはずなのに病気が増えるなんて皮肉なことです。帰ったらうがいと手洗い、だけどそれが免疫力を下げているともいえるし、、、。難しい。 (以上参考:Directsoir)

フランス人は犬がお好き

フランスというかパリは本当に犬ばかり。これまで猫を見たのは2回くらいでしょうか(猫は南仏ですね)。でも犬は毎日目にします。
たまに大きな犬とすれ違う時にドキドキしたりしますが。

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Dog’s Bar : オペラ通りから少し細い路地に入ったところで見つけた犬のバ-です。

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建物の中には“人間用”のバーもちゃんとありました。

本当に犬が大好きなんですねフランス人。どこに行っても犬と一緒です。通りを歩いていても、公園に行っても、カフェに行っても、スーパーに行っても、どこでも一緒。

日本人の感覚からいうと、スーパーなどに犬を連れて入るのはちょっと気が引けますが、こちらでは野菜コーナーだろうとお肉のコーナーだろうと犬と一緒に買い物をする人を見かけます。犬のしっぽがチーズに当たっているのを見たりすると、やっぱり買う気がなくなりますが。入れない場合はお店の入り口で待っている賢い犬もいます。

健康診断で行ったドクターオフィスでは、犬が走り回っていましたね…そこではい検査するから服脱いでと言われてかなり驚いてしまいました。

また、あるファストフードのお店で食べていたところ、犬を連れた中年の男性が急に、なんてことだ! と言って立ち上がりました。するとプーンと尿の匂いが… 犬が店内で用をたしてしまった模様…。

電車の中でも、いましたよ、巨大な犬が…。通常地下鉄には小型犬など条件付きで乗車を許可される場合もあるのですが、そんなルールはあってもないようなもの…。一度、ある乗客が大きな野良犬のような犬をロープでつないで入ってきました。口には口輪がしてあり、見たからに怖い…。乗車してくるなり他の乗客の買い物袋を嗅ぎ出し、床に寝そべったり、ついには車内の人の体につきまとい始めるではありませんか。もちろんその人は怒っていましたが、飼い主は知らん顔。

ホームレスが犬を飼っている場合もあります。この間は、通りで通行人の連れていた犬に襲いかかっているのを目撃。かなりショックでした。実際、こういった凶暴な犬が小さな子供を襲ったりするというニュースもたまに聞きます。気をつけましょう。

さて、犬と言えば、パリの大きな問題の一つ、その犬の糞です。道のあらゆるところに犬の落し物があるので、パリに来たら下を向いて歩かないと 本当に危険です。飼い主も処分しようなんて気はまったくありません。数年前には市が犬の糞処分に大きな吸引機のつ いた車で掃除をしていたらしいのですが、そうすると飼い主が全く責任感を感じず、悪循環ということで廃止になってしまったということです。

観光客で賑わっているような所では、お店の人が掃除しているので(お気の毒に)、旅行で訪れるくらいなら「あこがれの風景」は「あこが れ通りの風景」。でも実際住んで生活し始めると見たくないものまで見えてくるものです。

この間は横断歩道の上に糞が山のように積んであったのを目撃(汚くてすみません)。なぜ横断歩道のど真ん中にそんなものが残されているのかが不思 議でたまらないのですが。朝起きて外出する時、アパートの目の前に糞が落ちているのを見るのも気分が悪い。でも犬が目の前で用を足しているのを見るのは もっと気分が悪い。以前住んでいた隣の犬はアパートのエントランスホールで糞をしていくし。それをそのままにしておく人の考えも理解できない。誰かが糞を踏んでしまった 跡は、またこれもグロテスク。何とか靴から取り除こうと数メートルにわたり糞のパレード。それが複数の人間になるとその周辺はたちまち危険地帯に(汚くて すみません)。

ちゃんと躾のいっている犬は本当に賢いんですけどね。かわいい犬もたくさんいるし。私個人もどちらかというと犬派なのでいろんな犬を見 かけたりするのは楽しいのですが。やっぱり飼い主の躾からですね。

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住宅街で見つけたサイン。[JE RAMASSE ] (私は拾う)なのですが、
誰かが落書きを。[MON CACA](私の糞)

***対策としては、パリでは犬の糞を回収しないと最高450ユーロの罰金がかかることになっています。犬のフンで汚れた通りをきれいにしようとパリが3年にかけて犬の飼い主に訴えかけてきた結果、60パーセントの飼い主が犬のフンを拾うと答えました。ちなみに毎日出される犬の排泄物は 16トン(2005年)

***2009年、路上の糞に対する罰金制度が、うまく行っているのかどうか疑問に思う今日この頃。また最近ひどくなってきているよう な。そこでパリ市から出されたこんな広告を発見。


《汚い?パリも同じだよ》
クリックすると拡大しますが、かなり汚いので要注意

***2014年ページ更新。相変わらず汚いパリです…。

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ペット問題

フランス人のお金の使い方

フランスにいてよく不思議だなあ思うのは、多くの人がレストランでランチ、ディナーをしていること。安くはないメニューを毎日食べています(ランチ に20~30ユーロ/一人)。また、フランス人はショッピングが好きですね。日本人もそうですが。でもこちらではリッチな社会層だけでなく、中級層以下の人たちもかなり大量のショッピングをするのに驚きます。失礼とは思うのですが、どこからお金が出てくるんだろうと。秘密があったら教えて欲しい。

そして、ある日うちの主人に、「フランス人は税金いっぱい取られるし、リッチな人は一握りなのに、何でこんなにたくさんの人が大きな買い物ができるの」と尋ねてみました。すると、主人はズバリ「フランス人は貯金しないんだ」と。

そしてもう一つの要因は、子どもが20歳、30歳過ぎても親と暮らすパリジャンが多いこと。いつまでも親に面倒を見てもらっている人が多いんだそうです。

パリジャンは、このように日本人のように貯金するというような意識が薄く、毎日の生活ができればいいと思っているのだそうです。それを 証拠付けるかのように、LE FIGARO(フィガロ紙)でこんな記事を見つけたので、訳してご紹介します。

タイトル :
『2500ユーロ稼ぐフランス人は娯楽ショッピングに一ヶ月で959ユーロ費やす(参考:アパート家賃でだいたい1000ユーロ)。』

shopping

あるフランス人たちは楽しみのために毎月平均して942ユーロを使う。

フランス人は切り詰めた生活などしない。MediaEdgeによって調査された結果によると、娯楽の支出に毎月平均942ユーロは最低 費やすという。また毎月の収入が1500~3000ユーロにあたる家庭に基づいてなされた調査では、義務的な支出(食費、税金、クレジット)などから解放された層であるため、劣等感が解消され気持ちが楽になり、娯楽にお金をかける傾向にあると伝えている。ちなみに、1500~2000ユーロ稼ぐ層では 473ユーロ、2000~2500ユーロ稼ぐ層では959ユーロ娯楽消費にまわされる。

もしこの傾向が追い風にあるのならば、軽率には受け取めてはならない。なぜなら79%のフランス人は徐々に彼らの出費に注意を払うよう になっていると認めている。彼らのうちの2/3が支出削減のためさまざまな工面やりくりをしようとしている。ショッピングの内訳を見ると、マルチメディア 商品(21%)、衣類(19%)、旅行(15%)、家庭/日用品(12%)、趣味/教養(10%)、アクセサリー/美容(8%)。

娯楽が何よりも一番。Ipsos Public Affairsの調査によると、インタビューを受けた2/3の人々が、痛い出費だと思う(31%)よりむしろ楽しみとして衣類やアクセサリーを買う (65%)と答えている。15歳から24歳にあたる若者(80%)、女性(78%)につづき、男性の二人に一人以上(52%)がこの娯楽趣味を肯定的に受 け止めており、彼らにとってこういったアクティビティは時に中毒症状のようなものにもなる。またステレオタイプを崩すかのように、フランス人はブランド商 品に興味を持たず、彼らの10人に8人(81%)が自分の欲しいものと予算に応じて買い物をすると答えている。

本のような趣味/教養に関する商品に関しても、娯楽が一番の理由となっている。La Sofresの調査では66%のフランス人が気晴らしのために本を購入する一方、たった8%が自己啓発のためだと強調している。1955年の調査では、そ のパーセンテージは、それぞれ46%と14%。さらにインターネットのおかげでさまざまな商品がネット上で購入されている。そしてその数は止まることを知 らない。Mediametrie/Netratingsによると、2007年第一四半期の時点で、17.900.000人がネットで少なくとも一度は商品 購入を行っている。一年で19%の増加。とりわけこのことはアクセサリーや衣類購入に関して当てはまり、54%のフランス人が実際購入したと答えている。

(以上、LE FIGARO(フィガロ紙)より 訳:aki)

娯楽だけでこの出費だから、食費や光熱費なんか加えるとどのくらい残るんでしょうね。それも毎月の平均ですよ。それに家賃はパリではかなり痛い出費だと思うので、見栄のためとはいえ、パリジャンのやりくりはすごい。もちろん純粋に、娯楽を楽しもうというフランス人の娯楽精神も考えなければなりませんが。

フランス人のイメージ

先日ある英字新聞を読んでいたらこんなおもしろいジョークを見つけました。

アメリカ人、イギリス人、ドイツ人、イタリア人、フランス人そして日本人について、それぞれの国民性をおもしろく表現しているジョークです。

French image
The Japan Times より

“A sinking liner”

The captain urges the passengers to dive into the sea.
He says to the American man , “you will be a hero if you do it.” ;
to the British man, “you will be a gentleman.” ;
to the German guy , “this is an order to jump.” ;
to the Italian man , “you will be loved by many women later.” ;
to the French man, “don’t jump” ;
and to the Japanese man everyone is jumping!

沈没しかけている船

その船長は船を早く離れるよう乗客を促している。
アメリカ人には 「ヒーローになれるぞ」 と ;
イギリス人には 「紳士になれるぞ」 と ;
ドイツ人には 「飛び込むことが規則である」 と ;
イタリア人には 「女性たちがみんな愛してくれるぞ」 と ;
フランス人には 「飛び込むな」 と ;
そして日本人には 「みんな飛び込んでいるぞ」 と。

アメリカとイギリスそしてイタリアについてはすぐ理解できたのですが、ドイツとフランスがいまいち。そこでうちの主人にどういうイメー ジなのか聞いてみることに。フランス人(もしくはヨーロッパ人)が持つドイツ人のイメージとは、「規則に従って厳格そして勤勉」ということらしいです。そ してフランス人の “飛び込むな” という表現の裏に隠された意味とは,「フランス人というのはいつも言われたことと反対のことをする国民」ということだ そうです。なるほどー、確かにフランス人て何を考えているのか分かりにくいところがある。わが道行く個人主義ですからねえ。ちょっとひねくれていそう。う ちの主人いわく、フランス人は周り(ヨーロッパの他の国)からそう思われているんだそうですよ。

そして、日本人。「みんながしているから自分もしなきゃ」、なんか痛い皮肉ですね。

つまり、フランスと日本というのは考え方の点において正反対ということになります。日本だと何が人気ではやっているのかすぐ分かるけれど、フランスにいると何が人気で何がはやっているのかというのはとても分かりにくい。なぜなら日本では「これが今流行」なんて言葉を聞くと、みんな同じ ファッションで同じ食べ物を食べはじめる。とても分かりやすい。そうでないことがかっこ悪いような気までしてくる。一方、フランスでは、「今これが流行」 なんて言葉さえ普段見ることはないような。他人を気にせず自分流をもっていて、自分がかっこいいと思えばそれでいいし、他人から何か言われたとしても気にすることはしないでしょう。そう、「これが流行」なんていわれると逆に敬遠するかもしれませんね。そしてみんなが知らないようなことに対して価値を見出す国民性だと思います。

*ここでご紹介したジョークの載った本を後日発見。世界で日本人がどんなふうに見られているのか、また他の国々の国民 性をうまく表現したジョークが他にもたくさん。ジョークを読んで世界の文化、お国柄が見えてきます。おすすめの一冊(とてもおもしろかったです)。


中公新書ラクレ
著 早坂隆
「世界の日本人ジョーク集」

さて話題を変えて、フランス国内に目を向けてみましょう。日本でも九州、関西、関東、東北というように、フランスにもそれぞれ地域によってカラーというものがあります。

まずフランス人が見る【パリジャン】とは、プライドが高く、冷たくて、浅はか。外見的には青白くて ひょろ長い。地方出身者からなるパリのサッカーチームの選手でさえ、パリでプレーするのが嫌いだとか。

そして、パリジャンは地方出身者を田舎者扱いし、彼らのフランス語アクセントを笑い、低レベルだと思っている。パリはフランスではなく パリなんです。 パリに来るならも参考に。

では他の地方のイメージはというと、、【南仏】は、怠慢で、大げさ、【ブルター ニュ地方】(フランス西部)の人は頑固、【コルシカ人】は、短気で怠慢。(あくまでもイメージなので全てが当てはまるわけではありません。)

さらに目を広げて、フランス人の見る他国イメージです。まずお隣スイスの人々はスロー。またベルギー人はいつもフランス人に馬鹿にされています。個人的にはベルギー人の方が賢い人が多いと思うのですが。道徳心もあって。ドイツ人は先に書いたように勤勉。イギリス人は味覚なし、でもエレガ ントでユーモアのセンスがある。たまに気取りすぎて男性が女っぽいことも。イタリア人は、うるさい、おしゃべり、ずるがしこい、そして男性はマッチョで女性を少し見下ろしているところがある。スペインはプライドが高く、いつも外でパーティをして騒いでいる。ポルトガルは貧しい国だが、働き者である。

またイタリア人とフランス人についてこんな言葉があります。A Frenchman is an Italian who forgot to smile. 「フランス人とは笑うことを忘れたイタリア人」 同じラテン系でよく似ているのかな。

そう周りから見るフランス人のイメージとは、プライドが高く、ずるがしこく、個人主義。

うちの主人はコンピューター専門で日頃から海外とのやり取りも多いのですが、そん中、フランス人であることを痛感することが多いそうで す。例えば、何か協力してもらったことに対してあるカナダ人に”thank you”と言うと、「フランス人なのに珍しいな」と言われたそうです。なぜ珍しいのかと尋ねると、「フランス人ってだいたい意地悪な人が多いから」と答えたそうです。

またこちらはロイターニュースで見つけた話題。「オランダ人から見た「礼儀正しさ」アンケート調査で、マナーの悪さ1位に輝いたの はロシア、そしてフランスが2位。オランダは自らを3位に。一方オランダ人が選んだ、マナーの良い国は、スイス、スカンジナビア諸国、ベルギーが上位に (ロイター通信/2006年)」。

そしてこちらもフランスのニュースから、失礼なパリジャンという話題。「パリ観光局では、パリジャンの観光客へ対する対応が「無礼」と 批判され、外国人旅行者に親切にするように啓蒙するキャンペーンを繰り返してきている」ということです。(ロイター通信/2007年)

では最後にフランス人の見る日本とは。

日本に対して肯定的な人の意見は、「近代的、清潔、伝統的」、否定的な人は「長時間労働、自殺の多い社会」。あとよく聞くのは、日本人は世間知らずなので、何かとだましやすいとか。この点ではかなり被害を受けている日本人も多いのではないかと思います。言葉の壁もありますし。皆さんだまされないよう気をつけてください。

また最近ではアニメの影響がかなり強いですね。日本に行ったことのないアニメ狂フランス人の中には日本をアニメのような世界だと思い込んでしまっている人がいます。テレビで見たレポートの中では、テレビアニメのコスチュームを着てパリの中を歩き回る女性だとかが目撃されています。そういう人たちは、日本と同様とにかく非現実的で、フランスでもオタクが広まりつつあります。「漫画が好きだから日本語を勉強したい」くらいならまだいいのです が、「アニメの世界で暮らすために日本人と結婚したい」と言っていたフランス人女性には驚きました。中にはそれを社会に適応できない幼稚な習性だと感じる外国人も多いようです。もっと他にもたくさん日本の良い文化を伝えていきたいものです。

フランスの色

フランスと聞いて何色を思い浮かべますか。日本が日の丸のように、フランスもトリコロールの国旗をイメージしますよね。トリコロールとは3つの色という意味で、青・白・赤を指します。

french flag国旗
赤と青はフランス革命軍が、帽子に付けた帽章の色に由来し、それぞれ、青が自由、赤が博愛を示しています。白はブルボン朝の象徴、白ゆりに由来し平等を。 おもしろいのは、この国旗の色の比率。昔は青30:白33:赤37だったそうです。これは、白という色が人間の目には明るく映り大きく見えるということを 考えてのことだったそうです。現在では海軍を除き、3色とも同じ幅に定められています。

フランスの国旗は、また、革命運動の象徴でもあり、のちにルーマニア、チャド、イタリア、メキシコなどが革命後そのデザインを継承していきます。
ポスト
ポストは日本では赤、そしてここフランスは黄色。アメリカでは青でした。

japanese mailbox french mailbox american mailbox
左より、日本、フランス、アメリカのポストです。

信号
上の写真を見て信号を思い出しました。日本人は「赤・黄・青」と言いますよね。でもフランスでは「緑・オレンジ・赤」。確かに緑と言われれば緑のような、 でもオレンジは…。

まず、最初の信号機を設置した国はイギリス。この信号機の色は国際的に決められています。そう、ウィーンにある「国際照明委員会」によって正式に決められている信号の色は「赤・黄・」。

英語のウィキペディアの説明を見てみると、信号機のa red light(赤信号)はその色合いにオレンジが、そして a green light(緑信号)には青が色盲者のために加えられていると。 そしてa yellow light(黄色)はan amber light(琥珀色)と呼ばれることもあると。

うちの主人(フランス人)も、黄信号のことをorangeオレンジかambre琥珀色と確か言っていました。

traffic light

また、なぜ赤は「止まれ」なのかというと、西洋では赤という色は悪魔の色で、「戦火」「災害」「懲罰」を象徴しており、黄色は「注意が ある」という象徴で使われています。黄色は明るい色で、視認性が優れているとされ一番注意を引く色としてみなされています。そして緑(青)は「平和」「希 望」という意味から使われたんだそうです。

では、どうして日本で緑が青になったかというと、古代日本には色彩を表す固有の語を持たず、赤・黒・白・青の四つ、明暗濃淡で考えていたからです。赤は明るい色、そして青は淡い色調を意味し、また日本人は緑を青の一部と考えていたようです。日本に信号が設置された当初は確かに日本人も 「緑信号」としていたものが、当時の新聞で「青は進め」と発表されてしまってから、「青信号」と言うのが一般的になったそうです。

この色に関する考え方は私たちの文化をよく表しています。例えば日本を代表する単色文化では、人々 は同じ発想を持ち、同じ行動をし、表現が概念的で、一つの言葉の中にさまざまな意味を含むようになります。また、言語の単数、複数表現がとても曖昧。それ に対し、複色文化では、多様な発想、行動、「これが私のカラーよ」と、個人主義的。表現は断定的で、YES NOをはっきり言う。言語では複数単数を明確にする。

日本の「青」でもう一つ。「まだまだ青いな」と言って、「幼い、若い、あるいは未熟」であることを表現しますよね。フランス語では、緑 はvert(べール)。人に使うと、特に老人などが「若々しい」とか「元気な」と言う意味になります。「未熟」という意味ではTu as un blanc-bec(白いくちばし)。また英語でも、緑を使って、He is green in experience.「(経験など)が浅い」 とか「世間知らず」という意味になります。

太陽と月
こちらは以前日記でも紹介しました。フランス人と日本人の次の会話を読んでみて下さい。

フランス人:「えっ、月って黄色? 白じゃないの?」

日本人:「えー、月は黄色だよ。」

フランス人:「黄色いのは太陽の方だよ。」

日本人:「えー、太陽は赤だよ。」「太陽の絵は何色で塗るの?」

フランス人:「黄色かオレンジ。」

日本人:「えー、赤だよ。」

太陽の色と言えばやはり、アメリカにいる時に、子ども達が黄色で塗っていました。確かに現実の太陽って赤くはない。どちらかといえば黄色とかオレンジ。ではどうして日本人は赤なんでしょう。多分、火=赤という概念がインプットされているのでしょう。黄色オ レンジも赤の一部。

でも月は、黄色? 月は太陽の光が反射して黄色に見えてるだけで、実際の月の色は肌のような褐色なんだ そうです。確かに宇宙の映像とかに出てくる月って黄色ではありませんよね。白っぽく見えたりします。黄色い方がなんとなくきれいな感じもしますが、西洋人は現実的です。

moon

ちなみに月といえば、日本ではうさぎがもちつき。

東洋では月は陰の象徴で、女性と関連すると考えられていました。故に月経と呼ばれたり、竹取物語ではかぐや姫が月へと帰っていきました。

一方、西洋では、太陽と並んで神秘的な意味を思っています。月が人間を狂わせるという考えがあり、英語 のlunaticとは「気が狂っている」という意味を表します。また狼男は満月に変身したり、魔女は黒ミサを開くという伝えもあります。また、西洋では、 月の模様をカニの姿にとらえます。ちなみに英語のcancerはかに座で、病気の癌もcancer。がん細胞がちょうどカニの甲羅のように見えることから 来ているんだそうです。(ちょっとカニつながりで。余談でした。)

肌の色
色鉛筆のセットの中にあった日本人のいう「肌色」というのは、日本人の肌の色。世界にはいろんな民族が暮らし、肌の色も千差万別。日本にいる時と同じ感覚 でその言葉を使ったとしたら、差別だと言われてしまうかもしれません。

うちの主人に、「自分の肌の色は何色って説明するの?」と質問したところ、「ピンクが一般的。現実的にはべージュと言うかも。」と。アメリカにいる時も、子供たちは塗り絵で「ピーチカラー」と言っていたと思います。日本で顔の絵をピンクに塗ると違和感がありますが、英語にはin the pink of healthといって、とても健康的だということを表現したり、フランス語にもavoir la pecheで「元気いっぱい」 という意味が存在します(直訳すると桃を持っているという意味です)。そういえば西洋人って、白人というよりピンクっぽいのかも。

参考:Wikipedia