腹話術

知っていてもたぶん使うことも、聞くこともまれかもしれませんが、フランス語で腹話(術)をventriloquie(ヴァントリロキ)と言います。

テレビであるコメンテーターの口の動きと声が腹話術のように見えて、このおかしさを主人になんとか伝えたいと思ったところから始まりました。

さて、このなんだかややこしい単語ですが、このひとつの単語からいろんな単語が覚えられます。では単語の分析開始です。

ventriloquieを2つの部分に分けると、ventri と loquieになります。
ventri はventre(ヴァントゥル)で「腹」という意味で有名ですね。

loquieは loquace(ロキュアス)「話好きな/おしゃべりな」、 loquacite(ロキュアシテ)「話好き/おしゃべり」   (*アクサン省略)
さらには、locution(ロキュション)「句/熟語/慣用語法」、locuteur(ロキュトゥール)「話し手/話者」、  locuteur natifで「ネイティヴスピーカー」になります。
interlocuteur(アンテルロキュトゥール)にすると inter「間/互いの」という意味が追加され、「話し相手/対話者」となります。

allocution(アロキュション)「演説/スピーチ」
colloque(コロク)「シンポジウム/討論会」

ここまで分析すると、一目瞭然。フランス語のventriloquieはまさに日本語の「腹話」と一致している!

さらにさらに、ルーツが分かれば英語もまったく同じ。

ventriloquism 「腹話術」
ventral「腹の、腹部の」

locution 「話し方/言葉遣い」、(格式的)「慣用語法/イディオム」
interlocutor「対話者/対談者」

colloquial「口語の/話し言葉の」
colloquialism「口語体/口語表現」
colloquium「共同討議」
coloquy(格式的)「会談/会話/討議」

さあ、これであなたもトライリンギャル!