マルセイユでサッカーの試合を見に行った時のこと。
マルセイユと言えばL’Olympique de Marseille、L’OM(ロエム)というチームが活躍しています。熱狂的サポーターと知られるマルセイユの人々。初めて見る試合に興奮していまし た。
しかし残念ながら、この日の試合は全くゴールが決まらず、違った意味で応援というか罵声というかものすごい雰囲気でした。
フォワードの選手が何回もゴール近くまで進むんですが、あと少しの所でこけたり、シュートが弱かったり、そんな気の抜けたプレーが続くにつれて、ファンの怒りもエスカレートしていきました。
例えば、
普段の応援の声は
Allez L’OM, allez L’OM, nous allons gagner! ア レ ロエム アレ ロエム ヌザロン ガニェ
(それ行けL’OM、それ行けL’OM、勝つぞ!)といった感じなのですが、
この日はスタジアム全体が
Allez chevres, allez chevres, nous allons gagner! ア レ シェヴル アレ シェヴル ヌザロン ガニェ
(それ行けヤギ、それ行けヤギ、俺達は勝つんだ!)と…皮肉っていました。
*chevre(ヤギ)、gagner(勝つ)
想像してください、ヤギを。なかなか前に進まない。
そして目の前に座っていた男性の飛ばす声に主人が大笑い。
シュートの決まらない選手をイメージして下さい。
jambe de guimauve ! (ジャンブ ドゥ ギモウヴ) マシュマロの足!
これがguimauve(ギモウヴ )
guignol ! (ギニョル) 意味は「指人形芝居」「滑稽な人」 そこから 役に立たないヤツ!
danseuse ! (ダンスゥズ) 意味は「踊り子」 フィールドに立 つ選手が踊り子だと想像してみて下さい。笑ってしまいます。
tir de rouge-gorge ! (ティル ドゥ ルジュ ゴ ルジュ) tirは「シュート」、rouge-gorgeはルジュゴルジュ(赤い首)という名前の小鳥。つまり、小鳥のシュートです。
この小鳥がシュートするのを想像してみてください。
写真は仏ウィキぺディアより
サッカーの試合中に、選手よりも前に座っている男性に気が取られてしまうなんて…。でも一つ一つの表現がツボにはまってしまい、周 りの人たちは大笑いでした。なんという想像力なんだろうと。
サッカーを見に行く時には、周りに耳を傾けてみましょう。