テニスの語源

英語の辞書をパラパラッと読んでいたら(趣味なんです)、偶然テニスの語源についての箇所を見つけました。それによるとテニスというのはフランスが起源で、フランス語のtenir(トゥニール)の命令形tenez(トゥネ)から 来ているということです。

tenir(トゥニール)「つかむ、保つ」などの意味を持っ ており、また命令形tenez(トゥネ)は相手に何か物を差し出す時に「ほら、さあ、そら」といった感じで使われます。ですから、テニスというのは、サーブを打つ人が相手にtenez(トゥネ)「ほら、いくよ」と呼びかけたことから始まるんですね。

もちろんこの命令形tenez(トゥネ)は日常会話でもよく使います。
Tenez, voila votre billet. 「ほら、あなたの切符よ」とか、
何か人に物をあげる時にはtiens, tiens(ティアン、 ティアン)と、友達通しなら tiens(ティアン)を使って。

因みに、テニスは8世紀のフランスではラ・ソーユ (La Soule)と呼ばれ、それが後に貴族の遊戯となって発展し16世紀にはジュ・ド・ポーム (Jeu de paume/手を使った遊び)と呼ばれていました。

そしてもう一つおもしろい話は、テニスのポイントの数え方。高校時代私もテニスをしていましたが、その得点の数え方がおもしろいなあと 思っていました。なんで0-15-30-40なんだろうと。

昔は得点を時計を使ってあらわしていて、60分を4つに割り、15-30-45-60で1セットと数えていました。そう英語やフランス 語にはhalf/demi(1/2) やquater/quatre(1/4) という概念が存在しますよね。そしてさらに45が40に変化して現在のカウントの仕方になったそうです。

そしてカウントの「0」は、「ゼロ」とは言わず「ラヴ」と言います。これは有名な話で、ゼロ「0」というのは「卵」の形に似ているの で、フランス語の卵 l’oeuf (ルフ)と呼ぶようになったのです。中学校の英語の教科書で読んだのかなあ(記憶 があります)。そしてこれがイギリスに伝わりルフという音がラヴと聞き違えられ、そのまま広まってしまったのです。

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(写真をクリックすると拡大)
ベルサイユ宮殿内にある昔のテニスコート(ジュ・ド・ポーム)
当時はまだラケットがなく手のひらでボールを打っていました。
paume=手のひら 英語で言うpalm(パーム)。

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そしてその部屋の奥に飾られている絵。
「テニスコート」の誓い
世界史で勉強しましたね。
ここで行なわれたのでテニスコートだったんですね。
ちょっと感動してしまいました。

「テニスコート」の誓いとは:フランス革命勃発直前の出来事。議決 方法をめぐって紛糾した三部会に対し、第一・第二身分議員が議場を閉鎖しようとしたため、1789年6月20日、多数派の第三身分議員が中心になって、 ヴェルサイユ宮殿のテニスコートに集まり、憲法制定まで解散しないことを誓い合った。ミラボーやアベ・シェイエスが指導した。テニスコートの誓いとも呼ば れる。(ウィキペディアより)


こちら現在のテニスコート。
Stade Roland-Garros(ロランギャロス)