オーデコロン

オーデコロン、それは長い間、私の頭の中では一つの固まった単語だと思っていました。

ところがある日、主人が髭剃りの後につけるクリームがなくなったと言うので、「次オーデコロンとか買ってみたら。」と何気に知ってる単語で答えてみたところ、「オードゥコローニュ?よくそんな単語知ってるね。僕には高級すぎるよ。」と。

そう、オーデコロンはフランス語でEau de Cologne(オードゥコローニュ)と言うのです。

*eau(オー)=「水」という意味のほかに「化粧水」「薬用水」という意味があり、そしてコロン はフランス語のCologne(コローニュ)の略。コローニュとは、ローマにより植民市として建設されたドイツはライ ン川中流に位置する古市ケルンのフランス語読みです。ちなみにケルンとはラテン語の「植民市」という語源を持っています。

オーデコロンとは、すなわち、「ケルンの水」ということになりますね。

【オーデコロンの歴史】

さてこのオーデコロンの起源とはどういうものであったかというと、それは1700年代にまでさかのぼっていきます。1709年ドイツの ケルンでJohann Maira Farina ヨハン・マリア・ファリナによって世界最初に製造販売されました。

johann maria farina

Johann Maira Farina 1685-1766

ヨハン・マリア・ファリナはもともとイタリア出身の香水職人で、ある時、彼は「雨上がりの後のイタリアの泉の香りを持つ香水が作りた い。」と言ってケルンの地で創作に取り掛かります。当初のオーデコロンは香水としてのみ使われ、フランスのナポレオンはとくにこのファリナのオーデコロン の虜であったそうです。(現在はというと、万能香水とも呼ばれ、床まき、お絞り用、頭髪用などさまざまな形で利用されています。)

ファリナの製造法は1709年以来ずっとケルンで受け継がれてきており、されにそれは今まで明かされたことがないという。彼の Obenmarspfortenにあるお店は1709年にオープンし、今日、世界最古のフレグランス(香水)会社として存在しています。

farina's writing

一方、他のコロンは、名前だけ共通しているだけで、全く異なる匂いがします。コロン4711はこの地にちなんで付けられた名前ですが、 ファリナオーデコロンの100年も後の1804年に作られました。

1806年にはまた、Jean Marie Joseph Farina ジャン・マリ・ジョセフ・ファリナ、ヨハン・マリア・ファリナのgrandgrandnephew(なんて訳したらいいんでしょうか、曾曾孫ではなく曾曾甥)がパリに香水業をオープンさせましたが、それがRoger & Galletに発展し、コロンとオリジナルのファリナオーデコロンを区別するEau de Cologne extra vielleという権利を獲得します。そしてオーデコロン、あるいは単にコロンは現在統合して一般的な言葉になってしまっていますが、皮肉にも、コロンから来たオリジナルの方のオーデコロンはオーデコロンではなくなり、Eau de toiletteオードゥトワレとして認知されるようになってしまいました。なぜかというとオリジナルのオーデコロンは5%以上の香料が含まれており、現在でいうオーデトワレに属すことになるからです。ややこしいですね。

オー・デ・トワレ:濃度5-10%、アルコール80%、蒸留水14-15%、持続時間およそ3-4時間
オー・デ・コロン:濃度2-5%、アルコール90%以上、蒸留水5%-10%、持続時間およそ1-2時間

以上参考:wikipedia