フランス語でよく耳にする言葉の一つがこの”merde”「メルドゥ」。どんなときに聞くかというと、何か物を 忘れたとき、なくしたとき、失敗したとき、いやなことが起きた時。そう日本語で言う「ちくしょう」という、少し品に欠ける言葉です。話し言葉で、〔怒り、 苛立ち、憤慨〕を表し、ちぇ、くそー、ちくしょうと訳されます。さらに、どこでよく聞くかというと、メトロで電車に乗れなかった時、そして通りで犬の糞を 踏んでしまった時。パリではそこらじゅうできっとこのmerde「メルドゥ」のオンパレードでしょう。
ところが先日、主人のお父さんからのeメールに、いきなりこの merde「メルドゥ」という言葉が添えられて送られてきました。そのメールには「母の日のギフトを送ってきたけれど、母の日は再来週だぞ」というような ことが書いてあり、多分そのことについてmerde「メルドゥ」と書いたのかなあと思っていました。ところが主人にそのメッセージを見せたところ、母の日のことではなく、主人の仕事に対してだったことが判明。最近、新しいオファーがあり、3社からOKをもらい、一番条件のいい所へ転職が決まったのです。お給料も肩書きも上がって万々歳。でも、なぜmerde「メルドゥ」なの??
この単語にはもうひとつの使われ方があり、いいことがあった時や、誰かの幸運を願う時によく聞かれるのです。例えば、これからテストを 受ける友達に一言merde「メルドゥ」と。主人いわく、道で犬の糞を踏むとラッキーな事があるという迷信から、その時に発せられるmerde「メルドゥ」がラッキーな事にも使われるようになったのではと。でも、もともとはよくない意味の言葉なので使い方に注意が要りますね。