フィエール峡谷 (オートサヴォワ)

オートサヴォワ県のアヌシーから約10キロ、ロヴァニ(LOVAGNY)という村があります。そこにはフィ エール峡谷(Les Gorges du Fier)と呼ばれる峡谷があり、ここは1943年以来、貴重な自然景観として認定されてい ます。

フィエールは、オートサヴォワ県にある主要な川の一つで、その水源はアラヴィ山脈(la Chaine des Aravis)の南端シャルヴァン山(le Mont-Charvin)の頂上下2019mのところにあります。その水はアルプスの小湖から北へと流れ、雪解け水で潤されている山岳牧場盆地へとたどり着きます。またその水は高さ1760mから約70キロにわたり流れて、シャトーフォール(Chateaufort)ローヌ川(le Rhone) と合流します。その川はマニゴ(Manigod)トーヌ(Thones)の谷を通 り、アヌシー平野を通過、さらにモンロティエ城(le chateau de Montrottier)を横切って行きます。そしてそこでその流水による侵食によってつくりだされたフランスで最も感動的な自然の神秘を見ることができるのです。

fier

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2万年前、アヌシーで湖になるはずであった氷河が30kmも長く続いていました。その氷が解けた時、大量の水が生み出され、湖の水面は現在よりも15mほど高かったそうです。その水が流れ出す方向、モンロティエ城((le chateau de Montrottier)の方向、北へと川が形成されていきます。そしてそこでやわらかい岩にぶつかり、流れはコースを変えます。それから、何千年もの間、たくさんの甌穴でアクセントをつけられた侵食はフィエール峡を形作っていくことになります。

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1868年10月にビジターギャラリーを作るプロジェクトが開始され、1869年7月に完成されます。それは大変危険な工事でした。岩壁につける歩道のための鉄の支柱を沈めるのに、労働者は滑車のシステムを使いながら樽の中に入ってつらされなければなりませんでした。252mの歩道は水面20~30m、峡谷の左側の壁に作られました。峡谷自体が70mの深さです。

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歩道工事の作業の様子

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川で水遊びする人々

高所恐怖所の私には結構スリルのある体験でした。けっこう古くなっている歩道の板と板の隙間から谷をのぞくと足がすくみそうになったり。あまり下を見ないようにしていましたが。でも、とても神秘的な景色でしたよ。これが自然にできたなんて。また歩道の途中に は、この谷でどれくらい水が上昇したかを示す表示がはられています。こんなところまでついたのかと驚いていたら、谷を出た階段の途中にも記録を発見。谷の姿が完全に消えてしまうくらい。暑い夏ちょっとひんやりする体験でした。

オフィシャルサイト
GORGES DU FIER

所在地:GORGES DU FIER 74330 LOVAGNY FRANCE
TEL : (+33) 04 50 46 23 70
FAX : (+33) 04 50 09 85 37
オープン : 3月15日~10月15日