一人っ子はユニーク

先日「兄弟はいますか」と聞かれた主人がunique(ユニーク)と答えていました。兄弟がいるかどうかなのにユニークだなんて、と思っていたらフランス語ではユニークに「一人っ子」という意味があるんだそうです。

確かにuniという部分には「1」という概念が入っているので納得はいきます。でも、どうしても英語のユニーク「独特の、他にはない」や「珍しい」という意味が先行してしまい、フランス語で「一人っ子」というのには違和感を感じます。ちなみに英語では「一人っ子」をan only childといいます。

boy

辞書で確認してみると、

fils unique (フィス ユニーク) 「一人息子」
sens unique (サン ユニーク) 「一方通行」
voie unique  (ヴォワ ユニーク) 「鉄道の単線」

フランス語のユニークには英語のonly/single/uniqueなどが混ざっているようです。

もちろん、フランス語にも「独特の」「珍しい、奇抜な」という意味が存在しますよ。

***ちょっと余談ですがuniについて。uniはラテン語から来ており「1」 を意味していますが、このuniを使った単語いくつかご存知でしょうか。例えば、分かりやすい例でいうと、

①自転車は普通「2つ」車輪がついているのでbicycle(バ イシクル)ですが、「1つ」だとunicycle(ユニサイクル)で「一輪車」、さらに「3つ」 だとtricycle(トライシクル)「三輪車」となります。

また日本語でもよく知られているものでは、

unicorn(ユニコーン); 日本語でいう「一角獣」でしょうか。この単語は、uni(一 個)+corn=horn(角)という図式になります。
uniform(ユ二ホーム)は、ご存知の通り「制服」ですね。皆が同じ服を着て一つになるため。 英語では「同一の」「一様の」という意味でもよく使われます。
unit(ユニット)は、ユニットバスなどでよく聞くかもしれません。「構成単位」「(設備)一 式」という意味を持ちます。
unisex(ユニセックス)は、特にファッションなどでよく聞きます。「男女共通の」という意味 です。

そして、もう少し大きな規模で見ると、

universe

universe(ユニバース)「宇宙」「全世界」。uni「1つ」+verse「変化する」、 つまり「1つにされたもの」という意味からきています。verse(ヴァース)はreverse(リヴァース)という単語でも使われており、よくリヴァー シブル(裏返しできる)という意味で使っていますね。
university(ユニバーシティ)「大学」は、uni「1つ」+verse「変化す る」+ity(名詞語尾)から、「一つにまとまった社会」。

最後に、さまざまな移民からつくり上げられたアメリカという国は、

the United States of America; Unitedの部分は unite(ユナイト)という「一体化する」「団結させる」という動詞から。つまりStates(州)をUnited(一 体化させた)国がAmerica(アメリカ)だと言っています。

以上余談は英語の豆知識でした。