ごますり

「胡麻をする」とは、人に気に入られるような振る舞いをして、自分の利益をはかること。煎ったごまをすり鉢で摺ると、あちこちにごまがくっつくこと からこの意味が生じたといいます。(語源由来辞典より)

そんな胡麻をするような人がフランスにいるのかどうかは知りませんが、同じような表現があるということは、きっとフランス人の中にもこ んな人が存在するのでしょうか。ちょっとフランス人らしくないような気がしますが…。

フランス語では、胡麻をするを lecher les bottes/les pieds/le cul de ~ (レシェ レ ボットゥ / レ ピエ/ ル キュ ドゥ~)と言います。

lecher は「なめる」
les bottes 「ブーツ」
les pieds 「足」
le cul 「尻(下品なことばなので使わないほうがいいですね)」

つまり、胡麻をする=「ブーツをなめる、足をなめる、あるいは尻をなめる」となります。

boots

そして英語圏でも同じような表現を持っています。
lick his shoes 「彼のくつをなめる」
あるいは、
apple-polish 「りんごを磨く」となります。

なめるのはどうも、りんごを磨くくらいがいいですね。

また、フランス語で lecher les vitrines(レシェ レ ヴィトゥリーヌ)は、「ショーウィンドーをなめる」で、そこから「ウィンドーショッピングをする」という意味につながります。よくデパートのショーウィン ドーに顔をくっつけてのぞいている人がいますが、おもしろい表現です。たしかになめてそうな感じがします。

*アクサン記号は省略してあります。

—後日談:主人の話によると、フランスにもたくさん「ごますり」が存在するそうです。プライドが高そうな人でも、ボスが現れると別人のようにペコペコし始めるんだそうですよ。ボスの好きな話ばかりして持ち上げようとするらしい。どこも同じなんですね。