取らぬタヌキ

まだ何事も始めていないのに、大きな利益が得られると計算することを「取らぬタヌキの皮算用」と日本語のことわざにはあります。

英語では、Don’t count your chickens before they are hatched.「卵 がかえらないうちにひよこを数えるな」 とあります。

じゃ、フランス語は?と、先日主人に質問。フランス語にもありました。同じような表現が。

フランス語では、Ne pas vendre la peau de l’ours avant de l’avoir tue. 「クマをまだ殺さないうちにクマの皮を売るな。」 だそうです。

同じ意味を表しているのに、その計算されるものが、日本人はタヌキの皮、アメリカ人はひよこ(ニワトリ)の数、フランス人はクマの皮な んて少しおもしろいですよね。なんとなくそこにある文化や価値観というものが伝わってきそうです。日本人は小柄だからタヌキの皮くらいで足りても、大柄な フランス人にはクマの皮が必要だったのかなあなんて。

racoon dog

ちなみに、

peau (人間の)皮膚、(動物の)皮、(果実野菜の柔らかい)皮。faire peau neuve と言うと「新しい皮膚または皮を作る」でそこから「外見や生き方を一新する」という意味が生まれます。また n’avoir que la peau sur les os と言うと文字通り「骨と皮ばかりにやせている(骨の上に皮しか持って ない)」という意味になります。
ours ウルス クマ。人付き合いの悪い人と言う意味もあるそうです。ちなみにOurson(ウルソン)というとクマのプーさん、 oursin(ウルサン)というとウニ。発音が難しい。

言葉が違っても、こういった共通することわざが存在すということは、どこの国でも、同じことを考える人がいるということです。 中身はみんな同じ人間。