しょっぱいポエム

メトロに毎日のように乗っているのですが、普段勉強できないフランス語を少しでも有効に学べるよう、できるだけ電車の中ではフランス語のチラシやポ スターに目をやっています。そしてある日、こんな詩を見つけました。

La ville est dans l’homme, presque comme l’arbre vole dans l’oiseau qui le quitte.

ブラジル人がメトロに投稿したみたいなのですが、分かりますか? 私はまずフランス語の理解から始まって、そこにどんな意味が隠れているのか想像するのに何時間もかけてしまいました。何が言いたいのか気になって気になって….。うちに帰って夕飯を食べながら主人と二人でできる限りの 想像力を駆使してみました。そしてふと、頭の中にあることが浮かんできたのです。

皆さんは、どういう風に想像しますか?

英語で直訳すると、

The village is in man, almost like a tree is flying in the bird that is leaving the tree.

日本語で直訳すると、

その町は人の中にあり、ちょうど木がその木を離れようとする鳥の中を飛んでいるかのようだ。

どんなことを想像しますか。私が想像したのは、

「町というのは人間の中、つまり人間によって築かれ支配されるもの。そして人間が町を作るということは、木(自然)を失うこと、そして、そこを住処としている鳥たちが追いやられること。飛んでいく鳥とともに木も飛んで行ってしまうのだと。」

tree

また、この解釈を導くに当たって、ブラジル人というのにヒントを得たことも付け加えておきます。ブラジルと聞いてアマゾンを思い浮かべ たからです。そしてこのタイトルには poem sale ポエム サレ (*アクサン省略) と書いてありました。サレとは、しょっぱい (ちなみに sel セル=塩) という意味で、sweet poem(甘い詩)にかけているかなあと。自然破壊は人間にとってはしょっぱいような、苦いような問題ですよね。