フランス語にMONSIEUR「ムッシュ」という言葉があります。英語でいう「Mr.」、日本語でいう「(男性に対して)~さん」に相当するのですが、この言葉をカタカナ通りに発音すると意味が変わってしまうのです。日本語には他の言語と比べて音が少なく、またそのため表記が困難で、細かい違いが表されにくいのです。
では、日本人が「ムッシュ ムッシュ」とフランスで叫んだとしたら、フランス人は何を考えるでしょうか。きっとどこかに「ハエ」がいるんじゃないかと辺りを見回すかも…。「ボン ジュ-ル、ムッシュ」なんて言ったら、「こんにちは、ハエさん」になって、おかしな人と思われてしまうかも…。と、それは大げさとしても、日本人の発音では意味が通じません。このMONSIEURは厳密にカタカナで書くとしたら、「ムスィウ」とするのがいいでしょう。発音 は難しい…
次のセンテンスを早口で言ってみましょう。
Monsieur Moche Mouche se Mouche en Machant Méchamment
ムスィウ モッシュ ムッシュ ス ムッシュ アン マシャン メシャマン
Monsieur「~さん」、Moche「醜い」、Mouche「ハエ」、se Mouche「鼻をかむ」、 en Machant「かみながら」、Méchammentで「意地悪そうに」となります。「醜いハエさんが意地悪そうに口をもぐもぐさせながら鼻をかんでいる!?」