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ブールジュ

お城で有名なロワール地方にある都市ブールジュ。元はケルト人が設けた集落があり、共和政ローマ時代のガリア戦争ではカエサル率いるローマ軍とガリア軍の戦いの場所ともなりました(アウァリクム包囲戦)(ウィキペディアより)。

そしてこの町の見所といえばサン=テチエンヌ大聖堂。12−13世紀にかけて建設された司教座聖堂で、シャルトルの大聖堂と並ぶフランスゴシックの代表的建築と知られています。1195年にブールジュ大司教アンリ・ド・シュリがブールジュ司教座大聖堂の教会参事会に贈り物をしたことが、それまで小さかったロマネスク様式の聖堂から大聖堂へと建て替えるきっかけとなったそうです。

そして1992年にはブールジュ大聖堂としてユネスコ世界遺産に登録されました。

大き過ぎてカメラに納まりません・・・。

この柱の大きさが伝わるでしょうか。ブールジュ大聖堂には他の大聖堂と違って翼廊が存在せず、そのことによって視界が開け、内部の空間が広大に感じられるのだそうです。

小さな町ですが、この大聖堂周辺には中世からルネッサンス期に建てられた美しい建物が点々と集まっており、のんびり歩いてみるのもいいかもしれません。

ブールジュ観光局

 

 

テンプル騎士団の村

世界一高い場所に架かる橋,ミヨー橋を越え、A75(高速道路)を南へと進んで行くとPlageau de Larzac(プラトー ドゥ ラルザク)と呼ばれる高地へと辿り着きます。どんどん山を登ったかと思うとそこから下らず永遠と平地が続きます。日本人には少し不思議な地形です。

この一帯はGrands Causses National Regional Parc(グラン・コース自然地方公園)として保護さており、ヨーロッパでも一番美しい自然が楽しめる場所として有名です。

広大な高地の合間に深い谷がいくつも入り組んでいる眺めは圧巻。

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そしてこの住む人もまばらな地域にテンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団がかつて築きあげたという村が点在しているのです。

Larzac Rampartと呼ばれる一帯には5つの見所があります。

・La Cavalerie
・Le Viala du Pas de Jaux
・Saint-Jean-d’Alcas
・La Couvertoirade
・Ste-Eulalie de Cernon

今回私達が訪れたのはLa Couvertoirade(ラ・クヴェルトワラドゥ)。

古い石造りの集落がひっそりと佇んでいます。ここにテンプル騎士団や聖ヨハネ騎士団が・・・感動です。

そして村を見下ろす場所に教会が。そばには騎士団の十字架マークの入った墓がいくつか残っていました。どんな人がここに眠っているのでしょうか・・・。

テンプル騎士団とは
エルサレムへ向かう殉教者たちの旅の安全を守るため1113年に聖ヨハネ騎士団、1120年にテンプル騎士団が誕生しました。12世紀中頃、テンプル騎士団がLarzacに落ち着いた頃、この高地一帯は複数の地主たちが支配していました。それが12世紀後半になると多くの寄進が行われ、Larzac高地はテンプル騎士団の支配下に置かれることになります。そしてそれから150年の間、騎士団は分散してくらしていた高地住人をLa Cavertoiradeなどの集落に集めます。1312年には、テンプル騎士団は教皇によって廃止され全ての財産は聖ヨハネ騎士団へと引き渡されることになります。さらに百年戦争(1338ー1453)による社会不安の中、聖ヨハネ騎士団は受け継いだ集落の強化をはかるのですが、16世紀にはユグノー派教会により集落は奪われてしまいます。ちなみに聖ヨハネ騎士団はその後マルタ島を与えられます(歴史がいっぱいのマルタ島の旅も良かったですよ!)。聖ヨハネ騎士団はマルタ騎士団とも呼ばれます。

またこの集落の中には小さなお土産屋さんやカフェなどもあります。

地元の果物、ハチミツ、ハム、チーズなど美味しそうなものがいっぱい。サンドイッチ屋さんでサンドイッチとチーズを買って野原でピクニック。景色は最高!

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おすすめのショップはGilles DIRUITさんの作る、なんて言うんでしょうか・・・説明が・・・

このストーブのミニチュアなのですが、煙突やなべに香水をしみ込ませて、後ろ側は見えませんが空洞になっているのでそこでキャンドルに火をつけると、その熱で香りがふわっと部屋中に広がるのです。これはBonne idéeです。小さなお店に一つ一つ手作りの作品がずらーっと並んでいます。騎士団とは全く関係ないのですが・・・女性には喜ばれそうな。おすすめです。

BRÛLE PARFUM METAL
Atelier Métamorphose

12230 La Couvertoirade

中世の歴史や、テンプル騎士団に興味のある方にはとてもおもしろい場所だと思います。機会があれば是非。ただ車がないとアクセスできないのが難点ですが。

Conservatoire Larzac  オフィシャルサイト (音に注意)

ミヨー橋

Viaduc de Millau (ミヨー高架橋)

フランス南部,南仏への入り口に当たる辺りにある都市Millau(ミヨー)にある高架橋です(A75/オートルート75号線)。なんと塔の高さはエッフェル塔よりも東京タワーよりも高い、343メートルに達します! 世界一高い橋として2004年に開通しました。

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橋を渡る直前にサービスエリアがあり、パーキング横にある小高い山というか丘を少し登っていくと橋とミヨーの町が見下ろせる展望台があります。橋はタルン川渓谷に架かっており、それはそれは見晴らし最高です。ここは誰が撮ってもポストカードのような写真が撮れると思います。

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ではもう一枚の写真もどうぞ。この高さ伝わるでしょうか。この橋の上を渡る時のドキドキ感,ワクワク感・・・素晴らしい眺めです。

ミヨー高架橋オフィシャルサイト

では、橋を眺めた後はミヨーの町へ降りていきましょう。
街中自体にはそれほど見るべきものはないのですが、ここは中央山塊と呼ばれる地域で辺りは山や谷など自然がいっぱい。Grands Causses(グラン・コース)地方自然公園の中にあり、アウトドアアクティビィティが盛んのようです。

歴史としては、3000年前にまでさかのぼりますが、タルヌ川一帯にコンダトマグス(Condatomagus)というガリア語の地名があり、陶器製造で栄えローマ帝国に製品が輸出されていたそうです。その後、民族大移動が起こりタルヌ川流域に侵攻して来た民族がアミリアヴム(Amiliavum)と名付け、フランス語のミヨーと変化していったそうです(wikipediaより)。

ミヨー市オフィシャルサイト

市街地を抜け、自然公園の奥へと進んでいきます。山の中を車でぐるぐると、走ること20分。目的地であるホテルに到着!

Grand Hotel de la Muse et du Rozier

タルヌ川沿いに立つ4つ星ホテルです。川のほとりまで降りて行くことができ、川で泳いでいる人もいました。またオープンテラスで川を眺めながらぼんやりするのも素敵です。

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川辺にはリクライニング式のイスが用意されていていつでもどこでもお昼寝可能!

もちろんどの部屋からも山や川の景色が見れるようになっています。私達の選んだ部屋は広めのスタンダードの部屋。出窓になっている部屋もありましたが、一泊しかしないし・・・(次回訪れた時には連泊したい)。またバルコニー付きは部屋が少し狭いようです(値段は安くなりますが)。景色も窓部屋の方が奇麗に見えました。夜は、川の音を聞きながら眠ることができます!

そして食事は、運の良いことに私達が訪れた日は特別メニュー! 地元の食材を使ったコースでした!!! 偶然にもいい日に当たりラッキーだとホテルの人にも言われました。

ミヨーのすぐ近くにある町Roquefort(ロックフォール)といえばロックフォールチーズ、そしてこの地方のもう一つの名物Aligot(アリゴチーズ)。

ロックフォールチーズと梨のパイ

子羊とAligotチーズ

そしてデザート:地元の羊のミルクでできたチーズで作ったチーズケーキとアイスクリーム。おいしい!!!

満腹状態ですぐには眠れそうにもないので、川辺のテラスで少し休憩してから部屋に戻りました。ここは一泊するだけではもったいない場所です。是非次回は長く滞在して近くの山をハイキングして回りたいと思います。自然公園のほんの一部ですからね。まだまだ見所がありそうです。

ロワールのお城

Chambord (シャンボール城)
フランソワ1世の狩猟小屋として始まった城は、1519年から1547年にかけて建設されていきました。お城の見所としては、何と言っても二重螺旋階段。この二つの階段を使えば相手に出会うことなく3回に昇り降りができるのです。 豪華絢爛なお城ですが、実際フランソワ1世が滞在したのは32年間の統治生活の中で72日。お城が完成する前にこの世を去ることになります。現在のお城の姿はその後に続く王、アンリ2世とルイ14世が築き上げました。 あくまでも王様の狩猟が目的であったため、お城の中は部屋というよりもオープンスペースが多い。なんと贅沢なことでしょう。

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とにかく敷地が広い。パーキングまでのながーい道のり。そしてまたパーキングからお城まで歩いて行きます。あ、パーキング料金の払い忘れに注意してください。パーキングで払うのではなく、お城の近くに料金所があるようです。私達はそれに後で気がつき、また長い道のりを歩くはめになってしまいました・・・。

Chambord  オフィシャルサイト

お昼は、お城を見ながらフランス料理はいかがでしょう。ちょうど出発する1ヶ月前にフランスの雑誌でおすすめとあったので予約してみました。

Restaurant du Grand Saint Michel

103 place St-Michel, 41250 Chambord, France

お天気がいいと、外でお城を目の前に食事を満喫できるでしょう。お店の名前を見ると高級な感じがしますが、料金も味の方もカジュアルです。

Château du Clos Lucé (クロ・リュセ城)
こちらはレオナルド・ダ・ヴィンチが住んでいた館です。1516年フランソワ1世の招きでイタリアからやって来ました。当時既に60歳を超えていたダ・ヴィンチはここで約3年間過ごすことになります。

ここはかなりおすすめ。いろんな発明品が模型と一緒に説明されていてとてもおもしろい。

庭もかなり広いです。そして至る所にダ・ヴィンチの発明品が。実際動かして試してみることもできますよ!

Château du Clos Lucé  オフィシャルサイト(音に注意)

Chenonceau (シュノンソー城)
貴婦人たちの城と呼ばれるように、このお城の城主は6人の女性でした。

ディアーヌ・ド・ポワティエ:国王アンリ2世の愛妾。
カトリーヌ・ド・メディシス:アンリ2世の正妻。アンリ2世の未亡人となった後、ディアーヌ・ド・ポワティエを城から追い出し、城の建設工事を進める。
ルイーズ・ド・ロレーヌ:アンリ3世の妻。アンリ3世を失くし、シュノンソー城に引き蘢り祈りの日々を送る。
ルイーズ・デュパン:シュノンソー城が大地主クロード・デュパンに売却。ルイーズはその妻。城で知識人サロンを開催。フランス革命でシュノンソー城を守った。
マルグリッド・ペルーズ:産業資産家出身。ディアーヌ・ド・ポワティエ時代の城の姿に復元するため多大な費用を投じる。しかし政治的陰謀に巻き込まれ破産。その後シュノンソー城は数回に渡り売却。
シモーヌ・ムニエ:第一次大戦中、城のギャラリーを病院に改装。看護婦長として病院を運営。

おそらく一番印象に残るのはルイーズ・ド・ロレーヌの居室ではないでしょうか。彼女は夫アンリ3世が亡くなった後、ずっと白い服を身に付け瞑想と祈りのためにこの城に籠りました。真っ暗なその部屋に入ると、その悲しみが伝わって来そうです。

シェール川にかかる美しいお城です。川ではボート遊びをする人々も。昔もこんな感じだったのでしょうか。

ギャラリーです。ここが戦時中病院として機能していたんですね。第二次世界大戦ではこのシェール川はドイツ軍に占領されており、城の入り口(右岸)は占領地区側、ギャラリーの南側の扉は左岸の非占領地区になっていました。

Chenonceau オフィシャルサイト

モンサンミシェル

いつかは行ってみたいと思いつつ長年実行できなかったモンサンミシェルに行くことに。パリを朝8時に車で出発。しかしパリから離れるにつれて天気が崩り坂。豪雨の中、主人が頑張って運転してくれました。これがノルマンディーの天気らしい・・・。

簡単にモンサンミシェルの歴史を説明すると:

モンサンミシェルと呼ばれるこの島は元はMont Tombe(モン・トンブ/墓の山)と呼ばれていたそうです。ケルト人が信仰する聖地だったのが、708年アヴランシュ司教オベールが大天使ミカエルから夢の中でお告げを受け、礼拝堂を作ったことからカトリックの聖地として信仰されるようになったそうです。

1979年にユネスコ世界遺産に登録。近年は島の周囲が砂州化し国家事業として、かつての島を取り戻す工事が進められています(2015年完成予定)。

おそらくフランス人よりも日本人のほうがよく歴史を知っているのではないのでしょうか。モンサンミシェルって日本人にものすごい人気ですよね。私達が訪れた時も、次から次と日本人観光客のグループが・・・。噂には聞いていましたが、こんなに多いとは知らずビックリしました。

細い路地を修道院を目指して登っていくのですが、人人人です。近くのガイドさんの話をちらっと耳にしたところ、この状態で少ない方だとか。天気があまり良くなく、ピークの時よりましだそうです。お土産屋さんに入ろうと思っても一苦労です。レストランなんて、まずここで食べようなんて計画していませんでしたし・・・。

フランスのニュースでやっていたのですが、モンサンミシェルの人気が下降気味なんだとか。人が多いのもその理由の一つなのですが、レストランやホテルの異常な料金の高さ(評判もいまいちのようで)。観光地ですからね、当然と言えば当然かもしれませんが。

そこで私達はモンサンミシェルへ行く前にPontorsonという町に寄ってランチをとってきました。

フランス人の間でも評判の良いle Grillonという小さなンホテルレストランです。地元の人がたくさん入っているレストランは安心ですね。座った席の後ろにある部屋で女性2人が休みなくクレープを焼いていました。ボリュームたっぷりで美味しかったですよ(満足)。シードルもお忘れなく。サービスも気さくで良かったです。


Le Grillon  37, rue Couesnon50170 PontorsonFrance

と、私達はここで腹ごしらえをして気合いを入れてモンサンミシェルへ向かいました。モンサンミシェルはすぐそこです。

モンサンミシェルの対岸に到着すると大きなパーキング。ここからまたバスに乗り島へと移動するのですが、予想通りバスを待つ人人人です。バスの中もものすごい混雑。そして島に着いたら着いたで、今度はとにかく階段を登っていかなければならない。出発前のエネルギー補給、かなり重要です!

でも苦労して頂上まで行けば、素晴らしい景色が待っていますよ。これからモンサンミシェルに出発される方、頑張ってくださいね。

モンサンミシェル観光協会