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フランスの水

フランスに来て困ったことの一つに水の違いがありました。硬度の高いフランスの水だと髪がバサバサになったり、また乾燥していることもあってか肌荒 れなどにも悩まされました。いろんなシャンプーを試し、いろんなクリームを試し・・・今はこちらの環境になれましたが。

料理の際には、水道水を使ってお湯を沸かすと白い枠が鍋の周りにできます。それくらい硬度の高いお水が水道から出てくるということは、 定期的に台所の水周りのお手入れをしなくてはいけません。蛇口は放っておくとカルシウムで詰まってしまいますし、シンクの周りも白くなってきます。

また水を使うといえばお洗濯。こちらも何も対策をしないとホースなどがカルシウムで駄目になってしまうそうです。

そこでフランスの家庭ではこんな商品を使っています。


キッチンのカルシウム除去に使うAntikal(アンチカル)!
洗濯用のCalgon(カルゴン)!

最初はその名前に笑ってしまいましたが、なくてはならない必需品です。Antikalは 白くなった台所に液体を流ししばらく待ちます。すっぱい匂いが台所に充満します。そしてCalgonは洗濯時に洗剤と一緒に洗濯機に入れます。

市販されているメジャーなミネラルウォーターの硬度を見てみてもいかにフランスの水が硬水かがよく分かります。

フランスと日本のミネラルウォーター 硬度比較
(*硬度 は、水に微量含まれるカルシウム(Ca) 塩やマグネシウム(Mg) 塩の濃度を ある方法で表現したもの)

商品名 硬度
サントリー南アルプス天然水 30
ヴォルヴィック 62
ハウス六甲のおいしい水 84
エヴィアン 304
ヴィッテル 307
バドワ 824
コントレックス 1551

もちろん、フランスの水道水はきちんと処理がされているので飲めます。しかしあのカルシウムを見てしまうと・・・。それから建物の中を 通る水道管の衛生によっては水質もちょっと気になってしまいます。

フランスの水道水に関する記事を見つけたので少しご紹介します。

《水道水のバクテリア》

新世代の分析方法を利用して行われた水質調査でパリ地域の水道水の中に複数のバクテリアが存在することが確認された。このことにより殺 菌された水道水という我々の誤った考えが崩された。つまり塩素で全ての微生物が取り除かれていると思っていたにもかかわらずそれが否定されてしまったので ある。「もし同じ調査をミネラルウォーターで行ったとしても、もちろんバクテリアが発見されるだろう」と専門家は述べる。フランス全土の水道水の中にバク テリアは潜んでいる。

実験で分析された水はOrly、 Ivry-sur-Seine、 Joinville-le-Pontで採取されたもの。これら3つのゾーンはセーヌ川とマルヌ川から供給されている。「我々は以前は知らなかったような3 つの大きなバクテリアのグループをこの調査で発見した」と研究者は語る。

ただこの調査ではまだそれらのバクテリアが生きているのか死んでいるのかは確認ができない。まだまだ研究の途中である。

「パリ地域の水は安全である。充分な塩素で、微生物追跡調査も充分である」とさらに研究者は主張する。しかし、それでも、水道水という のはエコシステムの一部である。バクテリアというのはこの地球上に昔から存在しており、栄養分が少ないとはいえ水道水を利用して生きていけるのだ。「大きな栄養分はないが、水道管の中で炭素の粒子が分解されればそれで充分。バクテリアはそれを栄養分とし広がっていく」。

水道水は殺菌処理を工場でなされたあと、何キロにも及ぶパイプを通って行く。このパイプ網が全て生態学的に均質であると想像してはなら ない。あるパイプの一部が老朽しているだけでバクテリアたちはそこに住み着くことができる。パリで多くの人たちが経験しているように、あるレストランでは水道水が泥の味をしている場合がある。これはカラフ(水を入れるガラス瓶)がいつも清潔に保たれていないだけでなく、建物のパイプにも問題がある。「たい てい悪臭を引き起こすのはバクテリアである」と研究者は説明する。水道の水からいつかこういった微生物を取り除こうと思うのはむなしいだけである。

(以上 フィガロより訳/要約 aki)

ワインをあまり飲まない私たちは、レストランに行くとだいたいが carafe d’eau(カラフドー)と言って水道水を頼むのですが、確かにお店によっては変なにおいのする水が出てきたことがあります。健康に害はないんだろうけれど、 ちょっと気になってしまう(そういう時はミネラルウォーターで)。また家でも、やっぱり建物の中のパイプのことやカルシウムのことを考えるとダイレクトに 水道水をお料理に使うのには抵抗があります。よく流しの底が赤褐色になることがあるので、建物の水質を見てもらったところFe(鉄分)が多く含まれているとのこと。住んでいる建物は古いというわけではありませんし、どちらかというと周りの建物よりも良好な状態。でも使われているパイプなどによって成分が 変わってくるそうです。カルシウムも鉄分も日本人には不足しているからいいじゃないかと思うものの・・・。

そういった背景があるため、フランスではいろんな種類のミネラルウォーターが売られており消費量も多いのでは。でも いつもミネラルウォターばかりだと経済的にも環境的にも良くないですね(そこでうちではブリタの浄水器を使っています)。

しかし逆にマルセイユの両親の家では水道水を抵抗なく飲んでいます。水源が違うのとパイプの状態もよいのか飲みやすい。

下の図は、フランスの各都市における表層を流れる水の水質を表しています。
Qualite des cours d’eau vis-a-vis des pesticides dans les reseaux de connaisance generale et les reseaux phytosanitaires en 2006
2006年度における殺虫剤にに対する水流の質と植物衛生網

丸いマークはSEQの質 : SEQ=eau qualité globale eaux superficielles 表層を流れる水の水質
三角のマークは植物衛生網
青色‐とても良い/緑‐良い/黄‐平均/オレンジ‐平均より劣る/赤‐悪い

Source: Agences de l’eau - Conseils generaux – Diren -Draf,SRPV ‐ Traitement SOeS (SEQ-eau qualité globale eaux superficielles)

やはり都市やその周辺は質が劣り、地方は良好ですね。アルプスの水は本当に冷たくておいしい。

次の図はフランスの水質を表しています。100%とある地域(白)はそこで生産された水の100%が水質検査に通って供給されていま す。グリーンの濃い部分は70~80%。

water quality
Source: La qualite de l’eau potable en France - Aspects sanitaires et reglementaires

さらにこちらはお水の価格。2004年度の各県の水の平均価格です(単位:ユーロ/1立方)。人口の大きさにも関係してくると思うのですが、マルセイユは結構お水が高いんですね。


Source:Ifen-Scees,Enquete Eau 2004

そしてこちらは水の硬度を示しています。軟水(緑)~硬水(赤)。


Source: l’IFEN

地域によって硬度はさまざまです。一概にフランスの水=硬水とは言えませんね。また地域によってもそうですが、パリなどではその建物によっても味が変わってくるのはとても興味深いというか、考えさせられます。先ほど、マルセイユでは気にせず水道水が飲めると書きましたが、グラフを見ると水質、硬度の点から見てそのことがよく表れているように思います。

それにしても、普段からチーズなど乳製品をたくさん食べているにもかかわらずものすごい硬度のミネラルウォーターを飲むフランス人。私にはあのドロッとしたような重い水はどうしても飲めません。すっきりさっぱり日本のミネラルウォーターが一番。そして日本人なので魚からカルシウムを取る のが一番!

そしてたくさんのカルシウムを摂るフランス人たちは、サラダなどにビネガーをよく使います。うそか本当かは分かりませんが、それが体内 のカルシウムを分解してくれるのだとか・・・。

フランス人も花粉症

長いヨーロッパの冬が終わり暖かく明るい春がやってこようとする時期、ウキウキする気持ち半分、憂鬱な気持ち半分で過ごす人は少なくないはず。そ う、毎年日本でも話題にされる花粉症の季節です。

私自身日本にいる頃、大変悩まされました。特に目がかゆくなり、鼻が詰まったりして、、、。それからフランスに移り、おそらく植物の種 類が変わったからでしょうか、症状はかなり軽くなりました。でも、私の場合花粉に対する許容量が小さいのでしょう、毎年確実に目のかゆみが広がり、今年はくしゃみの数も増えたと思います。

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フランス人も通りでよくくしゃみをしたり、鼻をブーっとかんでいる人が目立ちます。主人も花粉症ではないのですが、天気のいい日には花粉が飛んでいるのを感じると言っています。日本だとマスクしたりして予防ができるのですが、こちらはマスクをつけると重症患者と思われるそうで、外でつける人はいませ ん。目薬も日本のように簡単に薬局で買えるというものではありません。医者からの処方箋が必要になります。外出するときは、花粉を吸い放題ということにな ります。

こういった状況で、フランスでも年々花粉症をはじめいろんなアレルギーにかかる人が増加しているそうです。

植物、動物、食品などが原因で喘息、花粉症、鼻炎、結膜炎、湿疹などの症状が広がり、現在フランスでは千五百万人が何かしらのアレルギーにかかっているだろうとされていてるそうです。またフランス人の40%がこういったアレルギー症状をもつ可能性を持っているとも言われています。

生活水準が上がり衛生に対する関心が強まる社会では人間は抵抗力を失い、また医学の発展や抗生物質の過度の使用により免疫システムが本 来のように機能しなくなってしまった、というのがよく言われる現代人の特徴ではないでしょうか。

食生活の点から見ると、食事の準備に費やされる時間が減り、惣菜などできたものを利用するケースが増え、そのことがさらに消費者をアレルギーにかかりやすくさせる要因になっているそうです。フランス人は世界各国のさまざまな料理を食べるようになり、時にエキゾティックなスパイスや果物でアレルギー反応を起こす人もいるそうです。食品アレルギーについて言えばフランスでは5年で2倍に膨れ上がったそうです。

住居問題では、我々の住む居住空間はどんどん小さくなり、またしっかり隔離されいつでも暖かく保たれるようになりました。そのことで湿 度も上がり、ダニが住みやすい環境を作り上げてしまいました。さらにはペットを飼う人も増え、今日では2世帯に1件以上が動物を飼っている計算になるそう です。特にパリはどこを見ても犬犬犬ですからね。

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食品アレルギー:フランスでは二百万人が食品アレルギー症状を持っている。大人よりも子どもに多く、15歳まで の子どもは動物が元になっている食品、大人は逆に植物性の食品でアレルギーにかかることが多い。(卵白、牛乳、落花生、魚)

花粉症:フランス語ではrhume des foins(干草の風邪)、英語では hay fever(干草熱)とか専門用語でpollinosisというのがありますね。英語で花粉を pollen、フランス語でpollensと呼ぶところから来ているのでしょう。フランスでは人口の25%がかかっているとされ、毎年全ての年代において患者が増えているそうです。

動物アレルギー:フランスの人口の約2.5%がこの症状を持っています。一番多いのが猫アレルギー、そして一番強い症状が現れるのが馬やげっし動物(ねずみやウサギ)だそうです。

フランスも、日本のようにさまざまなアレルギーに悩む人がたくさんいるということですね。生活が豊かになったはずなのに病気が増えるなんて皮肉なことです。帰ったらうがいと手洗い、だけどそれが免疫力を下げているともいえるし、、、。難しい。 (以上参考:Directsoir)

フランス人は犬がお好き

フランスというかパリは本当に犬ばかり。これまで猫を見たのは2回くらいでしょうか(猫は南仏ですね)。でも犬は毎日目にします。
たまに大きな犬とすれ違う時にドキドキしたりしますが。

dogbar
Dog’s Bar : オペラ通りから少し細い路地に入ったところで見つけた犬のバ-です。

dogbarii
建物の中には“人間用”のバーもちゃんとありました。

本当に犬が大好きなんですねフランス人。どこに行っても犬と一緒です。通りを歩いていても、公園に行っても、カフェに行っても、スーパーに行っても、どこでも一緒。

日本人の感覚からいうと、スーパーなどに犬を連れて入るのはちょっと気が引けますが、こちらでは野菜コーナーだろうとお肉のコーナーだろうと犬と一緒に買い物をする人を見かけます。犬のしっぽがチーズに当たっているのを見たりすると、やっぱり買う気がなくなりますが。入れない場合はお店の入り口で待っている賢い犬もいます。

健康診断で行ったドクターオフィスでは、犬が走り回っていましたね…そこではい検査するから服脱いでと言われてかなり驚いてしまいました。

また、あるファストフードのお店で食べていたところ、犬を連れた中年の男性が急に、なんてことだ! と言って立ち上がりました。するとプーンと尿の匂いが… 犬が店内で用をたしてしまった模様…。

電車の中でも、いましたよ、巨大な犬が…。通常地下鉄には小型犬など条件付きで乗車を許可される場合もあるのですが、そんなルールはあってもないようなもの…。一度、ある乗客が大きな野良犬のような犬をロープでつないで入ってきました。口には口輪がしてあり、見たからに怖い…。乗車してくるなり他の乗客の買い物袋を嗅ぎ出し、床に寝そべったり、ついには車内の人の体につきまとい始めるではありませんか。もちろんその人は怒っていましたが、飼い主は知らん顔。

ホームレスが犬を飼っている場合もあります。この間は、通りで通行人の連れていた犬に襲いかかっているのを目撃。かなりショックでした。実際、こういった凶暴な犬が小さな子供を襲ったりするというニュースもたまに聞きます。気をつけましょう。

さて、犬と言えば、パリの大きな問題の一つ、その犬の糞です。道のあらゆるところに犬の落し物があるので、パリに来たら下を向いて歩かないと 本当に危険です。飼い主も処分しようなんて気はまったくありません。数年前には市が犬の糞処分に大きな吸引機のつ いた車で掃除をしていたらしいのですが、そうすると飼い主が全く責任感を感じず、悪循環ということで廃止になってしまったということです。

観光客で賑わっているような所では、お店の人が掃除しているので(お気の毒に)、旅行で訪れるくらいなら「あこがれの風景」は「あこが れ通りの風景」。でも実際住んで生活し始めると見たくないものまで見えてくるものです。

この間は横断歩道の上に糞が山のように積んであったのを目撃(汚くてすみません)。なぜ横断歩道のど真ん中にそんなものが残されているのかが不思 議でたまらないのですが。朝起きて外出する時、アパートの目の前に糞が落ちているのを見るのも気分が悪い。でも犬が目の前で用を足しているのを見るのは もっと気分が悪い。以前住んでいた隣の犬はアパートのエントランスホールで糞をしていくし。それをそのままにしておく人の考えも理解できない。誰かが糞を踏んでしまった 跡は、またこれもグロテスク。何とか靴から取り除こうと数メートルにわたり糞のパレード。それが複数の人間になるとその周辺はたちまち危険地帯に(汚くて すみません)。

ちゃんと躾のいっている犬は本当に賢いんですけどね。かわいい犬もたくさんいるし。私個人もどちらかというと犬派なのでいろんな犬を見 かけたりするのは楽しいのですが。やっぱり飼い主の躾からですね。

moncaca
住宅街で見つけたサイン。[JE RAMASSE ] (私は拾う)なのですが、
誰かが落書きを。[MON CACA](私の糞)

***対策としては、パリでは犬の糞を回収しないと最高450ユーロの罰金がかかることになっています。犬のフンで汚れた通りをきれいにしようとパリが3年にかけて犬の飼い主に訴えかけてきた結果、60パーセントの飼い主が犬のフンを拾うと答えました。ちなみに毎日出される犬の排泄物は 16トン(2005年)

***2009年、路上の糞に対する罰金制度が、うまく行っているのかどうか疑問に思う今日この頃。また最近ひどくなってきているよう な。そこでパリ市から出されたこんな広告を発見。


《汚い?パリも同じだよ》
クリックすると拡大しますが、かなり汚いので要注意

***2014年ページ更新。相変わらず汚いパリです…。

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ペット問題

フランス人のお金の使い方

フランスにいてよく不思議だなあ思うのは、多くの人がレストランでランチ、ディナーをしていること。安くはないメニューを毎日食べています(ランチ に20~30ユーロ/一人)。また、フランス人はショッピングが好きですね。日本人もそうですが。でもこちらではリッチな社会層だけでなく、中級層以下の人たちもかなり大量のショッピングをするのに驚きます。失礼とは思うのですが、どこからお金が出てくるんだろうと。秘密があったら教えて欲しい。

そして、ある日うちの主人に、「フランス人は税金いっぱい取られるし、リッチな人は一握りなのに、何でこんなにたくさんの人が大きな買い物ができるの」と尋ねてみました。すると、主人はズバリ「フランス人は貯金しないんだ」と。

そしてもう一つの要因は、子どもが20歳、30歳過ぎても親と暮らすパリジャンが多いこと。いつまでも親に面倒を見てもらっている人が多いんだそうです。

パリジャンは、このように日本人のように貯金するというような意識が薄く、毎日の生活ができればいいと思っているのだそうです。それを 証拠付けるかのように、LE FIGARO(フィガロ紙)でこんな記事を見つけたので、訳してご紹介します。

タイトル :
『2500ユーロ稼ぐフランス人は娯楽ショッピングに一ヶ月で959ユーロ費やす(参考:アパート家賃でだいたい1000ユーロ)。』

shopping

あるフランス人たちは楽しみのために毎月平均して942ユーロを使う。

フランス人は切り詰めた生活などしない。MediaEdgeによって調査された結果によると、娯楽の支出に毎月平均942ユーロは最低 費やすという。また毎月の収入が1500~3000ユーロにあたる家庭に基づいてなされた調査では、義務的な支出(食費、税金、クレジット)などから解放された層であるため、劣等感が解消され気持ちが楽になり、娯楽にお金をかける傾向にあると伝えている。ちなみに、1500~2000ユーロ稼ぐ層では 473ユーロ、2000~2500ユーロ稼ぐ層では959ユーロ娯楽消費にまわされる。

もしこの傾向が追い風にあるのならば、軽率には受け取めてはならない。なぜなら79%のフランス人は徐々に彼らの出費に注意を払うよう になっていると認めている。彼らのうちの2/3が支出削減のためさまざまな工面やりくりをしようとしている。ショッピングの内訳を見ると、マルチメディア 商品(21%)、衣類(19%)、旅行(15%)、家庭/日用品(12%)、趣味/教養(10%)、アクセサリー/美容(8%)。

娯楽が何よりも一番。Ipsos Public Affairsの調査によると、インタビューを受けた2/3の人々が、痛い出費だと思う(31%)よりむしろ楽しみとして衣類やアクセサリーを買う (65%)と答えている。15歳から24歳にあたる若者(80%)、女性(78%)につづき、男性の二人に一人以上(52%)がこの娯楽趣味を肯定的に受 け止めており、彼らにとってこういったアクティビティは時に中毒症状のようなものにもなる。またステレオタイプを崩すかのように、フランス人はブランド商 品に興味を持たず、彼らの10人に8人(81%)が自分の欲しいものと予算に応じて買い物をすると答えている。

本のような趣味/教養に関する商品に関しても、娯楽が一番の理由となっている。La Sofresの調査では66%のフランス人が気晴らしのために本を購入する一方、たった8%が自己啓発のためだと強調している。1955年の調査では、そ のパーセンテージは、それぞれ46%と14%。さらにインターネットのおかげでさまざまな商品がネット上で購入されている。そしてその数は止まることを知 らない。Mediametrie/Netratingsによると、2007年第一四半期の時点で、17.900.000人がネットで少なくとも一度は商品 購入を行っている。一年で19%の増加。とりわけこのことはアクセサリーや衣類購入に関して当てはまり、54%のフランス人が実際購入したと答えている。

(以上、LE FIGARO(フィガロ紙)より 訳:aki)

娯楽だけでこの出費だから、食費や光熱費なんか加えるとどのくらい残るんでしょうね。それも毎月の平均ですよ。それに家賃はパリではかなり痛い出費だと思うので、見栄のためとはいえ、パリジャンのやりくりはすごい。もちろん純粋に、娯楽を楽しもうというフランス人の娯楽精神も考えなければなりませんが。

フランスの交通ルール

フランスで暮らし始めて数年。いまだ道を渡るたびにドキドキする今日この頃です。ここフランスでは、青信号で渡っても車はやってきますし、赤信号でも人は渡ります。何のために信号がついているのかが不明。ないほうが電気代もかからなくていいのではと思うくらい。

road traffic

まずは歩行者。信号は見ていません。車が来ないかどうかを見ています。親は小さな子供の手を引っ張って、「ほら車来ないわよ。」と言っ て赤信号で渡り、べビーシッター中のおばさんは、赤信号を堂々とべビーカーを前に押して渡ります。車が来たら? 慌てて手を挙げ車を止めようとします。

そしてドライバー。同じく、信号を見ていません。こちらには停止線もないので、横断歩道のギリギリまで車はやってきます。特に多いのが よそみ運転。今まで何度ヒヤッとしたことがあったか。また車線もないので、合図なしの急な車線変更は日常茶飯事。急ブレーキが大活躍する国です。中でも有 名なのが、凱旋門のロータリー。ものすごく怖いです。私は運転はしませんが、たまにバスを利用する時に、クラクションの嵐に巻き込まれます。こちらで運転 される日本人の方も、「あのロータリーに入ったら、一日中抜け出せないような気がするよ。」と。

そう、こちらの人は、相手が止まってくれるものだと思い込んでいるらしく、信号無視の自分が悪いとは思わないようです。特に信号の変わり目は両者とも、まだ平気だと思ってわが道を貫こうとするのです。

事例1:
例えば、ある母親は子供が路上で遊んでいるのに知らん顔。べちゃくちゃとおしゃべりをしていました。傍らで見ていて、絶対車が来るわよと思っていたら、本当にやってきたのです。とっさにその母親が子供を助けに行ったのですが、その後の対応がいかにもパリジャンらしい。どう見ても非はこの母親にあるのに、逆 切れして運転手に猛抗議。「うちの子が路上で遊んでるのに、もっと気をつけなさいよ。」と。

事例2:
うちの主人が、青信号で渡ろうとしていたとき、車が急接近。運転手が怒りの顔で信号を指し、主人に注意。もちろん信号は歩行者に対し青信号。運転手側は赤信号。信号を見てもいないのに、自信たっぷりに自分が正しいのだと訴えてきたその運転手に主人も怒り爆発。そばにいた日本人観光客が驚いていたとか。

事例3:

買い物の帰り、比較的交通量の少ない通りを歩いていました。信号が青になり、車も来ないことを確認。そして、通りの中央にさしかかろうとした時です。急に車が接近。何事だと思ったら、運転手はおじいちゃん。明らかなわき見運転。いっこうにこちらに気づく様子なし。本当にビクッとした一瞬でした。なんとか道は渡りきることができたのですが、その後そのおじいちゃんは、私の存在に気づくことなく去っていきました。

同じようなパターンは、もう何回も経験しています。横断歩道を渡っている私に最後の最後でやっと気づき、口に手を当てて大慌てする女 性。こちらもわき見運転。

本当、外を歩く時は皆さん気を付けて下さい。この間は通りで、放された犬が興奮して道路に走り出し、車にひかれていました。思わず 「ギャーッ」と悲鳴をあげてしまい、携帯で話していた主人が私が事故にあったのかと勘違いしてパニックになってしまいました。

どこの国にもマナーの悪い人間はいるものです。

マナーというよりも、道徳的な判断基準が私たち日本人とはかけ離れています。道徳のお手本であるべき教会のシスター、警察までもがルー ルを守らないですからね。

うちの近くにある教会前の通りでは、ちゃんと信号があるにもかかわらず、シスターが知らん顔して信号無視。通りを斜めに横切っていきます。見ていてある意味興味深い光景です。人間観察ですね。日曜のミサの後、教会から出てきた人々が次々赤信号で道を渡っていく姿を見ると、疑問がたくさん 浮かんでくるんです。

警察はというと、駐車違反。それも横断歩道に。このため、多くのドライバーと歩行者が道をふさがれ、大回りしなければならないという事 態になってしまったとか。

そう駐車違反というと、この横断歩道に駐車している車が本当に多い。どうしてこんなに堂々ととめられるのかはじめは驚いていたのですが、最近は「ここはフランスだから」と思うように努力をしています…。

横断歩道を渡ろうとしていた時のことです。渡っている私の目の前で、その横断歩道上に駐車しようとしている車がいるではありませんか。 私はまっすぐ歩くこともできず、道をブロックされてしまいました。この勝手さに怒りが抑えられず、思いっきりその車の窓をノック。ドライバーは、驚いたか のようにこちらを見て、私を呼び止めようとします。私は無視して去ったのですが(フランス語できないし)、その男性は遠くから「こっち来い」と呼んでいま した。うーン、フランス語ができたらいっぱい言ってやりたかったのに…。

illeagal parking
この車、動いているわけではないですよ。駐車してあるんです。奥の黒い車もそうですね。

illeagal parking

illeagal parking

illeagal parking

illleagal parking

traffic
夜の路上。警察の目の前に違法駐車。

こんな風景はフランスでは日常茶飯事です。きりがないと主人に言われたためこの辺で終了。

illeagal parking
そして、こういった町中で見かけられる駐車違反の車に対し、市長も困った状態。警察のあり方を厳しく批判しています。駐車違反の罰金は11ユーロ、これを今後25ユーロに値上げする方針。さらに対策用の予算を拡大する予定だとか。(フリーマガジンMetroより)

そしてそんな中、こんな記事も発見(同じくフリーマガジンMetroより)。 子供に《横断歩道免許を》と。これを見て主人と大爆笑。「道を渡るのに免許がいるんなて!取れなかったら、道渡れないの?」 大体、子供に学校で交通ルー ルの講習なんてやったって、普段周りにいる大人が手を引っ張って赤信号渡らせるような社会ですよ。本気で考えているのかと思うと、笑ってしまいました。

license

そんなことより、もっと運転免許取得のシステムを改善するべきなのに。これもいくつかのフランス人に聞いたのですが、フランスにある教習所というのは、多くがお金目当てであったりするんだそうです。誰かの知り合いで入ったりすると、すぐに取れるけれど、知らないと失敗しなくてもわざと何 回も落とされるんだそうです。うちの主人もそうとは知らず何度も何度も挑戦。何が失敗だったのか分からないまま。すると知り合いのフランス人が、「当たり 前よ。私が通っていたところ紹介してあげるわよ。」と。特にパリにある教習所はこのようにお金を稼いでるんだそうです。ということは、ルールもいまいち分 かっていないような人も免許が取れてしまうということになります。

うちの主人が、同僚たちと車でランチに出かけたときのことです。そしてその時の運転手が、道路標識も理解できず、サバイバルなドライブ だったとか。怖い。

皆さんも、通りでは気を付けてくださいね。フランスでは赤だろうと青だろうと関係ありません。日本人のもつ道徳は通じません。残念なが ら。

最後にある英字雑誌の引用です。

The French are champions at dexterous sports such as fencing and skiing. But they really excel at their national pastime-parking. It’s been elevated to an art form. ~ The French ar a touchy-freely nation, so it’s no surprise that gentle nudges and slight shoves between cars are quite acceptable. (The Paris Times)

〈フランス人というのはパーキングに秀でている。一種の芸術の域にまで達している。ちょっとくらい車が接触しても気にしないフランス 人。〉と、日本人だけではないのです。みんなが驚いているのです。

illeagal parking

illeagal parking illeagal parking
これが、フランスのもう一つの芸術?

on the railroad
そしてこちらが特別賞受賞の路上ではなく線路上パーキングです。

on the bridge
また夜ともなると橋の上は駐車のオンパレード。月明かりに車が輝き芸術です。

traffic light
そして、誰も見てくれないパリの信号機は、そっぽを向いてしまいました。