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Villecroze ヴィルクロズ(プロヴァンス)

南仏といえば海側コートダジュールが人気ですが、山側もとても楽しい。いろんな小さな村が静かに点在しています。今回訪れたのはVillecrozeヴィルクロズと呼ばれる小さな町というか村。

ランチが目的だったのですが早く着いたのでまずはレストランの近くにあった公園へと足を運んでみました。

Jardin des grottes

公園奥には35mの高さから流れる滝や、名前の通り居穴洞窟もあります。奇麗に整備された花壇にはバラがたくさん咲いていました。のーんびりお昼まで時間をつぶしたら、歩いてすぐそこにあるレストランへ。

Le Colombier

Quartier Le Colombier – RD557
83690 VILLECROZE

こちらはホテルレストランとなっておりレストランの裏を少し登った所にホテルがありました。早く着き過ぎたので迎え出てくれたシェフが公園を紹介してくれました。戻ってみると今度はマダムがお出迎え。

テラスもかわいくデコレーション。南仏らしい雰囲気です。

そしてメニューは!

前菜:トマトとメロンのムース。これがとても美味しい。そしてグルマンドサラダと鴨のフォアグラ(自家製)。

メインはMarmite de Noix de St-Jaquesを選びました。中にはホタテとポワロが入っています。

デザートはイチゴパフェ?もう一つはVacherin Glaceと呼ばれるアイスクリーム。

南仏の山側には本当に美味しくて素敵なレストランがたくさんあります。ドライブがてらいろんなレストランを試してみて下さい。

コティニャック(プロヴァンス)

Provence-Alpes-Côte d’Azur(プロヴァンスコートダジュール)地方にある小さな町Cotignacコティニャック
コートダジュールから少し離れて山の中に位置します。この周辺には小さな町が点在しドライブにも最適。

以前訪れたBesse(ベス)の町も近くにあります。

町に近づくと遠くの山に奇妙な岩肌が見えてきます。ちょっと車を降りて写真撮影。

ちょうどこの日は祝日で町の中はガラーンとしていましたが、それはそれで楽しめてよかったかな。

そしてお目当てのハチミツ屋さんへ。Figaroで紹介されていたお店です。町中のお店は閉まっていましたが、ハチミツ農場は開いていました(車で15分くらいのところにあります)。

Les ruchers du Bessillon ホームページ

1870―1890年代にかけて、コティニャック農家の息子Augustin Carmagnolleが野生のミツバチの群れを集め木の幹の中に収容し始めます。少しずつハチの数が増え、養蜂家が本職となっていきました。これがこのお店の起源。1890年からずっと代々家族で経営されているハチミツ屋さんなのです。

ホームページでもたくさん写真で見ることができますが、ものすごいハチミツの種類があります。お店で味見をさせてもらえるので好みの味を探してみてください。ラベンダー、タイム、ローズマリーなど様々。私達のお気に入りはラベンダーのクリーミィタイプ、アカシア、そしてmiel de montage。味が全く違います。お土産にいいですよ。

 

さて、静かーな町をとぼとぼ歩いて、先ほど遠くから見えた岩山へと近づいていきます。

見上げるとなんだか崖の至る所にぼこぼこと穴があいていて、よーく見ると建物がくっついているような埋め込まれているような・・・ここには古ーい歴史が存在します。

 

コティニャックの歴史

コティニャックの名前は古く1030年から確認されています。フランス言語学者 Albert Dauzatによると、その名前はgallo-romainガロ―ローマン人Cottiniusから来ていると考えられています。

中世封建時代初期には岩のてっぺんに二つの塔が立ちその下に村が作られていましたが、1033年になるとコティニャック城が存在していました。この城はBoniface de Castellane(Castelanne の最初の男爵)が所有。

12世紀に入ると、Saint-André de Villeneuve-lès-Avignon大修道院が教区を治めることになりますが、続いてPignansと呼ばれるコミューン(地方自治体)の教会へと移ります。

その後コティニャック領主の土地はプロヴァンス伯爵の領土となります。

コティニャックの主要な経済はオリーブオイルの生産にあり、歴史的には1660年にルイ14世が行ったNotre Dame de Grâce礼拝堂への巡礼の旅で有名。

階段を上って崖へとアクセスします。ここから見る町の景色もなかなかです。

切り立った崖に窓らしきものが点々と。不思議な光景です。

ドライブのポイントにちょっと立ち寄ってみてはどうでしょうか。

参考サイト:

Provence Web

Office de Tourisme de Cotignac

グラナム遺跡(プロヴァンス)

夏のヴァカンスでプロヴァンス滞在中、どこかにドライブに行こうということになりました。まだ行ったことのない所に連れて行ってあげようと義理の両親が提案。グラナム遺跡と呼ばれる場所に出かけてきました。

遺跡を見る前にまずは歴史を整理しておきましょう!

 

紀元前のプロヴァンス地方の歴史

青銅器時代—鉄器時代(紀元前1200—紀元前500年)
ケルト人が中部ヨーロッパに広まる。ギリシャからの影響などを受け文化が発展。鉄製武器を身に付けヨーロッパ各地で活動。

紀元前600年頃
植民市マッサリア(マルセイユ)が古代ギリシャ船乗りのボカイア人によって築かれる。

紀元前300—200年
さらにマッサリアはポエニ戦争でローマ側につきカルタゴと戦う。

紀元前100
ゲルマン人に追われたケルト人(ガリア人またはゴール人)は西フランスとスペインに移動。のちローマのカエサルらによって征服される(カエサルのガリア戦記が有名)。地中海沿いの地域はアウグストゥスの時代にはガリア・ナルボネンシスという名前で呼ばれるようになる(もちろんこの地方にはギリシャ人も多く住んでいた)。ちなみにこのガリア人たちは中世にゲルマン系のフランク人に吸収されフランス人に同化していく。

 

このように、ヨーロッパは様々な民族が移動することによってそれぞれの国が少しずつ形成されていきます。プロヴァンス地方も同様に、ケルト人の一派ガリア人、ギリシャ人、ローマ人とさまざまな影響を受けているということをまずは理解しなければ、遺跡の面白さがつかめません。

 

それではグラナム遺跡に向かってみましょう。


まずは駐車場のすぐそばに立つ大きな遺跡が2つ。まず1つ目は凱旋門。


そしてこちら紀元前25年に建てられたという霊廟。皇帝アウグストゥスの二人の孫のための記念碑だそうです。
紀元前ですよ!

 

道を渡って反対側に移り少し歩くと遺跡への入り口があります。ここで入場券(大人7,50ユーロ)を買って中に進んでいきます。お土産物も売っているので見学の後にでも見てみるといいですね。入り口も出口も同じ所を通ります。

 


この地にケルト人が定住したのは紀元前7または8世紀頃と言われます。


ケルト神Glanとお供の女神が病回復に効果のあるという水源近くに住み始めたことが、このグラナムの起源となっています。この水源の噂は広まり、その水を求めてたくさんの巡礼者がこの集落を訪れました。


写真にある石の台は、身体障害者のために作られたものです。体が不自由で階段を降りられない人はこの台に寝転がり、ありがたい水を体にかけてもらったそうです。


そしてその効果を得られた裕福な者は右の写真のようにお礼の石碑を建てました。さらに裕福な者(この地域を支配する者)は水源のそばに神殿を建てました(左写真)。


集落で何かを決定する際に使われた広場。ここで決めごとの賛成反対を多数決で決めたそうです。手に石の玉をを持って中央にある石つぼの中にそっと入れて取り決めたそうです。


こちら集落に存在した肉屋さん(左)とオリーブ油のお店(右)の跡です。当時は冷蔵庫もなく、お肉の腐敗も早かったそうです(当たり前ですが)。お肉はお祭り事などの際に食されていました。このレ・ボー・ド・プロヴァンスにはオリーブの木が一帯に広がっていますが、昔からオリーブオイルはあったんですね。なるほどーとうなずきながらガイドさんの話に聞き入っていました。


共同浴場跡。左手には水が溜めてあり(プール)、右手には3つの部屋が設けられていました。一つ目は暑い部屋、二つ目は暖かい部屋、次が冷たい部屋。まずは体にオリーブオイルをかけ、建物の前にある広場で体を鍛えるためのトレーニングをします。すると体は砂だらけになりますね。その状態で暖かく保たれている部屋に入り、オイルと砂と一緒にむだ毛の処理をしてもらい、強いマッサージを受けます。次に暑い部屋に入って汗をかき、さらに暖かい部屋で軽いマッサージを受けます。仕上げは再度暑い部屋で汗をかいた後に冷たい部屋に入る。夏の時期などはその代わりにプールに入ったようです。

と、ガイドさんが一般的な共同浴場の利用の仕方を説明してくれました。


さてこちらの壁は三段階構成になっています。一番元になっているのがガリア人作、その上にギリシャ人、ローマ人と手法が変わっているのが分かります。


最後は、比較的裕福な家の 遺跡です。家の中央には水が溜めてあり、太陽の光が反射して家の中が明るくなるように工夫してあったようです。この周りにいくつかの部屋が囲むように並んでいるのが特徴的です。このように水が豊富にあるため、集落の外まで出かけなくても家でトイレができたそうです。家の一角には奴隷たちの部屋もありました。奴隷と行っても、家族の一員のようなものです。昔の人の知恵はすばらしい!

他にもたくさん興味深い遺跡が保存されています。フランス語ができればガイドさんが詳しく説明してくれます。何人かのガイドさんがいるようでしたが、私たちのあたったガイドさんはなかなか説明がうまく、図などを使って面白く話してくれました。

 

所在地

Site archéologique de Glanum
Route des Baux-de-Provence
13210 Saint-Rémy-de-provence

 

夏に訪れる際には帽子をお忘れなく。日陰がないため、かなり暑いです! 近くには レ・ボー・ド・プロヴァンスもあるので寄ってみてはどうでしょうか。

カランク(プロヴァンス/ハイキング)

マルセイユの旧港からバス(21番)に乗って今日はカランクにピクニック。出発前にサンドイッチとドリンクを買って準備万端。始発だったのですぐに席を確保できましたが、すぐにバスは人でいっぱい。40分くらいで終点に着き、そこからハイキング開始です。終点は大学の敷地内にあり、そこから南にまっすぐ歩いていくとカランクを一望できる場所へと続きます。

ハイキングコースは歩道がしっかり作られており歩きやすく、海から吹いてくる風がとても気持ちがいい。カランクにはいくつものコースがあり、海に通じる道や、崖を登っていく道などさまざま。今回は一番シンプルなコースです。

Calanque de Morgiou モルジウカランク

ヴァカンス期ともあって途中たくさんの水着姿の人とすれ違いながらどんどん歩いて進んでいきました。4,5Km、1h30のハイキングです。

海に行きたい人は、コースをどんどん下っておりていきますが、私たちは崖からの景色を見るために途中の分岐点で右折しました。ほとんど人もなく、ぶらりぶらりと写真を撮りながら歩いていきます。

途中カランクの歴史を説明するパネルを何枚か見つけました。岩の中に化石なんかも発見できますよ。

5万年前は100Mも海面が低かったそうですが、1万年前に海面が戻り、気候変化の影響などで現在のような地形になったそうです。

さあ、ここから地中海の青い海が見えてきます!

海へのアクセスも可能ですが、歩くのが・・・いいエクササイズになりますが。

最終点は展望台になっており、カランクや地中海を一望できるようになっています!ものすごくきれいです。海から崖を見上げるのもよし、崖から海を見下ろすのもまた美しい。

何回訪れても感動する景色があります。

以前は海側からアクセスをしました。そのときの様子はカシス・カランクのページで紹介しています!

Besseベス(プロヴァンス)

Besse(Besse-sur-Issole)ベスとはプロヴァンス‐アルプス‐コートダジュール、ヴァール県にある小さな町です。マルセイユから車で1時間半くらいだったでしょうか。トゥーロンの北に位置します。冬のヴァカンスでドライブで立ち寄ってみました。パリと比べれば冬でも10度前後あり暖かく、ちょっとした散歩にいいですね。


中心にはかわいらしい塔が立っており広場になっています。人はちらほらと見かけましたが・・・。ほとんど休暇中ですね。


ひっそりと、人通りも少ない町、村(?)。左写真は町役場。その前を過ぎてどんどん歩いて行きます。すると犬や猫がのんびりと通りに横たわっていたりします。


町に着くとまず最初に目に付くのが自由の女神(?)。右の写真、窓に猫がいるのが見えるでしょうか。ずっとミャオーミャオーと泣き声が響いていました。なぜか南仏は猫が多い。


町のはずれには大きな池が。散歩にいいですね。


冬に訪れましたが、夏の景色もきれいなんでしょうね。緑でいっぱいになりそうです。

そしてランチタイム!地元の人のおすすめで訪れたレストラン。

La Remise 4 Avenue de la Liberation 83890 Besse sur Issole
TEL: 04 94 59 66 93


とてもカジュアルな雰囲気のレストランで落ち着きます。アペタイザーにはサーモンカルパッチョとムール貝。サーモンにはたくさんアネットがかかっていてプロヴァンス風、そしてムール貝もプロヴァンサルでとてもおいしかったです!


メインデッシュはDaube de Beouf(ビーフの蒸し焼き)プロヴァンサルソース。主人は魚で、なんだったか忘れてしまいましたが、おいしかったそうです。なによりも値段がリーゾナブル。この日はメニューにはありませんでしたが南仏料理のピエパケもおすすめ。

Gaspard de Besse ガスパール・ド・ベス

そしてこちら駐車場でみつけたパネル。 べスの有名人ガスパール・べス。


本名ガスパール・ブイ(Gaspard Bouis)はBesse-sur-Issoleで生まれた、プロヴァンスのギャングスター(1757-1781)。Gaspard de Besseガスパール・べスは彼のニックネーム。乗合馬車を襲い身代金を要求するのが彼のスタイル。彼のモットーとは『脅かすことはするが、決して殺すことはない』。山の中に小屋を見つけそこをあじととして、さらには城築き、民衆の心の中に前革命的考えを植え込む。しかしLa Valetteで捕まり、骨を砕かれ息を引き取るまで晒されたそうです。

小さな町にも歴史ありですね(ちょっとむごいお話ですが)。こんな話、訪れなければきっと知ることはなかったでしょう・・・。そんな歴史があったなんて・・・。

地中海の海岸線沿いとは違って華やかさはありませんが、落ち着いた雰囲気や隠れたレストランなど発見はたくさんあるでしょう。ドライブにおすすめです。

Besseオフィシャルツーリズムサイト