Tag Archives: パリ1区

サント・シャペル

Sainte Chapelle サント・シャペル

シテ島の左側に位置する建物、Palais de Justice最高裁判所の敷地内にそのチャペルはあります。狭い入り口の前にいつも観光客の列が通りを埋め尽くしていて、いつか行こうと思いながら今度今度となかなか行けずにいました。でも今回は日本からの訪問客があり、一緒に行くことに。この日は思っていたよりも人が少なくスムーズに。

メトロ4番線シテで降り、パリ警視庁を正面に右へ向かって行くと最高裁判所がありまあす(左下写真)。その裁判所の立つ通り少し左に入っ た所に入り口が設けてあります。入り口で手荷物検査を受けて、そしていざチャペルへ。最高裁判所の一角にこんな建物が現れます(右下)。こんな場所にこん なチャペルがあるなんて少しびっくり。外から見るとものすごい門構えの裁判所のイメージしかなかったので。

palais de justice

では、このチャペルの歴史をさかのぼってみましょう。13世紀にSaint Louis 「聖王」と呼ばれていたルイ9世が、十字軍の遠征で手に入れたキリストの「茨の冠」を納めるために建てたのがこの2層式ゴシック様式の礼拝堂でした。

ルイ9世が1230年に王位につくと、国の政治的、宗教的基盤を強めなければならないと考え、聖遺物のいくつかを買い求めたいとオリエ ンタル皇帝ボードゥイン2世と交渉を開始しました。1239年、交渉がうまくいき、パリはキリストの「茨の冠」を受け取ることに。2年後にはHoly Cross(聖なる十字架)も獲得しました。

まずは一階。黄金色に、でもどこかぼんやりとした不思議な空気の漂う空間。たくさんお土産も売っていましたが・・・。

そして上層には、高さ15mのステンドグラス。こちらは世界最大、パリ最古と称され、出エジプト記や聖マリアの生涯など聖書を題材に描 かれています。狭く暗い階段を上り、2階へ着くとまるで別世界かのように輝く空間が。「聖なる瞳」とも呼ばれているそうです。

また椅子がステンドグラスを向いて並べてあるので、そこに座りながらじっくり鑑賞するのもいいかもしれませんね。こんな建物をどうやっ て昔の人は作ったのだろうと。どこの国でも同じですが、古い建築物というのは、芸術性、技術性に優れていて、材料物資など制限が多かった時代にこれだけのものが作れるなんてと、いつも思うんですよね。

【Sainte-Chapelle 入り口】
4 boulevard du Palais  75001 Paris
Tel: 33 / (0)1 53 40 60 80
Fax: 33 / (0)1 53 40 60 90

【オープン】
9.30 am – 6.00 pm 3月1日~10月31日
9.00 am-5.00 pm 11月1日~2月29日 (30分前には入場終了)
1月1日、5月1日、12月25日は休館

【料金】 7.50ユーロ *サン・シャペルとコンシェルジュリーの共通券11.50ユーロ

【関連サイト】 La Sainte Chapelle

Conciergerie コンシェルジュリー

さて、一度この裁判所から外に出て、今度は通りの右側にある入り口からコンシェルジェリー(門番)へ。もともとは14世紀にフィリップ 4世によって王宮として建てられたゴシック様式の建物です。 しかし14世紀からは監獄として使われ、18世紀フランス革命後には多くの貴族や革命家が刑 の執行前にここへ幽閉されました。また1793年の8月から10月まで、マリー・アントワネットが処刑されるまでの76日間を過ごした独房なども再現されています。


マリー・アントワネットの独房


マリー・アントワネットが最後に口にしたかもしれないという水を飲む際に使ったとされる水差し(右)。

【Conciergerie 入り口】
2, boulevard du Palais  75001 Paris
Tel: 33 / (0)1 53 40 60 93
Fax: 33 / (0)1 53 40 60 96

【オープン】
9.30 am – 6.00 pm 3月1日~10月31日
9.00 am-5.00 pm 11月1日~2月29日 (30分前には入場終了)
1月1日、5月1日、12月25日は休館

【料金】 6.50ユーロ *サン・シャペルとコンシェルジュリーの共通券11.50ユーロ

【関連サイト】 La Conciergerie

オランジュリ-美術館

パリといえば、美術館めぐり。でも以外にこちらに住みはじめると、「いつで行けるわ」という感覚で、なかなか足を運ぶことがありません。そんな中、日本から来た友達からオランジュリ-美術館に行ってみたいという提案が。オランジュリ-と言えば「睡蓮」。確か、数年前に見てみたいと思ったことが あったような。でも当時は改装工事で美術館が閉まっていたのです。

そして今年(2006)、 6年ぶりに一般公開が再開。

オランジュリーと睡蓮
印象派の巨匠クロ-ド・モネ(1840-1926)がパリ近郊ジベルニーのアトリエで最晩年に描いた8枚の巨大な作品で、縦約2メ-トル、幅は総計100メ-トルに近い。「睡蓮」はモネが亡くなった翌年の1927年に国に寄贈されることに。モネは死後にこの作品を公開することを望んでいて、生前から国はこのオランジュリ-美術館の内部を改造しこの作品を管理していました。そして当初は彼の遺志でもあるよ うに、自然光の光でこの作品が展示されていました。

しかし、ジュリエット・ワルター夫人から、セザンヌ、ルノワ-ル、マチス、ピカソなどの作品144点の寄贈を受け、これらのコレクショ ンを展示するために、66年までに全館にわたりフロアを1階増やし、「睡蓮の間」は人工照明の部屋へと変えられてしまいます。

さらに、2000年には、同美術館の老朽化もあり、フランス政府は、施設の近代化とともに、再び自然の光の入る「睡蓮の間」を作ることを決断。2004年に再オ-プンする予定で工事に入ります。

しかし2003年、美術館の下から16-17世紀に建てられたパリを外敵から守るための城壁が発見されます。この遺跡は地下を斜めに走 り、工事は難航します。歴史団体の論争の末、20メ-トルだけ修復し保存することに。そのため工事は一年半延長し、総工費は当初の計画を大幅に上回る 2900万ユ-ロ(約38億6000万円)へと膨れ上がってしまいました。設計を担当していた建築家も「すべて壊して、建て直したほうが早いほどだっ た。」と語っています。

再オ-プンした美術館の「睡蓮の間」は楕円形の2つの部屋に分かれており、それぞれ「睡蓮」が4枚ずつ、ぐるりと掲げられています。そ して天井は、円錐型の吹き抜けで、障子のような膜を通して自然の光が差し込むようになっており、鑑賞者はまるで、池の中を回遊しているような雰囲気にとら われてしまいます。

(観光/マルモッ タン美術館のぺージでモネの歴史紹介)

「睡蓮の間」
真新しい透明感のある白い建物の中へ入ると、やさしい光に照らされたモネの「睡蓮」が目前へ現れてきます。浮き出すようなその淡い色に一瞬本当に池の淵に立っているような気に陥ってしまうかもしれませんよ。彼がいた場所に自分も立っているようなそんな空間です。

orangerie

orangerie

orangerie

orangerie

地階にはルノワ-ルの「ピアノによる少女達」やセザンヌ、マティス、ピカソ、ユトリロなど144点の作品が展示されています。

orangerie

orangerie

orangerie

orangerie

orangerie orangerie

orangerie
Musee de l’Orangerie

Jardin Tuilerie 75001 Paris
メトロ Condorde
入場料 6.50
開館時間はお昼12時半から。私が訪れた日は朝11時半くらいからちらほらと人が集まり始めていました。先にインタ-ネットなどでチケットを予約しておく といいですね。 ル-ヴル美術館と目と鼻の先にあります。美術館はどこも待ち時間が大変ですが、足を運ぶ価値は大です。
美術館公式サイト (日本語もあり)

orangerie

シテ島散策

パリは4区、セーヌに浮かぶ2つの島、シテ島とサン・ルイ島。ここはパリ発祥の地でもあり歴史的な見所が多い。

ユリウス・カエサルの『ガリア戦記』には、すでに紀元前1世紀に住民(パリーシー族 en:Parisii)がいたことが述べられている。また、この島はとても狭いので、ここの住民たちは夜も一定の時間を過ぎるとトイレの水は流さない等、 互いに気配りしつつ一緒に住んでいくことの不便さを味わってきた。ここから市民(シテ島に住むもの、変じてシティズン、citizen)という言葉が発生 したという。 (ウィキペディアより)

と、歴史の深さを感じた上で散策をしてみると、また違った感動が味わえるかもしれませんね。

seine

ノートルダム寺院
ノートルダム寺院は「我らの貴婦人」、聖母マリアに捧げられた大寺院。現在の建物は1163年に起工し、1345年頃に完成。大聖堂ではナポレオンの戴冠 式をはじめ歴史的行事が行われてきました。その豪華な式典の模様はルーブル美術館にある「ナポレオン1世の戴冠式」にも描かれています。院内には宝仏殿 がある他、13世紀に造られた直径10メートル程の壮麗なバラ窓をはじめ、美術史上貴重な作品が並んでいます。また螺旋階段で南塔屋上に登るとパリ市全体 が見渡せます。

notre dame
セ-ヌ左岸から見たノートルダム寺院 。

charlemagne
ノートルダム前広場の隅に立つシャルマーニュの像。フランスで初めて学校制度を成立させた偉人。

notre dame park
寺院裏手には公園があり憩いの場となっています。

最高裁判所
島の西側を占める巨大な最高裁判所の建物は、かつてメロビング朝、14世紀にフィリップ4世により王宮として建てられた。パレ通りに面した角には、 1370年から市民に時を告げているパリで最初にできた公共の時計がある。門番の意味を持つこの建物は、数多くの悲劇パリの歴史とともに残してきた。14 世紀から監獄として使われたが、18世紀のフランス革命後に大部分が改築され、恐怖政治時代と呼ばれた当時は多くの王侯貴族や政治家、文化人が収容され た。現在では、警備の間、衛兵の間、厨房、パリ通り、囚人の廊下、ジロンド党員の礼拝堂、女囚の庭などが公開されている。また1793年8月から10月の 間、マリー・アントワネットが処刑されるまでの76日間を過ごした独房も再現されている。

さらには、 裁判所の一角に立つサント・シャペルは1248年に完成したゴシック様式の教会がみどころ。2層式の珍しい建築用法が用いられ、パリ最古の美しいステンドグラスを見ようと多くの人々が訪れる。13世紀「聖王」と呼ばれたルイ9世が、十字軍遠征の際に持ち帰ったキリストの「茨の冠」を納めるために建立したと言われています。

サント・シャペルのぺージへ

palaes de justice
最高裁判所。この左手にはパリ警視庁、右手にはメトロCITE、そのお隣には花市(毎日)小鳥市(日曜)があります。

flower market
花市は花だけでなく園芸に関するものがたくさん売られています。かわいい鳥の巣箱などおもしろいものがたくさんあります。

サン・ルイ島
サン・ルイ島は中世のパリを偲ばせる歴史ある場所。17世紀以来の高級住宅も多く、サン・ルイ・アン・リール通りでは、個性的なショップやレストランが見 つかります。

st loui en l'il
サン・ルイ・アン・リール通リ。細い通りにかわいいお店やレストランが並んでいます。

bethillon
ベルティヨンと呼ばれるアイスはフランス人にも観光客にも人気。この界隈では食べ歩きしている人をたくさん見かけます。

epicerie
たくさんの香辛料やジャムを売っています。ウィンドウにはクリントン元大統領の写真が。

la petite scierie
La Peitit Scierie ちょっと写真が悪いでのですが、フォアグラの専門店。日本人の口にあうフォアグラを扱っているといういことで、店内にはいろんな雑誌の切抜きが。フォアグ ラ2瓶買ったらワイン1本つけてくれました(ラッキー)!

pylones
Pylones:ユニークなデザインの雑貨屋さん。マレ地区でも紹介しました。詳しくはそちらを。

accessary shop
小物やアクセサリー屋さんなどもおすすめです。お手ごろな値段でかわいいものがそろっています。

セーヌ川のほとり
サン・ルイ島からトゥルネル橋を渡ってセーヌ川左岸へ。階段があるのでそこから川岸へ降りていきます。そしてここからまた ノートルダム寺院へ向かって歩くととてもいい写真が撮れます。

notre dame
時間があればゆっくりとサンドイッチなんか食べながら眺めるといいですね。

small shop
階段を上がり上の道へとでると、古本屋さんや絵描きさんたちが集まっています。