プロヴァンスの歴史:
プロヴァンスには紀元前1万年に、すでに人類がソルグからアントレープ地方の岩場に居を構えていたことがわかっています。紀元前600年にはギリシャ人が入り始め、小アジアからフォカイア人が現在のマルセイユにマッサリア王国をつくり、商業の拠点となっていました。1世紀になるとローマ帝国が関わってきます。その後混乱の時代が続き、異民族が進入してきてマッサリアはフランク王国の支配下に入ります。
13世紀初頭、フランス王ルイ8世はアヴィニョンを包囲。1229年パリで条約が結ばれ、 ローヌ川右岸はフランス王領となりました。1274年には法王庁がローマからアヴィニョンに移され繁栄の時代を迎えます。
その後、プロヴァンスは戦争の絶えない時代が続きますが、現在のようにプロヴァンス地方がプロヴァンス・アルプス・コートダジュールとして成立していきます。
プロヴァンスの文化:
プロヴァンスは多くの文化遺産が残る地方です。そしてまた多くの芸術家たちがたくさんの作 品を生み出したところでもあります。ゴッホをはじめ、ピカソ、マティス、セザンヌなどが挙げられます。伝統文化に関しては鉄球を投げて目標玉に接近させる ゲーム、La Petanque(ペタンク)や闘牛のFerias(フェリア)などが有名です。また先祖代々伝わる技術で作られる各種工芸品も魅力的なものばかりです。プロヴァンス独特の織物やサントンの粘土人形(フランスのクリスマ ス参照)はプロヴァンスの名物になっています。そしてプロヴァンス地方にも方言があり、パリのフランス語とはだいぶ印象が違います。パリと比べると、その風土ともあいまってプロヴァンスの人の話し方のほうが人懐っこく暖かみがあるような印象を受けるかもしれません。
Marseille マルセイユ:
マルセイユは、紀元前600年フォカイア人によってつくられたプロヴァンス最古の都市で、 以来、海上貿易の中心地として栄えてきました。船による渡仏が当たり前だった時代、日本人が最初に到着したフランスの地もマルセイユでした。現在もフランス第一の貿易港であり、パリに次ぐ大都市です。
まず中心地となるのが LeVieux Port(旧港) です。たくさんのヨットや遊覧船などの船が停泊する港で、周辺にはたくさんのカフェやレストランが並んでおり、名物のブイヤベースが味わえます。
そこからのびる La Canebiere(カヌビエール通り)にはデパート、ホテルなどが並びマルセイユの中心となっています。また港から見て右手にある丘の上にはノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院が あり、そこから見下ろす景色は最高です。
旧港に向かって立つ教会。そして右は強大なオリーブの鉢植え。
遠くに見えるのがノートル・ダム・ド・ラ・ガルドです。毎日太陽が輝いています。ちなみにこの写真は12月クリスマス時期に撮影。停泊する船は色とりどり。地中海の雰囲気がいっぱい。
ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド。この教会からの眺めも最高ですよ。マルセイユの町から地中海まで。
そして港から遊覧船で約20分、Chateau d’If (イフ城)は、16世紀、当時のフランス国王フランソワ1世が海を渡ってやってくる外敵か らマルセイユを守るために、砦として築かれたものですが実際役立ったことは一度もなかったそうです。このイフ城を世界的に知らしめているのは、作家アレク サンドル・デュマの小説「厳窟王」でしょう。この城は小説の主人公だけでなく、鉄仮面をはじめ、現実に数多くの政治犯や異教徒たちを幽閉、牢獄するために長年使われてきました。さらにそこから船で数分、Iles de Frioul(フリウル島)に着きます。ここは第二次世界大戦中ドイツ軍に占領されていましたが、1971年にマルセイユが買い戻したということで、特に観光ポイントがあるわけではないのですが、ここにある自然は手付かずの状態で残されています。お気に入りの場所は少し歩いたところにある小さな入り江になっているビーチです。澄んだ青い地中海とあまり人の知らない場所で静かにのんびりするのはとても気分がいいです。
観光ページ フリウル群島 も参考に。詳しくご紹介しています。
歴史に興味のある方は、旧港のすぐ近くにあるCentre Bourse(サントル ブルス)というデパートの中にあるMusee d’histoire de Marseille(マルセイユ歴史博物館 )をおすすめします。入り口階にはSavon de Marseille(オリーヴで作った石鹸)で有名なこの地域の産業の歴史を、昔の広告ポスターなどを使って紹介しています。階段を下りて地下階に行くとがらりと変わって、プロヴァンスの歴史の古さを感じさせる展示物がずらりと並んでいます。特に海上貿易の盛んだった都市ということで巨大な船の模型や、そのころの生活を表す道具などが数多く展示されています。さらに奥へ進んでいくと、プロヴァンス最古の都市を思いおこさせる住居の模型や、ミイラなどがおかれています。デパートの中にこのように立派な博物館があるなんてびっくりしてしまいます。
こちらが博物館の入り口。デパートの中です。外には本物の遺跡が公園として残されています。デパートを建てる際に発見されたそうです。
また日本でも人気のサッカー。こちらフランスではそれ以上。特にここマルセイユ。サッカー ファンの方なら、L’OM (L’Olympique de Marseille) が有名でしょう。マルセイユの南東に位置するホームスタジアムにはグッズショップが入っていて、地元のお客さんがたくさん買いものに来ていました。スタジ アムには60,000の観衆が毎ゲーム、チームをサポートしにやってくるそうです。
こちらは旧港の正面にあるL’OM カフェです。そしてジダンもマルセイユ出身(右)。
南仏といえばまた、オリーブや魚介類などの食材も豊富ですね。マルセイユの代表的料理として、ブイヤベースはおすすめです。旧港の周りにはたくさんのレストランが並んでいるのですが、地元の人に聞いたおすすめレストランをここでご紹介しましょう。どこのお店のメニューにもブイヤベースと書いてあるけれど、はずれが多いそうなので、せっかくマルセイユへ行くの ならば本物をお試しください。
MIRAMAR まず旧港に面したレストランの並びの中にある一番有名で おいしいブイヤベースのレストラン。ホームページ
MICHEL 旧港を後に車で海岸線沿いを走っていくと左手に現れます。
LE PETIT NICE PASSDAT さらに進んでいくと地中海に突き出た 岩の上にレストランが立っています。
Le RHUL こちらはマルセイユでもっとも有名なホテル。地中海を正面にきれいな景色が眺められます。
そして南仏といえば地中海。旧港から東に少し行くと、Le Prado(ル プラド)と呼ばれる人工のビーチがあります。夏はもちろんのこと、冬でも日光浴に人々が多く出かけます。地中海は一年 を通じて温暖な気候なのです。泳ぐには寒いかもしれませんが、冬でも充分地中海の気分が満喫できると思いますよ。遠くには上でご紹介したイフ城やフリウー ル島 が見えます。
こちらの写真は12月クリスマス時期に撮影したもの。太陽が輝きとても穏やかな天候です。
そのビーチの正面の道路中心に立つミケランジェロのダビデ像。なぜこんな所に。カモメが頭にとまっています。地中海を見下ろす丘に建つ高級住宅やマンション。
そして近くのカフェで夕日を見ながらgrenadine(グラナディン)のシロップでも。
こちらはLuminy(リュミニ)と呼ばれる森から見下ろした地中海。ハイキングコースになっています。
まだまだ見所の多いマルセイユです。フランスはパリだけではありません!ぜひ南にも足を運んでみてください。
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