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EUの肥満問題

フランス人と聞いてあまり肥満という文字は浮かばないかもしれませんが、パリの中にもマクドナルドがあちこちと…。電車に乗っていたりしても大きな人が乗ってきて席を占領されたりすることも少なくありません。まずはここにおもしろいデータを見つけたのでご紹介します。

世界肥満度トップ26(男性)

国名 肥満度 平均寿命 マクドナルド店舗数 人口100万人あたりの店舗数
1 ギリシャ 29.0 75.2 48 4.5
2 アメリカ 27.7 74.3 12.804 45.6
3 チェコ 22.0 72.1 60 5.8
4 イギリス 21.0 75.7 1.115 18.7
5 アイルランド 20.0 74.4 62 16.0
6 フィンランド 20.0 74.4 93 17.9
7 アイスランド 19.0 77.6 3 10.7
8 オーストラリア 18.5 76.4 701 35.9
9 スロバキア 18.0 69.8 10 1.8
10 ドイツ 18.0 75.2 1.091 13.1
11 ハンガリー 18.0 67.7 76 7.5
12 デンマーク 15.0 74.2 99 18.4
13 ニュージーランド 15.0 75.8 149 38.1
14 メキシコ 14.9 70.4 205 2.0
15 ベルギー 14.0 75.7 64 6.2
16 ポルトガル 14.0 72.6 91 9.0
17 ノルウェー 13.0 76.0 55 12.2
18 オーストリア 12.0 75.4 148 18.1
19 フランス 12.0 75.2 857 14.3
20 カナダ 11.8 76.7 1.154 36.2
21 オランダ 11.0 75.6 2.5 12.8
22 スウェーデン 10.0 77.6 227 25.6
23 スペイン 10.0 75.9 276 6.9
24 イタリア 9.5 75.5 290 5.0
25 スイス 6.0 75.9 119 16.3
26 日本 1.9 77.9 3.589 28.3

IOTF, Overweight and Obese – latest figures from IOTF(2002年デ-タ)

欧米人に比べ日本人がいかに健康的か、この数字を見れば分かると思います。しかしながらマクドナルドの店数でいえば世界2位、人口 100万人単位では5位についています。確かに日本では数歩歩けばファーストフードのお店にぶつかるといっても大げさではないかもしれません。食べ物が西洋化するにつれて肥満問題もこれから拡大深刻化していくのでしょう。

さて、アメリカでは、成人の3分の2が太っているとされ、そのうちの2分の1が肥満とされています。6歳から19歳までの子どもについては15%(6人に1人)が太っており、さらに15%がその症候群だということです。さらにおもしろいデータとしてアメリカにいる犬や猫も25%が体重 オーバーだそうです。

一方EUでは、男性の10%~20%が、そして女性の10%~25%が肥満です。子どもはというと18%が肥満もしくは太っていると診断されます。肥満の問題が深刻化する中、EUの医療費の8%(420億ユ-ロ)が肥満に関連する病気の治療に費やされているそうです。

fat man

France : フランス人口の約32%が体重オバー、そして11%が肥満。 さらに6歳から9歳の間の18%の子どもが太っており、3.8%が肥満。この数字は1960年における調査の4倍にあたります(2004)。

updated***2006年度の調査によると、 フランスでは2千万人の人々が太っているとされ、そのうち6百万人が肥満。肥満は1997年の8.2%から全人口の12.4%と増加。さらに、10年でフ ランス人は平均2.1キロの体重増加、3.4センチのウエストラインの増加をしたという計算になります。

England : イギリス国民の約3分の2が太っているか肥満と診断されます。このうち肥満は過去25年において40%の上昇だそうです! 学生の大半が週に2時間以下しか運動をしないという。

Germany : ドイツの男性人口の3分の2、女性人口の半分が太っているまたは肥満と診断されます。

jumping

ここから分かるのはフランスだとかイタリア、日本など世界でもその料理法が評価されている国の人々は、肥満になる傾向が低いのかな。おそらく手間ひまかけて作る料理は栄養のバランスがとれるからだと思います。ちなみにアジアの肥満度を見てみると次のようになります。貧富の差なども考慮しなければなりませんが、その数字と西洋国の数字の差に驚きます。

国名 肥満度
1 シンガポール 5.3
2 マレーシア 5.0
3 日本 1.9
4 タイ 1.7
5 フィリピン 1.7
6 中国 1.0

肥満解決には、なんといってもバランスのとれた食事と適度の運動ということは広く知られています。ここでさらに関連したおもしろい記事 をご紹介します。

次のグラフはEUにおける余暇の過ごし方を表しています。タイトルには「余暇の4時間をどう過ごしますか」と書いてあります。そしてそ の下のパーセンテージは「テレビを見ながら」と答えた成人の結果です。


Eurostat : ヨーロッパTIMEより

ハンガリー 54%
イギリス 47%
フランス 46%
ドイツ 33%
ノルウェー 32%

さらに食事療法(ダイエット)についてもう一つ。こちらも同じくヨーロッパTIMEからの記事なのですが、それによると地中海料理の多 くの果物・野菜・ナッツ・種子類・穀物・しかしながら適度の量の肉類・そしてバターの代わりにオリーブオイルが長生きの秘訣になると。ヨ―ロッパ11カ国 2,339人の老人を対象にした調査では、この地中海料理を食べている人のほうが、23%死亡率が低いということが分かったそうです。そしてより多くの人 がダイエットのためのサプリメントなどもとらないということが調べにより明らかになりました。こうした自然の食物を多く取り入れることで、消化を助けまた 消化器官の害のある微生物を減らしてくれるのだ信じられています。しかしながらこうした意見について、肥満度高、その食べ物も世界的においしくないと評判 のイギリスの研究者は疑問を投げかけているのだそうです。

確かに南仏へ行くとたくさんのフル―ツとナッツがたくさんテーブル出てきます。特にあんなにたくさんナッツを食べるなんて初めて行った時は驚きました。食事の後、パキパキ殻を割ってクルミやアーモンドを食べるんです。日本にいた時はチョコレートの中に入っているくらいの分しか食べたこと がありませんでした。また日本では少し値段の高めのオリーヴオイルも惜しみなく使えるのはうらやましい。

フランス全体で見ると、南仏は食べ物がいい。内陸部は結構チーズや肉類が多いので大きな人が多い。パリはおいしい物を見つけるのが難し い。たとえレストランでも当たりはずれが多い。またいろんな国の人が暮らすので食べ物もオイリーなものが多いのかもしれません。海から離れているので新鮮な魚など取り入れるのが難しいんだそうです。値段が高くていまいちの味。

最後にフランスの肥満は(他の国と同じように)深刻化しています。通りを歩いていても自分で自分の体重を支えるのがつらそうなくらいの人、電車で席が空いていても通路を通過できず苦しそうに立ちながら汗をいっぱいかいている人、ファッションには気を使っていてもへそ出しが腹出しになって いる女の人。たくさん見かけます。フランスでも日本料理が人気なのはこういった背景があるからでしょう。日本人も日本食のよさをもう一度見直さないと。そんな伝統的な食文化に生まれたことをありがたく感じます。

フランスの地震

近年、世界規模で環境問題が深刻化しています。その中でも自然災害の恐ろしさは多くの人々が経験しており、特に日本人は台風、地震、噴火とありがたくないことに全てを体験することのできる環境にあります。

世界でも日本のおかれている環境は注目されており、よくフランス人が日本について、「日本なんて危険すぎて住むところじゃない。」と言う声も聞きます。

ではヨーロッパ大陸、フランスは地震が起こらなくて安全なところなのでしょうか。同じヨーロッパでもイタリアは火山、地震と日本とよく似ていますよね。では今からフランスについて探っていきましょう。

フランスでも実は平均2年に1度の割合でマグニチュード5以上の地震が起きているのですが、被害が微少に止まるのに甘んじて建設規制が厳守されない傾向にあるという。

フランスでは山地の東部、南部で地震が発生しやすいといわれ、2004年2月23日にフランス東部ブザンソンで起きたマグニチュード 5.1の地震では周辺の40県で揺れが感じられました。このため2万世帯が停電に見舞われ、一部の建物に亀裂が生じましたが、負傷者は出なかったということで す。

フランスは地震国ではないが、この100年大規模な地震が発生していないため、次回発生に備え早急に討議を行うよう促す構えです。

1. 最初のグラフは地震発生の分布図です。色で表されているのはマグニチュードの大きさです。

graph ク リック

2. 震源地の分布図です。黒丸は調査され確認されたもの、白丸は推定です。

epicenter クリック

3. 地震の大きさ・ダメージを示す図です。薄紫ゾーンはほとんど感じられない微震、薄緑ゾ-ンは体感できる程度の微震、オレンジゾー ンは弱、赤ゾーンは中、濃い紫ゾーンが強です。ここから分かることはフランスで起こる地震は大きくても中くらいの大きさであるということです。濃い紫で塗 られているMartinique(マルティニーク)や Guadeloupe (グアドゥループ)は大西洋に浮かぶ島です。大陸からは離れています。

france sismique ク リック

4.次のグラフは、地震に対して耐久性のある建物を建てるよう決められている地域の分布です。アルプスとピレネーの2箇所に集中してい るのがよくわかります。

france sismique クリック

こちらは過去被害にあったときの状況です。確立は日本ほど高いものではないけれどやはりフランスでも地震は起こります。この国にいるから安全だということはまず言えないでしょう。どこにいても人間は自然に対して無力です。

damage

damage

damage

damage

またフランスでは、地震の他、その平らの地形のため浸水などの被害も多く起こっています。特に南部では大雨のために川が氾濫して水が四 方に広がり水浸しになってしまいます。土地が平らなため水がなかなか引かないのです。また台風のようなものはありませんが雷を伴う嵐はよく起こります。日本と違い山がなく見通しがいいので、長時間に渡って稲妻が何度も明るく光りとても不気味です・・・。音もすごいですよ。

フ ランスと日本の喫煙と飲酒の法的最低年齢です。4歳も差がありますがここからいろんなことを考えさせられます。

フランス

喫煙 16才未満の子供は学校で喫煙してはならない。16才未満の子供を受け入れている学校では喫煙禁 止。*1
飲酒 16歳
(法的喫煙最低年齢)
アルコール飲料の購入、公共の場所における飲酒は16才から認められる。*2

日本

喫煙 20歳(法的喫煙最低年齢) タバコの広告には若者女性を使ってはいけない。テレビ/ラジオなどタバコ製品の広告を止めるな ど。*1
飲酒 20歳(法的飲酒最低年齢) 20歳未満の飲酒禁止、営業者の未成年者への販売、提供禁止、未成年者の飲用目的で所持する酒類は没収等の処分*3

*1  Tobacco Control Country Profiles
The 11th World Conference on Tobacco OR Health
The American Cancer Society, INC. Atlanta, Georgia

*2  Overview of national alcohol policies in the 15 countries of the European Union
French Society of Public Health, October 1998

*3   未成年者飲酒禁止法

フランスに来て驚いたこと(数ある中の一つ)、それは十代の喫煙と飲酒。学校の休み時間に高校生が校舎から出てきて通りでタバコをプカプカ。初めて見た時 はとても驚いてしまいました。小学生くらいの男の子が通りでタバコを吸っていたこともありました(近くにいた大人が注意していましたが)。でもフランスで は喫煙に関する明確な法律が見つからないので特に法律に反したことにはなりません。

少し別のぺージと重複してしまいますが具体的なデータとしてフランスの喫煙禁煙状況について。

フランスでは、12歳以上の3人に1人、20~25歳では2人に1人が喫煙者とされています。毎年70,000人がタバコが原因と見ら れる病気や間接喫煙などで死亡しています。しかし、このような状況においても、多くの学生、政治家からの反対で禁煙制度が思うように進みませんでした。あ る政治家は「フランス人はすべてのことを禁止されるのにうんざりしている」と。

しかし現在においては公共の場での喫煙規制が始まり、フランス人の態度も変化し、フランス人の大多数がこの規制に賛成。30パーセント の男性、23パーセントの女性がいまだ毎日喫煙している(その半分が一日に10本以上の喫煙)が、毎年600,000人が禁煙しようとしています。政府は 広告や100万ユーロの予算を使ってこの数値が二倍になることを期待。(以上参考:産経新聞、The Paris Times)

日本でも昔から高校生の喫煙問題はよく聞きますが、最近はさらに低年齢化しているようですね。そして喫煙もそうですが、飲酒のニュース も多いような。昼間から堂々と公園で中学生がお酒を飲んでいたとか、それどころか通行人が子どものためにお酒を買ってもってきたりとか…。私も以前高 校生に「今日はちょっと二日酔いなんであんまり勉強に集中できない」などと言われたことがあります。同じ問題でも昔と違う点はなんだか堂々となってきてい るような。

『なぜ若年者のタバコは悪いのか』

1、タバコの中(タール)にある発癌物質は大人より子どもの場合のほうが癌を発生させやすいから。100種類以上の発癌物質を含んでい ます。未成年者の喫煙はリスクが高まり、30歳以上で吸い始めた人の約4倍強で、さらには吸わない人の6倍近い肺がんでの死亡率が高まる。

2、タバコを吸うと一酸化炭素(CO)が赤血球のヘモグロビンと結びつき体に酸素を送る能力を低下させる。COは酸素に比べ200倍も 強くヘモグロビンと結びつく。その結果、心臓病が起きやすく、十代からタバコを吸っていた人では、その何倍も心臓病で死ぬ人が多い。また酸素欠乏状態でも あるので、脳の働きが弱くなる。

3、タバコの中に含まれたニコチンによって依存症になってしまう。やめられないと禁断症状になる。ニコチンは毒性が強く短時間に吸収さ れる。初めてタバコを吸った時、フラッとしたり、気分が悪くなったりするのはニコチン急性毒性症状。コカインなどの薬物と同じ作用をもっている。

『なぜ若年者の飲酒は悪いのか』

1、十代の体はアルコールを分解する仕組みが未熟。アルコールは分解能力以上摂取すると毒なので、体が未発達なうちに全身に回る毒を与 えると、そのダメージも増加。

2、飲み始める年齢が早いほど依存症にかかりやすい。16歳でお酒を飲んでいた人は、飲酒していなかった人と比べてそのリスクが高ま る。

2、記憶をつかさどる脳の神経細胞を破壊する危険性がある。

以前TIME誌で特集されていた記事なのですが、人間の脳、特に前頭葉部分(判断力をつかさどる)はだいたい25歳くらいまで成長して いるんだそうです。つまり十代というのは身体だけでなく脳も成長真っ只中、そして20歳を過ぎてもまだしばらく脳は成長し続けていることになります。です から日本の20歳というのは私としては科学的に見ると16歳よりは理想的だなあと思います。

また人種によってアルコールの分解能力が異なるということも分かっているそうです。

アルコールは胃腸で吸収され、酸化され心臓毒性の強い物質(アセトアルデヒド)になります。お酒に強い人はこれを酵素によって分解でき るのですが、弱い人はすばやく処理できない。東洋人の約4割でこの活性が遺伝的に弱く、白人や黒人ではほとんどの人が遺伝的に強いことが知られています。

おそらくこのように先天的に欧米人のほうがアルコールに強い遺伝子を持っているので年齢の規制に差があるのも理屈に合っているのかもし れませんね(でもアメリカは21歳)。

またフランス人のよく飲むワインは健康によいと言って日本ではブームですが、ここにも少し落とし穴が。よく赤ワインのポリフェノールは 体にいいからと言いますが、実際にはワインをよく飲むフランス人よりも日本人のほうが虚血性心疾患による死亡率が低いそうです。わざわざお酒を飲まなくて も、日本の良い習慣にそっていれば十分健康でいられるんですね。それどころかフランスではワインなどアルコールの飲みすぎによる消化器系疾患による死亡率 が高いんだそうです。(参考・宮千代加藤内科医院赤 ワインのウソ)。

喫煙も飲酒も「ちょっとくらいなら」で早くから始めてしまうと大きなリスクが後についてまわってきてしまいます。わざわざ自分から体に 悪いことを始めなくてもいいのに、お金もかかるし…。でもそれがカッコいいと思わせるように広告宣伝されているんですよね。お酒はある程度(身体も脳 も)大人になってから適度に楽しむ程度が一番。タバコは何かいいことがあるのでしょうか。

今日、フランスのニュースで、十代(16歳以下)の喫煙が増加とありました。

タバコ屋:「君は何歳なんだ?16歳になってるのか?身分証明書は?」

少年:「いや、16にまだなってない。」

と言ったにもかかわらず、タバコを売っていました。またそのニュースでは、チョコレート味やバニラ味のタバコが若者をターゲットに売ら れているとも。禁煙に向かって進んでいるのに、こんなタバコが販売されるなんて、タバコを作っている人も、タバコを売っている人もあの手この手を考えるん ですね。

参考:

たばこと健康 最新た ばこ情報 中高生喫煙者のグラフ

宮千代加藤内科医院 ホームページ
:たくさんの飲酒問題について扱っておられます。他にもたくさん興味深いページがあります。

財団法人 日本禁酒同盟 ホーム ページ

フランスと日本の喫煙と飲酒の法的最低年齢です。4歳も差がありますがここからいろんなことを考えさせられます。

フランス

喫煙 16才未満の子供は学校で喫煙してはならない。16才未満の子供を受け入れている学校では喫煙禁 止。*1
飲酒 16歳
(法的喫煙最低年齢)
アルコール飲料の購入、公共の場所における飲酒は16才から認められる。*2

日本

喫煙 20歳(法的喫煙最低年齢) タバコの広告には若者女性を使ってはいけない。テレビ/ラジオなどタバコ製品の広告を止めるな ど。*1
飲酒 20歳(法的飲酒最低年齢) 20歳未満の飲酒禁止、営業者の未成年者への販売、提供禁止、未成年者の飲用目的で所持する酒類は没収等の処分*3

*1  Tobacco Control Country Profiles
The 11th World Conference on Tobacco OR Health
The American Cancer Society, INC. Atlanta, Georgia

*2  Overview of national alcohol policies in the 15 countries of the European Union
French Society of Public Health, October 1998

*3   未成年者飲酒禁止法

フランスに来て驚いたこと(数ある中の一つ)、それは十代の喫煙と飲酒。学校の休み時間に高校生が校舎から出てきて通りでタバコをプカプカ。初めて見た時 はとても驚いてしまいました。小学生くらいの男の子が通りでタバコを吸っていたこともありました(近くにいた大人が注意していましたが)。でもフランスで は喫煙に関する明確な法律が見つからないので特に法律に反したことにはなりません。

少し別のぺージと重複してしまいますが具体的なデータとしてフランスの喫煙禁煙状況について。

フランスでは、12歳以上の3人に1人、20~25歳では2人に1人が喫煙者とされています。毎年70,000人がタバコが原因と見ら れる病気や間接喫煙などで死亡しています。しかし、このような状況においても、多くの学生、政治家からの反対で禁煙制度が思うように進みませんでした。あ る政治家は「フランス人はすべてのことを禁止されるのにうんざりしている」と。

しかし現在においては公共の場での喫煙規制が始まり、フランス人の態度も変化し、フランス人の大多数がこの規制に賛成。30パーセント の男性、23パーセントの女性がいまだ毎日喫煙している(その半分が一日に10本以上の喫煙)が、毎年600,000人が禁煙しようとしています。政府は 広告や100万ユーロの予算を使ってこの数値が二倍になることを期待。(以上参考:産経新聞、The Paris Times)

日本でも昔から高校生の喫煙問題はよく聞きますが、最近はさらに低年齢化しているようですね。そして喫煙もそうですが、飲酒のニュース も多いような。昼間から堂々と公園で中学生がお酒を飲んでいたとか、それどころか通行人が子どものためにお酒を買ってもってきたりとか…。私も以前高 校生に「今日はちょっと二日酔いなんであんまり勉強に集中できない」などと言われたことがあります。同じ問題でも昔と違う点はなんだか堂々となってきてい るような。

『なぜ若年者のタバコは悪いのか』

1、タバコの中(タール)にある発癌物質は大人より子どもの場合のほうが癌を発生させやすいから。100種類以上の発癌物質を含んでい ます。未成年者の喫煙はリスクが高まり、30歳以上で吸い始めた人の約4倍強で、さらには吸わない人の6倍近い肺がんでの死亡率が高まる。

2、タバコを吸うと一酸化炭素(CO)が赤血球のヘモグロビンと結びつき体に酸素を送る能力を低下させる。COは酸素に比べ200倍も 強くヘモグロビンと結びつく。その結果、心臓病が起きやすく、十代からタバコを吸っていた人では、その何倍も心臓病で死ぬ人が多い。また酸素欠乏状態でも あるので、脳の働きが弱くなる。

3、タバコの中に含まれたニコチンによって依存症になってしまう。やめられないと禁断症状になる。ニコチンは毒性が強く短時間に吸収さ れる。初めてタバコを吸った時、フラッとしたり、気分が悪くなったりするのはニコチン急性毒性症状。コカインなどの薬物と同じ作用をもっている。

『なぜ若年者の飲酒は悪いのか』

1、十代の体はアルコールを分解する仕組みが未熟。アルコールは分解能力以上摂取すると毒なので、体が未発達なうちに全身に回る毒を与 えると、そのダメージも増加。

2、飲み始める年齢が早いほど依存症にかかりやすい。16歳でお酒を飲んでいた人は、飲酒していなかった人と比べてそのリスクが高ま る。

2、記憶をつかさどる脳の神経細胞を破壊する危険性がある。

以前TIME誌で特集されていた記事なのですが、人間の脳、特に前頭葉部分(判断力をつかさどる)はだいたい25歳くらいまで成長して いるんだそうです。つまり十代というのは身体だけでなく脳も成長真っ只中、そして20歳を過ぎてもまだしばらく脳は成長し続けていることになります。です から日本の20歳というのは私としては科学的に見ると16歳よりは理想的だなあと思います。

また人種によってアルコールの分解能力が異なるということも分かっているそうです。

アルコールは胃腸で吸収され、酸化され心臓毒性の強い物質(アセトアルデヒド)になります。お酒に強い人はこれを酵素によって分解でき るのですが、弱い人はすばやく処理できない。東洋人の約4割でこの活性が遺伝的に弱く、白人や黒人ではほとんどの人が遺伝的に強いことが知られています。

おそらくこのように先天的に欧米人のほうがアルコールに強い遺伝子を持っているので年齢の規制に差があるのも理屈に合っているのかもし れませんね(でもアメリカは21歳)。

またフランス人のよく飲むワインは健康によいと言って日本ではブームですが、ここにも少し落とし穴が。よく赤ワインのポリフェノールは 体にいいからと言いますが、実際にはワインをよく飲むフランス人よりも日本人のほうが虚血性心疾患による死亡率が低いそうです。わざわざお酒を飲まなくて も、日本の良い習慣にそっていれば十分健康でいられるんですね。それどころかフランスではワインなどアルコールの飲みすぎによる消化器系疾患による死亡率 が高いんだそうです。(参考・宮千代加藤内科医院赤 ワインのウソ)。

喫煙も飲酒も「ちょっとくらいなら」で早くから始めてしまうと大きなリスクが後についてまわってきてしまいます。わざわざ自分から体に 悪いことを始めなくてもいいのに、お金もかかるし…。でもそれがカッコいいと思わせるように広告宣伝されているんですよね。お酒はある程度(身体も脳 も)大人になってから適度に楽しむ程度が一番。タバコは何かいいことがあるのでしょうか。

今日、フランスのニュースで、十代(16歳以下)の喫煙が増加とありました。

タバコ屋:「君は何歳なんだ?16歳になってるのか?身分証明書は?」

少年:「いや、16にまだなってない。」

と言ったにもかかわらず、タバコを売っていました。またそのニュースでは、チョコレート味やバニラ味のタバコが若者をターゲットに売ら れているとも。禁煙に向かって進んでいるのに、こんなタバコが販売されるなんて、タバコを作っている人も、タバコを売っている人もあの手この手を考えるん ですね。

参考:

たばこと健康 最新たばこ情報 中高生喫煙者のグラフ

宮千代加藤内科医院 ホームページ
:たくさんの飲酒問題について扱っておられます。他にもたくさん興味深いページがあります。

財団法人 日本禁酒同盟 ホームページ

ヴァレンタインデー

ヴァレンタインデーの歴史

3世紀のローマ時代、皇帝Claudius(クローディアス)は、強力な軍隊をつくるため、多くの男性が入隊してくることを期待してい ました。しかしその思いとは逆に、男たちは戦争で戦うことを拒み、また彼らの妻や家族を後に残したくないと願っていました。そこで皇帝は、もし男たちが結婚をしなければ、家族のことを心配する必要がなくなり軍隊に参加するであろうと考えました。そして全ての結婚を禁じてしまいました。

しかし、当時、ローマで司祭をしていたValentine(ヴァレンタイン)は、この新しい法律に反対で、それ以降も多くのカップルを 教会で結婚させていました。

ある日のこと、結婚式を行っている最中、ヴァレンタインは軍隊に見つかり捕らえられてしまいます。彼は牢獄に入れられ、死刑を宣告されます。

そんな中、思ってもみないことが起こりました。多くの人々がヴァレンタインを励ますためにこの牢獄を訪れたのです。人々は花や励ましのメッセージを窓に向かってなげ、彼らが、ヴァレンタインのように愛を信じているということを伝えたのです。

その訪問者の中の一人に、ある少女がいました。彼女は牢獄看守の娘で、ヴァレンタインのいる部屋まで行くことを許されていました。彼女 はヴァレンタインを励まし、またヴァレンタインが皇帝を無視し結婚行事をとり進めたことを正しいことだったと賛成してくれました。そして死刑が実行される その日に、ヴァレンタインはその少女に感謝のメッセージを残しました。そして、そこには、”Love from your Valentine” とサインがしてあったのです。

これがヴァレンタインの日に愛の告白をするようになった習慣の始まりだったのです。このメッセージは、紀元前269年2月4日に書かれ ています。

priest valentine
司祭ヴァレンタイン

church
ヴァレンタイン教会

日本のヴァレンタインデー

昭和11年頃、戦前にモロゾフというお菓子屋さんが最初に日本でヴァレンタインデーの広告を出したそうです。しかし、その後戦争をむかえ、その定着にはいたりませんでした。

昭和30年には、デパートで、単に恋人が贈り物をする日として宣伝を開始しましたが、それでもまだに日本の習慣にまではなりませんでした。そして、昭和33年になり、あるチョコレート会社の営業主任がヨーロッパの知人からヴァレンタインの話を聞き,新宿伊勢丹でキャン ペーンを試みました。しかし、これも最初の年はたったチョコレート5個、170円分の売り上げにしかならなかったそうです。

結局、このヴァレンタインデー という習慣が日本に定着するのは、昭和50年まで待たなけらばなりませんでした。そして現在義理チョコから本命チョコまで、なんと8割の女性が3人以上の男性にチョコレートを贈っているそうです。そして20代独身女性の6割が、6人以上に贈り、全世代では平均4~5人に贈っている計算になるそうです。

heartshaped choco

フランスのヴァレンタインデー

一方フランスでは、どちらかというと日本の逆で、男性が女性に花やメッセージカードなどの贈り物をするそうです。また、その代表的な花 といえば、バラが一番好まれるようです。また、最近では、携帯でヴァレンタインデーのメッ セージや写真を送るサービスなどが新しくその文化に取り込まれています。一枚の紙切れがここまで進歩したなんて、きっとヴァレンタインもビックリしていることでしょう。

そして、ヴァレンタインデーの日には、カップルはデートをして、男性が雰囲気のいいレストランに女性を招待するというのが一般的だそうで す。ですから、日本とは男女の立場が全く異なります。こちらの人にはまず、日本ではどうして女性が贈り物をするのかが不思議に感じられるそうです。そし て、日本のように告白の日というよりは、カップルの日であり、本命や、義理チョコという存在が不思議に感じられるのも当然です。もちろんフランスにも、日本人と同じようにこの日を告白の日として利用する人もいるそうですが、なぜチョコレートが必要なのかということも不思議でしょうね。

roses

クレープの日

Chandeleur(シャンドゥルール)

2月といえば、世界中でヴァレンタインという言葉が飛び交うことでしょう。フランスでも例外ではありません。しかし、ここではもう一つユニークなイベントをご紹介します。2月2日に行われるChandeleurという日をご存知でしょうか。この言葉はChandelle(シャンデル)、 英語で言うcandle(キャンドル)からきています。もともと光を祝う行事で、それを通して繁栄や豊作などを祈る慣わしがあるそうです。

この習慣の起源はローマ時代にあり、当時は2月15日頃、ちょうど鳥たちの繁殖期にあたる季節にちなんで、繁栄を祝ったそうです。このお祝いをLupercalia(ルペルカリア)と言います。

さらに、ケルト人は冬の寒い暗黒の世界を恐れ2月1日に清めた水で繁栄豊作を祈りました。

また、カトリックの世界ではこんなお話があります。12月25日にイエスが誕生してから40日後にあたる2月2日に、聖母マリアは教会 にてお清めを受けます。これはユダヤ教における慣わしで、この日を大いに祝ったそうです。

さて、ローマ時代が終わり、教皇はそれまで祝っていたLupercaliaの祭りをさらに神聖なものにし、キリスト教の繁栄を図りまし た。民衆とともに祝えるイベントを作るため、聖母マリアの話でよく知られていた2月2日に祝うようになり、そこで人々はこの日、松明(光)をかかげて教会 に集まってきたということです。そしてその松明がキャンドルに代わり教会の中におかれ始めました。またそのキャンドルの光は死や悪魔をはねつける力があると信じられるようになり、シンボルとして使われるようになります。人々はそれをうちに持ち帰り魔よけとしても使ったそうです。

現在では、どこの教会でもキャンドルを目にしますが、キリストは世界の光、太陽のような存在であると信仰されているからだそうです。

そこでクレープの話につながります。なぜこの日がクレープの日なのか、そこにはさまざまな説があります。まず最初に春を待ち望むケルト人が太陽の形をしたクレープを祭りに使ったという説。次に、教皇がローマにやってきたピルグリムにクレープを食べさせてあげたという説。さらには、ブル ターニュ地方でこの時期に、ちょうど余った穀物を処分するためクレープを作るようになったとか。

crepe .crepe

また面白い迷信があり、この日クレープを焼くとき、左手にコインを握り、右手で高くクレープを放り投げうまくフライパンで受け止められれば幸運が訪れるということです。

cooking crep .

こぼれ話

かの有名なナポレオンは、このクレープ占いにはまっていたらしい。そ して、1812 年2月2日、このクレープ占いに挑戦し、5枚目に失敗してしまったそうだ。その年、彼はモスクワ遠征に失敗し、退却する際「余の5枚目のクレープだ」と呟 いたそうである。(Wikipediaより)

フランスのエイプリルフール

swimmingfish

フランス語でエイプリールフールは、ポワッソンダヴリール(Poisson d’avril)といいます。ポワッソン(poisson )とは「魚」という意味で、アヴリル(avril)とは「4月」という意味です。ですから「4月の魚」と訳されます。この日(4月1日)には子供たちは紙に魚の絵をかき、その絵を切り取ったものを人の背中にこっそりと貼り付けます。そしてその人がその絵にきずくとみんなで笑ってからかいます。

この起源は明らかにはされていませんが、いくつかの仮説があります。

まず一つ目は新年に関する話から。1564年以前フランスでは5月24日あるいは4月1日日に新年を祝っていました。人々はこの日には贈り物をしたりしてすごしてきました。しかしながら当時のフランス王シャルル9世は新年を1月1日することを法律で決めると、人々は今までなれ親しんでき た習慣が変わってしまってどうしていいかわからなくなってしまいました。そこでその古い習慣を残すため4月1日にも何かギフトを渡し続けようという考えが 生まれてきたのではないかという案です。

二つ目は、魚そのものに関することから。この4月の時期というのは魚の産卵期になり魚を取ることが禁止されていたそうです。それをジョー クにして人々は取れないはずの魚を絵に描いてこの習慣が始まったのではないかという仮定。

三つ目は、この時期に見られる月の位置がうお座になることからきているという説。

そして最後に、キリスト教ではこの時期が断食の期間に当たって、人々は魚くらいしか食べられなかったことから、魚を送りあうことがいい ことだと考えられていたそうです。

このような習慣はヨーロッパの国々において呼び名は異なっていても存在しています。いずれにせよこの日にはジョークを言って人をから かってもOKという習慣は世界中に伝わっていそうです。

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