年が明けてもう2週間も経ってしまいましたが、あけましておめでとうございます。この冬は南仏と日本を駆け回っていたため移動でかなり大変でした。 クリスマスのマルセイユはまずまずのお天気で、庭で少し日光浴。日本(日本海側)は雪、そして戻ってきた1月のパリは氷点下で道が凍っていました。
雪の中を駆け抜けるマルセイエ
その日採ってきた牡蠣で、牡蠣鍋。
そして日本海といえばカニ。
年が明けてもう2週間も経ってしまいましたが、あけましておめでとうございます。この冬は南仏と日本を駆け回っていたため移動でかなり大変でした。 クリスマスのマルセイユはまずまずのお天気で、庭で少し日光浴。日本(日本海側)は雪、そして戻ってきた1月のパリは氷点下で道が凍っていました。
雪の中を駆け抜けるマルセイエ
その日採ってきた牡蠣で、牡蠣鍋。
そして日本海といえばカニ。
フランスに来て困ったことの一つに水の違いがありました。硬度の高いフランスの水だと髪がバサバサになったり、また乾燥していることもあってか肌荒 れなどにも悩まされました。いろんなシャンプーを試し、いろんなクリームを試し・・・今はこちらの環境になれましたが。
料理の際には、水道水を使ってお湯を沸かすと白い枠が鍋の周りにできます。それくらい硬度の高いお水が水道から出てくるということは、 定期的に台所の水周りのお手入れをしなくてはいけません。蛇口は放っておくとカルシウムで詰まってしまいますし、シンクの周りも白くなってきます。
また水を使うといえばお洗濯。こちらも何も対策をしないとホースなどがカルシウムで駄目になってしまうそうです。
そこでフランスの家庭ではこんな商品を使っています。
キッチンのカルシウム除去に使うAntikal(アンチカル)!
洗濯用のCalgon(カルゴン)!
最初はその名前に笑ってしまいましたが、なくてはならない必需品です。Antikalは 白くなった台所に液体を流ししばらく待ちます。すっぱい匂いが台所に充満します。そしてCalgonは洗濯時に洗剤と一緒に洗濯機に入れます。
市販されているメジャーなミネラルウォーターの硬度を見てみてもいかにフランスの水が硬水かがよく分かります。
フランスと日本のミネラルウォーター 硬度比較
(*硬度 は、水に微量含まれるカルシウム(Ca) 塩やマグネシウム(Mg) 塩の濃度を ある方法で表現したもの)
商品名 | 硬度 |
サントリー南アルプス天然水 | 30 |
ヴォルヴィック | 62 |
ハウス六甲のおいしい水 | 84 |
エヴィアン | 304 |
ヴィッテル | 307 |
バドワ | 824 |
コントレックス | 1551 |
もちろん、フランスの水道水はきちんと処理がされているので飲めます。しかしあのカルシウムを見てしまうと・・・。それから建物の中を 通る水道管の衛生によっては水質もちょっと気になってしまいます。
フランスの水道水に関する記事を見つけたので少しご紹介します。
《水道水のバクテリア》
新世代の分析方法を利用して行われた水質調査でパリ地域の水道水の中に複数のバクテリアが存在することが確認された。このことにより殺 菌された水道水という我々の誤った考えが崩された。つまり塩素で全ての微生物が取り除かれていると思っていたにもかかわらずそれが否定されてしまったので ある。「もし同じ調査をミネラルウォーターで行ったとしても、もちろんバクテリアが発見されるだろう」と専門家は述べる。フランス全土の水道水の中にバク テリアは潜んでいる。
実験で分析された水はOrly、 Ivry-sur-Seine、 Joinville-le-Pontで採取されたもの。これら3つのゾーンはセーヌ川とマルヌ川から供給されている。「我々は以前は知らなかったような3 つの大きなバクテリアのグループをこの調査で発見した」と研究者は語る。
ただこの調査ではまだそれらのバクテリアが生きているのか死んでいるのかは確認ができない。まだまだ研究の途中である。
「パリ地域の水は安全である。充分な塩素で、微生物追跡調査も充分である」とさらに研究者は主張する。しかし、それでも、水道水という のはエコシステムの一部である。バクテリアというのはこの地球上に昔から存在しており、栄養分が少ないとはいえ水道水を利用して生きていけるのだ。「大きな栄養分はないが、水道管の中で炭素の粒子が分解されればそれで充分。バクテリアはそれを栄養分とし広がっていく」。
水道水は殺菌処理を工場でなされたあと、何キロにも及ぶパイプを通って行く。このパイプ網が全て生態学的に均質であると想像してはなら ない。あるパイプの一部が老朽しているだけでバクテリアたちはそこに住み着くことができる。パリで多くの人たちが経験しているように、あるレストランでは水道水が泥の味をしている場合がある。これはカラフ(水を入れるガラス瓶)がいつも清潔に保たれていないだけでなく、建物のパイプにも問題がある。「たい てい悪臭を引き起こすのはバクテリアである」と研究者は説明する。水道の水からいつかこういった微生物を取り除こうと思うのはむなしいだけである。
(以上 フィガロより訳/要約 aki)
ワインをあまり飲まない私たちは、レストランに行くとだいたいが carafe d’eau(カラフドー)と言って水道水を頼むのですが、確かにお店によっては変なにおいのする水が出てきたことがあります。健康に害はないんだろうけれど、 ちょっと気になってしまう(そういう時はミネラルウォーターで)。また家でも、やっぱり建物の中のパイプのことやカルシウムのことを考えるとダイレクトに 水道水をお料理に使うのには抵抗があります。よく流しの底が赤褐色になることがあるので、建物の水質を見てもらったところFe(鉄分)が多く含まれているとのこと。住んでいる建物は古いというわけではありませんし、どちらかというと周りの建物よりも良好な状態。でも使われているパイプなどによって成分が 変わってくるそうです。カルシウムも鉄分も日本人には不足しているからいいじゃないかと思うものの・・・。
そういった背景があるため、フランスではいろんな種類のミネラルウォーターが売られており消費量も多いのでは。でも いつもミネラルウォターばかりだと経済的にも環境的にも良くないですね(そこでうちではブリタの浄水器を使っています)。
しかし逆にマルセイユの両親の家では水道水を抵抗なく飲んでいます。水源が違うのとパイプの状態もよいのか飲みやすい。
下の図は、フランスの各都市における表層を流れる水の水質を表しています。
Qualite des cours d’eau vis-a-vis des pesticides dans les reseaux de connaisance generale et les reseaux phytosanitaires en 2006
2006年度における殺虫剤にに対する水流の質と植物衛生網
丸いマークはSEQの質 : SEQ=eau qualité globale eaux superficielles 表層を流れる水の水質
三角のマークは植物衛生網
青色‐とても良い/緑‐良い/黄‐平均/オレンジ‐平均より劣る/赤‐悪い
Source: Agences de l’eau - Conseils generaux – Diren -Draf,SRPV ‐ Traitement SOeS (SEQ-eau qualité globale eaux superficielles)
やはり都市やその周辺は質が劣り、地方は良好ですね。アルプスの水は本当に冷たくておいしい。
次の図はフランスの水質を表しています。100%とある地域(白)はそこで生産された水の100%が水質検査に通って供給されていま す。グリーンの濃い部分は70~80%。
Source: La qualite de l’eau potable en France - Aspects sanitaires et reglementaires
さらにこちらはお水の価格。2004年度の各県の水の平均価格です(単位:ユーロ/1立方)。人口の大きさにも関係してくると思うのですが、マルセイユは結構お水が高いんですね。
Source:Ifen-Scees,Enquete Eau 2004
そしてこちらは水の硬度を示しています。軟水(緑)~硬水(赤)。
Source: l’IFEN
地域によって硬度はさまざまです。一概にフランスの水=硬水とは言えませんね。また地域によってもそうですが、パリなどではその建物によっても味が変わってくるのはとても興味深いというか、考えさせられます。先ほど、マルセイユでは気にせず水道水が飲めると書きましたが、グラフを見ると水質、硬度の点から見てそのことがよく表れているように思います。
それにしても、普段からチーズなど乳製品をたくさん食べているにもかかわらずものすごい硬度のミネラルウォーターを飲むフランス人。私にはあのドロッとしたような重い水はどうしても飲めません。すっきりさっぱり日本のミネラルウォーターが一番。そして日本人なので魚からカルシウムを取る のが一番!
そしてたくさんのカルシウムを摂るフランス人たちは、サラダなどにビネガーをよく使います。うそか本当かは分かりませんが、それが体内 のカルシウムを分解してくれるのだとか・・・。
今年120歳となるエッフェル塔。パリに来て初めて見たときの感動は薄れてきましたが、昨日はちょっと違ったエッフェル塔を見ることができました。 120周年記念イベントととして年末まで毎晩4回にわたり光のショーをやっています。30分前にシャイヨ宮に着き、エッフェル塔正面のスペースを確保。昨 日は少しもやがかかっていてエッフェル塔の光がぼんやり。でも、それはそれでとてもきれいでした。
あと5分、あと2分、寒さに耐えながらその時間を待ちます。気づくと自分の後ろには、数え切れないほどの人たちが。。。いつも以上の人 数です。観光客だけでなく、フランス人もたくさんこのショーを見に来ていました。
いろんな色に変化するエッフェル塔。10分ほどのショーですが結構楽しめました。帰りはかなり電車が込みそうなので気をつけてくださ い。私はバスで人とは違う方向へ。。。
(注・エッフェル塔の正面からしかこのショーは見れません)
確か中学校の英語のテキストだったと思いますが、英語のbreakfast(朝食)の由来は break(破る)+ fast(断食)、つまり「断食を破り最初に口にする食事が朝食」だと知りました。多分昔の人の一日というのは日が昇って暮れるまでで、夜には食事を取ら ない、つまりそれを断食と考えて夜が明けた後の最初の食事が朝食となったのでしょうか。
英語で三食をあらわすと次のようになりますね:
breakfast 朝食
lunch 昼食
dinner 夕食
そして実はもう一つ、
supper (サッパー)軽い夕食 という語が存在します。
簡単に考えると、豪華な夕飯、晩餐といえばdinnerで、それとは対照的に「軽い」夕飯がsupperだ と覚えておけばいいでしょうか。しかし辞書でさらに調べてみると、dinnerには「正餐」という意味がついてます。 「正餐」とは正式の献立による料理で、西洋料理では一日の主な食事とて意義付けられています。つまり、一日の中で一番メインの食事がdinnerで あり、それが必ずしも夕方に食べるものとは限らないということです。
すると、昼食にdinnerが来るとその夕飯はsupperも しくは文化によってはteaと呼ばれ、夕方にdinnerをとればその日の昼食はlunchと 呼ばれることになります。dinnerが昼食になったり夕食になったり、なんだかややこしいですね。でも通例はdinnerは 「夕飯」で通っていますから、あまり深く考えないように。
dinnerの派生語dine(ダイン)は「夕飯を食べる」で はなく「正餐を食べる」という意味になっています。
*ちなみに、最近よく耳にするbrunch(ブランチ)は、 breakfast(朝食)+ lunch(昼食)からなった造語ですね。
英語の説明が長くなってしまいました。ここからフランス語を見ていきましょう。フランス語で三食を表すと、
petit-dejeuner (プティ デジュネ) 朝食
dejeuner (デジュネ) 昼食
diner (ディネ) 夕食
souper (スペ) 軽い夕食
では、まずdejeunerから。この言葉は、de+jeunerから成り立っています。deは「分離・除去・否定・反対」などの意味を持つ接頭語で、jeunerはなんと「断食する」 という意味を指しています。つまり英語のbreakfast「断食を破って最初に口にする食事である」という考えと全く同じですね。では、なぜフランス語のdejeuner「断食を破って最初に口にする食事」は昼食なのでしょうか?
その答えを先日辞書を読んでいて発見しました(辞書を読むのが趣味なもので、よくマニアックと呼ばれます)。そこには、dejeunerと はやはり元来「朝食」という意味をもっていたとありました。dejeunerが朝食、dinerが 昼食(むしろ正餐と考えたほうがいいでしょう=一日で一番重い食事)、そしてsouperが夕食(soupeスープから来ている単語で、スープくらいの軽い食事)というふうに人の生活は流れていたようです。
しかし、その生活スタイルが変化し、dinerつまり正餐が昼から夕方に移ってしまいます。する と、dejeunerが昼食、dinerが夕食、souperは観劇などの後でとる夜食という意味に変わってしまい、朝食を表す語がなくなってしまいました。そこで、dejeunerにpetitを 付け加えてpetit-dejeuner朝食という言葉が生み出されたということです。おもしろいですね。
ちなみにdejeunerを動詞として使うと、「昼食をとる」と「朝食をとる」という2つの意味を 抱えています。もちろんpetit-dejeunerでも「朝食をとる」という意味を持っていますが、こちらは話し言 葉となっていました。
時代によって、文化によって、生活様式が変化し、単語にも影響が見られるおもしろい例ですね。でもこのように考えると日本語が一番シン プルでいいですね。朝昼晩。時間帯を中心に考えるのが一番分かりやすい。
***アクサン記号は省略してあります***
フランスといえば、通りに並んだカフェ。ここでエスプレッソを飲みながら時間をつぶす。
だいたい、こちらでは「un cafe エン カフェ」といえば、小さなカップに入った強いコーヒー=エスプレッソが出てくるのですが、初めて頼んだときは、こんな小さいカップで飲むのー?な んだか損した気分だなあと(田舎ものの私)。そして飲んだ瞬間、その強さにビックリ。
アメリカに住んでいたときは、逆に大きなカップで出され、「え、こんなの飲みきれない」と思ったことも。さらにお代わりは自由。これが アメリカンコーヒー。
フランスのカフェ=エスプレッソに慣れてしまうと、薄いコーヒーは物足りなく感じられてしまいます。
そして、フランス人はそんな薄いコーヒーを、jus de chaussette ジュ ドゥ ショセット 靴下の汁 と呼んでいるのです。つまり、靴下を絞ってでてきた汁のようなコーヒー。想像しただけで飲む気が失せてしまいますが、それだけマズイということです。誰がこんな表現を考えたんでしょうか。。。
でも、私は夏に飲む日本のアイスコーヒーが大好きです。