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ビニール

ある日、電車に乗っていたときのこと。目の前にある広告をボ-ッと眺めていたらふと「どういう意味?」と思ったことがありました。

それは、中古品を扱うお店の広告。何でも買い取りますよというような内容。

Tous vos livres

BD, DVD, CD, Video, Vinyle ….

最初の「どんな本でも」まで読んで、次のBDは??? で、DVD、CD、Video、次のVinyle「ビニール」って?

BD=Bande dessinee (バンドゥ デッシネ)は漫画のことでした。バンドというと「テープ/帯/包帯」といった意味を持っており、こま割りになっている漫画のことを言っているみたいですね。

そして

Vinyle(ビニール)がどうしても想像つかない。そこで主人に聞いてみました。するとそれは「レコード」のことでした。確かにビニール。レコードをビニールと見る考え方が少し新鮮に感じてしまいました。

日本人はスーパーでもらえる袋を「ビニール袋」と言ますが、英語では plastic bag (プラスチックバッグ)と言います。よく直訳してしまってvinyl bag (ヴィニル バッグ)と言ってしまうと おかしくなってしまいます。フランス語も同様 sac en plastique (サッカン プラスティック)と呼び、やはりプラスチック。たぶん日本語でプラスチックと言うと硬いものを想像してしまうんですよね。

フランスの落書き問題

フランスにいて残念だなあと思うことの一つに落書きがあります。

歴史のある古い建物がたくさん並び観光客を魅了しているにもかかわらず、町の中に一歩踏み込むとそこにはひどい落書きが。それもものすごい場所にあるんです。

私が今まで目撃した例を挙げると、

郵便ポストや建物の壁は当たり前、お店のシャッター、トラックやワゴン車、教会の壁、高速の道路標識(内容が読めないくらい)、高速道 路のガードレール、歩道橋の側面、植物の葉なんかにまでスプレーで落書きがしてありました。TGVに乗ってマルセイユへ向かう途中などは、周りに何もないようなところに落書きがしてあったりして、よくこんな所までわざわざやって来たものだなあと逆に感心してしまったり。

自分のうちの壁に落書きされた人はたまらないだろうなあ。

そして、かなりイメージが下がってしまうだろうなあと思われる落書き場所が地下鉄です。

地下鉄内にある大きなポスターにはもちろん、壁にまで直接スプレーがかかっていることがあります。新しく改装された地下鉄駅が次の日には真っ黒にスプレーされてしまっていた時にはかなりショックでした(9番線のRanelagh駅)。真っ白できれいになったと思ったら、次の日には真っ黒で駅構内が異様な雰囲気。お客さんたちも唖然としていたのを覚えています(駅員さん達もショックだったのでしょう、翌日にはすぐ塗り直されていました)。

駅のホームだけではありません。電車そのものの落書きもひどいです。シートにも、ドアにも、ガラスには傷を入れて落書きが。そして最近 は電車の側面の大々的な落書きが目立ちます。かなりショッキングなので、待っている人たちも目が点になっていたりします。観光客の人にもイメージが悪そうな気がしますし。

そこで、パリメトロの落書きについてのある記事を見つけました。

3人の男性(19~22歳)が公共物破損の容疑で取り調べにかけられたそうです。その男性達とは、昼間はウェイター、営業サラリーマン などをしていて、夜になると≪Jonks ≫、≪Sokle≫、≪ Skyz≫という名前を使って地下鉄や車両に落書きをしていたといいます。記事によるとまた、彼らは2005年の2月から2007年の12月の間にRATPとSNCFの組織網において243のスプレーの落書きをしたという(180 000ユーロの損害に当たる)。


(フリーマガジン20Minutesより)

こういった落書きの犯人というのは若い人だけではなく、50代などの年配の人も多いんだそうです。こういった人たちにとって落書きは一 種のチャレンジで、人が近づけないようなところに落書きをするということで自分に挑戦するんだそうです(だからありえないような所に落書きがあるんです ね)。ある市の公務員の方の話によると、その市では年々落書きの数が増え対応に困っており、その相手が自分と同じ位の歳であることにまたあきれてしまうと いうことです。

物を大事にしましょう。

一人三役

外国語の単語を覚えるのは本当に発見や驚きがあって楽しいものです。気づくと一日中辞書を読んでいたりと…(覚えているかどうかは別ですが)。

そしてある日、フランス語を勉強中にこんな文章を発見。警察とマダムのやり取りです。マダムの旦那が泥棒に襲われ、警察に説明しています。

Le policier: On ne lui a rien vole? 「何か盗まれたものは?」
Mdame L: Si, sa serviette. 「はい、彼のセルヴィエットゥで す。」
Le policier: Et, que contenait cette serviette?  「そのセルヴィエットゥの中には何が入っていましたか?」

servietteは、普段の生活でよく使う単語で、「ナプキン」 という意味があります。レストランやカフェなどで “Serviette, s’il vous plait”. とよく耳にしますね。

あるいはまた、「タオル」 という意味も持ち、バスタオルはserviette de bain (セルヴィエットゥ ドゥ バン)と言います。

なんとなく2つの共通点として薄い布で何かをふき取るようなものというイメージがあります。初めて知った時は、この2つを同じ単語でま とめてしまうのには抵抗がありましたが。

さて、本文に戻ってこのマダムの言う旦那のセルヴィエットゥって???

意味を見ると、そこには「書類かばん」とありました。文章から多分そんなものではないかと予測はつ いていましたが、この意外な意味にちょっとビックリ。どうやってイメージをつなげようか。

briefcase

そこでservietteという単語の原点に戻ってみることに。この単語はservir「~ に食事を出す」「(客)に対応する」「~に仕える」あるいは「~に役に立つ」から来ています。日本語でもサービスということばを使いますよね。そう、もともとは「何かに仕えたり役立ったりする」という意味なのです。

servietteは食事時や手を洗った際に役立ち、また書類などを整理して持ち運ぶという際にも役立っているのでしょう。

一人三役の単語は本当に役に立つ単語でした。

*アクサンは省略してあります。

短時間

「ちょっと待って」と日本語でいう「ちょっと」は,

英語では Just a moment.  / Just a second.

フランス語では Une seconde.  / Une minute.  / Cinq minutes.  / Quelques minutes.

Cinq minutes(5分)までかかったら「ちょっと」じゃないんじゃないかと思うのですが、フランス語ではこう表現するそうです。そしてこのフランス語の minute(時間単位の分)という単語の使い方がとてもおもしろい。

clock

このminute自体で「短時間」というニュアンスを持っており、

例えば
entrecote minute アントゥルコットゥ ミニュットゥ = ミニッツステーキ
cocotte minute ココットゥ ミニュットゥ = 圧力鍋

≪Cle-minute≫ クレ ミニュットゥ というサインは ≪合鍵すぐ作ります≫
≪Talon-minute≫ タロン ミニュットゥ ≪靴すぐに修理します≫
*cle 鍵、 talon 靴のかかと部分/ヒール

Je pars a la minute. 「私はすぐ出発す る」
Je suis a la minute.  「私は急いでいる」

そして、よくアパートや建物の中にある自動消灯スイッチ。人が通ったあと数分後に自動的に消えるあの電気。あれをフランス語で minuterie(ミニュトゥリ)とい言います。

*アクサン記号は省略してあります。

ドアが開かない

フランスではよく古い建物などでドアが開きにくかったり、ドアコードが定期的に変わるので、それを知らずに中に入れなかったり、いろんな問題が起こります。そんな時に「ドアが開かなかったんです」とフランス語で説明するのに、

ドアが開かなかった(日)=The door didn’t open.(英)=La porte n’a pas ouvert. (仏)と頭の中でひらめくのですが、それが間違っていたことを主人に指摘されました。 *la porte=ドア、ouvrir =開く

ouvrirは「開く」という意味ですが、「ドアが開く」という出来事を表すのではなく、「このド アは開きにくい」というようにその性質を表す際に使われます。

Cette porte ouvre mal. 「このドアは開きにくい」

door  dog

では、「ドアが開く」とか「ドアが開いた」といった出来事を説明するにはどうするかというと s’ouvrir を使います。

La porte s’ouvre. 「ドアが開く」
La porte ne s’ouvre pas. 「ドアが開かない」

La porte s’est ouverte. 「ドアが開いた」
La porte ne s’est pas ouverte. 「ドアが開かなかった」

ちょっと私には厄介な単語です。

英語だったら
The door doesn’t open.
The door doesn’t open easily.
両方使えるのに…

こういった微妙なルールの違いが難しいんですよね。