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指をかむ

メトロで素敵な男性を見かけたあるフランス人女性が、その男性宛てに出したメッセージです。ある雑誌に紹介されていたのをみつけ、かわいかったのでご紹介します。

あなたと私はブローニュ行きメトロ10番線で
隣同士で5分ほど電車を待っていました。
それぞれ黒いスーツケースを持って。
私はブロンドで小柄、めがねをかけていて、
あなたに顔を向けていました。
あなたがとても魅力的だったので
目線が離せなかったわ。
でも、あなたに話しかける勇気がなくて
セーヴル・バビロン駅で降りたときに

je m’en mords les doigts jusqu’au coude.

セーヴル・バビロンで降りたときにどうしたんでしょう?

mordre 「かむ」
doigts 「指」
coude 「ひじ」 そして、jusqu’au coude 「ひじまで」

love

セーヴル・バビロンで降りたとき、「私はひじまで指をかんだ!?」
日本語にも「指をくわえて…」なんていう表現がありますが、この女性はひじまで達するほど手をかんでしまった、それくらい悔しい思いをしたといことですね。ひじまでなんて付け加えて、その後悔がものすごく伝わってくるような気がします。本当に素敵な人だったのでしょう。このメッセージをこの男性が見つ けてくれる確率はどのくらいあるんでしょうか。と、同時にいつも利用しているメトロ10番線でこんな物語が起こっているなんて、いつもボーっとしている私には気がつきません!
se mordre les doigts de … 「~を後悔する」

小指の直感

あるメトロの駅で広告ポスターをボーッと眺めていたら、おもしろい表現を発見。早く家に帰って辞書を調べたいという気持ちになりました。

それは、

Mon petit doigt me l’a dit.

私の小指が言った…..

なんで小指がしゃべるんだ??? そして辞書を開いて見たところ、そこには「(隠し事をする子どもに対して)ちゃんと知っているよ」と か「第六感ですよ」とありました。

なるほど、あのポスターの男性は、「ちゃんと分かってるんだぞ/小指が教えてくれたんだ」と言ってたんですね。すっきり。

英語では、

A little bird told me that. 「小鳥が教えてくれたんだ」と言うん だけどと、主人に聞いてみたらフランス語にもあるよと教えてくれました。

Un petit oiseau me l’a dit. でも言えるそうです。

鳥でもう一つ、かわいい表現、

Le petit oiseau va sortir! 「鳥が飛び出しますよ」というイメージ から「はい写真撮りますよー、こっち向いて!」となります。おもしろいですね。こういう表現は想像しやすくて覚えやすい。

一週間後

一週間は7日。今日が月曜日で「一週間後に会おうね」と言うと、その日は数に入れず火曜日から1として、次の月曜日が一週間の7日目になります。ですから一週間後は私たち日本人の感覚からいくと7日後に当たりますよね。

しかしフランス語では「一週間後に会おうね」と言ったその日も含めて数えてしまうのです。すると一週間後というのは8日目になります。

eight

Il arrivera dans huit jours. 「彼は一週間後につくでしょう。」

tous les huit jours 「毎週」

jedi en huit 「来週 の木曜日」

私は数字が弱いので、なかなかフランス語の感覚に慣れることができません。発言する前に頭の中で計算してしまったり。フランス語は数え方などが独特なんですよね。脳の体操と思ってがんばります。

***追加情報***

その後の調べによると、フランス語でdans huit joursは日本語でいう「一週間後」ではなく「8日後」、つまり数え始めの当日を含めずに考えるという傾向 が現在みられるということです。うちの主人に質問したところ、それは8日後だと。またdans huit joursと表記のあるフランス語のサイトを見たところ、やはり全て8日後の計算 がされていました。どれくらいのフランス人が、一週間後、8日後と答えるのかは分かりませんが、いろんな人に聞いてみようと思います。

フランス人と約束をするときには気をつけましょう!!!

変なにおい

「なんか変なにおいがする」

さてこれをフランス語で何と表現すべきか。ちょっと考えてしまいました。

では、まず「におい」について。
「におい」には、「臭い」「匂い」と日本語でも悪いにおいと良いにおいを区別しますね。フランス語や英語でも同じ。フランス語では、

1.odeur (オドゥール) 「におい、香り、臭気」 。 よく日本でも「デオドラント」なんて言葉を聞きますね。あれはdeodorant(デオドラン)で「体臭を消す」という意味を持ちます。 odorantの部分は形容詞で「においのする」。名詞はodoratで「嗅覚」。

Cette viande a une odeur. 「この肉は嫌なにおいがする」
Je respire l’odeur des roses. 「バラの香りをかぐ」
Ce sont les fleurs tres odorantes.  「香りの高い花」

いいにおいにも、悪いにおいにも使われることができます。

2.parfum (パルファン) 「香り;香水」。パリの街中にもたくさん parfumerie(パフュムリ)というサインをよく見かけます。これは香水屋さんのこと。さらに意味が広がり「風味、フレーバー」などにも使われま す。

J’aime bien le parfum de la rose. 「バラの香りが大好き」
Vous avez quels parfums?  「どんなフレーバーがありますか」
Ce sont les fleurs tres parfumees.  「とてもよい香りのする花」

3.puanteur (ピュアントゥール) 「悪臭」。動詞はpuer(ピュエ)形容詞は puant(ピュアン)。

Cette viande pue. 「この肉は臭い」
Ca pue! (サ ピュ)  「(それ)臭い!」

4.arome (アロム) 「(焼肉・ワイン)などの)よい香り」。これは日本語でもよくきく 「アロマ」ですね。形容詞のaromatise(アロマティゼ)もよく耳にします。

J’aime la glace aromatisee a la vanille. (バニラの香りのアイスクリーム)

5.bouquet (ブーケ) 「(ワインの)芳香」。その他に「花束」という意味でも有名。


7.senteur (サントゥール)
「芳香」《文語》。この動詞sentir(サンティール)がよく使われます。 例えば、

Cette fleur sent bon. 「この花はいい匂いがする」
Ca sent fort. 「強烈なにおいがする」
Ca sent mauvais. 「嫌なにおいがする」
Tu sens l’alcool. 「君は酒臭い」
Ca sent le gaz ici. 「ここはガス臭いなあ」
Tu sens des pieds!  「足臭いよ!」

ちなみに英語では、odeur が odor。英語ではよくBO(ビーオー/body odor) と言って「体臭」という意味でよく使われます。
なのでどうしても英語のイメージが私の頭の中では強く、フランス語を使う時にはいまいちしっくり来ない。一般的な「におい」はsmell(スメル)が使用 されます。

そして、本題の「なんか変なにおいがする」。

この場合の「におい」は、やはりフランス語ではodeur。「変な~」はun(e) drole de(アン ドロール ドゥ)で表します。 droleとはもともと「滑稽な、愉快な」という意味、そして「奇妙な、おかしな」という意味を兼ね合わせて持っています。

ですから「なんか変なにおいがする」は、

Il y a une drole d’odeur.

C’est un drole de type. 「あいつは変なヤツ」とも表現できます。 また口語では「ものすごい~」という意味でも使われるそうです。Il me faut un drole de courage pour faire ca. 「それをするのに大変勇気がいる」。

*アクサン記号は省略してありまあす。

アンドレ・シトロエン公園

パリは15区、メトロ10番線のJavel-A.Citroen(ジャヴェル)から歩いてすぐのところに、Parc Andre Citroen(アンドレ・シトロエン公園)があります。

このアンドレ・シトロエンとは人物名で、正式にはアンドレ=ギュスターヴ・シトロエン(André-Gustave Citroën)と言い、オランダ系フランス人で、フランスの自動車会社、シトロエンを設立した人物として有名です。もともとは、ユダヤ系オランダ人のダ イアモンド商レーヴィ・シトルーン (Levie Citroen)と、ポーランドはワルシャワ出身マズラ・クラインマン (Mazra Kleinmann)の5人目に生まれ、オランダアムステルダムからパリへと1873年に家族で移ってきました。

第一次世界大戦中、アンドレ・シトロエンは武器などの流れ作業方式で大量生産に成功し、その利益で1919年パリのセーヌ川、ジャベル 河岸にシトロエン自動車会社を興します。そして現在その場所にあるのがこのアンドレ・シトロエン公園というわけです。

またおもしろい話として、1925年から1936年までの11年間エッフェル塔は、広告宣伝のため、このCITROENという文字で飾られていました。そして1927年にアメリカから飛行機で大西洋横断してきたチャールズ・リンドバーグが、パリの上空でまず見たのがこのエッフェル塔の電飾文字であったと言われています。彼の言葉に「翼よあれがパリの光だ」というのが残っています。

citroen logoシトロエンのロゴは2つの楔形。これはアンドレ・シトロエンが ビジネスを始めるきっかけとなった歯車シェブロン・ギアの歯形をモチーフにしたものです。  (以上参考Wikipedia)

では、実際アンドレ・シトロエン公園の様子をご紹介しましょう。ジャベル駅を出て数分歩くと、そこには木々と水、そしてモダンなビルによって囲まれたスぺースが広がります。


公園中央には気球があり、実際に乗ることができます。公園内にチケット売り場があり、10分10ユーロだそうです。うちのバルコニーからもいつもこの気球を眺めています。


夏にはこんな風に噴水が人々を癒してくれます。


そしてこれが夏、人が集まってきた時の様子。噴水にはもちろん、その辺に寝そべっている人たちも水着です。たまに目のやり場に困る時も…公園なのか、ビーチなのか…。


普段は、ジョギングをする人、散歩する人、ピクニックする人。


またこの公園のユニークなところは本当に人の目を楽しませてくれるような設計のされ方です。ただ歩いているだけでいろんな公園に行ったような気分になる。


私は高所恐怖症なので乗ったことはありませんが、きっと眺めは最高なんでしょう。


公園端にある通路の階段を登るとちょっとした展望スぺースがあり、ここからエッフェル塔の先が見えます。アンドレ・シトロエンさんもここからエッフェル塔を眺めていたのかしら。

夏には、この公園のセーヌ川沿いによく音楽ステージを見かけます。きっと多くの人々が涼みにやってくるのでしょう。そしてすぐそばにはRERの駅、Bd Victorもあります。モダンなビルとこの公園の緑がなんともいえない調和をとっています。