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フランスでくしゃみをすると

日本ではくしゃみは「ハクション」ですが、フランスではatchoum(アチュー ム)といいます。誰かがくしゃみをしたら周りにいる人はA vos souhaits! (ア ヴォ スゥエ)あるいは親しい友達にはA tes souhaits!(ア テ スゥエ)と「願いがかないますように」とふざけて言います。vosあるいはtes は「あなたの」を表し、souhaitsは「願望・願い」を意味します。またその動詞形 souhaiter(スゥエテ)で「願う」という意味になります。

ちなみにフランス語では、ハンカチとティッシュの概念がほとんど同じで、単語もmouchoir(ムショ ワール)で両方指します。ですからハンカチで汗を拭いている人を見ると日本人だなと判断することができます。鼻をかんだハンカチで汗はふけません。

フランスにも日本と同じく〈花粉症〉が存在し、春先天気がよくなるとくしゃみをしている人がいます。日本人と違いこちらの人は人前でも思いっきり鼻をかむので最初は驚きました。アーモンドの木が花粉症をよく引き起こすそうです。アーモンドの木は桜と同じような 花をつけてとてもきれいで、いろんなところでよく見かけます。日本で花粉症じゃなくてもパリに来てからかかる人もいるそうです。私はその逆でこちらに来てなくなりました。

sneezing  man

海の歯

フランス語の勉強のためよく地下鉄などにある広告ポスターのフレーズを電車を待ちながら読んでいます。いつもポケットサイズの辞書を持ち歩くようにしているのですが、ある日、辞書を持たずに出かけていた時とても気になるセンテンスを見つけてしまい、うちに帰るまでずっと悩 まされてしまいました。

そのポスターには、前歯の抜けたいたずらそうな小さな男の子がイーッとしながらプールらしき場所に立っているのですが、そこに Leo joue dans les dents de la piscine(レオ  ジュ ダン レ  ダン ドゥ ラ ピシヌ)と書いてあったのです。レオは男の子の名前。 joue はjouer(遊ぶ)が変化したもの。dans(~の中で)、 les dents (歯)、la piscine(プール)。つまり「彼はプールの歯で遊ぶ」という意味になります。前歯のない男の子がプールにいることと何か関係してるんだろうなあとは思ったのですが、何がひっかけてあるのかさっぱり分かりませんでした。そこで調べてみたところ、このセンテンスは、Les dents de la mer(レ ダン ドゥ ラ メール)にかけてあることが分かりました。la merとは「海」を意味し、全体で「海の歯」つまりサメを表しており、映画の「ジョーズ」をフランス語訳したものだったのです。そこでやっとなるほどと スッキリすることができました。よく見ると男の子のTシャツにサメの絵がプリントされていました。ちなみにこの広告はそのTシャツなどを売っている格安洋品店の宣伝でした。

shark

フランス語でいろいろ壊してみると

フランス語で「壊す」はcasser[カセ]といいます。では今からいろいろ壊してみましょう。

まず最初に「首」cou[ク]を壊すと、casse-cou[カ スク]となり  「向こう見ずな」という意味になります。何も考えずに危険を冒すと首を折ってしまいます。

次に「頭」tete[テトゥ]を壊すと、 casse-tete [カステトゥ]。「頭を悩ますような仕事や難問」。

「パンの皮」croute[クルトゥ]を壊すと、 casse-croute[カ スクルトゥ]で「軽い食事・弁当」となります。

「お尻」cul[キュ]、 「足」pieds [ピエ]などを壊すと、casse-cul、casse- piedsで「退屈な」。

「クルミ」noix[ノワ]を壊すと、 casse-noixで文字通り[くるみ割り]という意味と、「頭の固い厄介な人」という意味もあります。

「石」をpierre[ピエル]を壊そうとすると、casse-pierreとなり「無駄な」。

「パイプ」pipe[ピプ]を壊すと、casse-pipeで 「何か危険なこと、絶望的なこと」を表します。

では最後に、「ずべて」tout [トゥ]を壊してしまうような人は、casse-toutといって「不器用」な人をさします。

a boy skateboading on  the street

ムッシュは「ハエ」??

mouche

フランス語にMONSIEUR「ムッシュ」という言葉があります。英語でいう「Mr.」、日本語でいう「(男性に対して)~さん」に相当するのですが、この言葉をカタカナ通りに発音すると意味が変わってしまうのです。日本語には他の言語と比べて音が少なく、またそのため表記が困難で、細かい違いが表されにくいのです。

では、日本人が「ムッシュ  ムッシュ」とフランスで叫んだとしたら、フランス人は何を考えるでしょうか。きっとどこかに「ハエ」がいるんじゃないかと辺りを見回すかも…。「ボン ジュ-ル、ムッシュ」なんて言ったら、「こんにちは、ハエさん」になって、おかしな人と思われてしまうかも…。と、それは大げさとしても、日本人の発音では意味が通じません。このMONSIEURは厳密にカタカナで書くとしたら、「ムスィウ」とするのがいいでしょう。発音 は難しい…

次のセンテンスを早口で言ってみましょう。

Monsieur Moche Mouche se Mouche en Machant Méchamment
ムスィウ モッシュ ムッシュ ス ムッシュ アン マシャン メシャマン

Monsieur「~さん」、Moche「醜い」、Mouche「ハエ」、se Mouche「鼻をかむ」、 en Machant「かみながら」、Méchammentで「意地悪そうに」となります。「醜いハエさんが意地悪そうに口をもぐもぐさせながら鼻をかんでいる!?」

日曜日の運転手

車社会であるアメリカなどでは日曜日くらいにしか運転しない人のことを  Sunday driverと呼んでいます。つまり日本語で言うぺーパードライバーですね。この単語がフランス語にも存在することを最近知りました。フランス語でも英語 と同じく【日曜日】ということばを使っています。chauffard du dimanche(ショファール デュ ディマンシュ)。chauffard が「危険な運転手」を意味し、dimancheが「日曜日」を指します。こちらでは少なくとも日曜日くらいは運転するんですね。私は本当のぺーパーです。

ちなみにjoueur du dimanche(ジュウ-(ル) デュ ディマンシュ)は「日曜の選手」 つまりあまりうまくはない選手。sportif du dimanche(スポルティフ デュ ディマンシュ)も「日曜しかスポ-ツをしないような人」を表しています。フランス人いわくどんな組み合わせでもできると言っていました。日曜日にしかしないようなことってどんなことがありますか。travailleur du dimanche(トラヴァイユー デュ ディマンシュ)にはならないように。「日曜にしか働かない 人」。