Category Archives: フランス語レッスン

arrhes

さて問題です。arrhes、どう発音するでしょうか。

答えはアール(ルはもちろんフランス語のRで)。

フランス語をやっていて、厄介なことの一つがこのスペリング。どう考えてもrが一つ多いような気がするし、hとsは必要ではないように 感じてしまう。ちなみにこのarrhesの意味は「手付金、予約金」。

先日主人の両親がパリに遊びに来ていた時のことです。いつも近くのホテルに滞在するのですが、うちでおしゃべりをしている時に、お父さ んが小切手を破っていたので、「何てことを」というような顔をしたら、お父さんが「これは・・・・」とフランス語で説明し始めたのです(フランス語なのは当たり前ですが)。何のことやらさっぱり。でもなんとなくホテルの手付金のことだということは分かりました。でも単語が一つ一つ分かったかという と???

お父さんとお母さんが一生懸命「アール、アール」というのですが、なんでRなんだろうとちんぷんかんぷんな私。そのうちに、他の単語で置き換えて説明してもらったところ理解ができたというわけです。他の単語で表現すると caution、garantie。お父さんが言うには、arrhesは どちらかというと法律用語なので普段はあまり聞かない単語だと。

頭の中が、日英仏でかなり鍛えられた一週間でした。

クスクスロワイヤル

日本でも話題に上っている、フランス次期大統領選の女性候補者社会党ロワイヤル氏。社会主義色の強いフランスでは、「みんな平等に。お金を持ってい る人は持っていない人を助けましょう」と言って、どんどん無職・ホ-ムレスが増えるばかり。一方で働いても多くの税金がこうした怠慢な人間の支援金として差し引かれてしまうので、まじめな人間の働く気は失せてしまう。

こんな状況でフランスは今真っ二つに分かれています。生活水準の低い層ではもちろんロワイヤル氏、勤勉層は猛反対。うちの主人はという と、毎日一生懸命働いています。「ロワイヤルが選ばれたらフランスは終わりだと」言っています。

また女性だということだけで注目を浴びている点もあり、政治のことは良く分かっていないという意見も聞きます。ある偽番組か何かで、ロ ワイヤル氏に「地中海に停泊するフランス海軍の船の数は」というような内容の質問をしたところ、自信を持って間違った答えを言ったとか。番組側が、「いや違う、それは3隻ですよ」とさらにわなをかけると、「あ、そうだったわね、3隻よ」と。

そして見つけたのがこんな写真。「クスクスロワイヤル」
couscous
(クリックすると拡大します)

Couscous Royal
Rien que des boulettes
AVEC UN POIS CHICHE DANS LA TETE

クスクスロワイヤル
ただのミートボールだけ
頭にヒヨコマメ入り

Couscousクスクスとは北アフリカ料理で、ひき割り小麦に鶏・羊の肉といろんな野菜を添え、 スープをかけて食べます。フランスではレストランやカフェで人気のメニューの一つです。ロワイヤル氏の名前Royalロ ワイヤルとは英語でいうところのロイヤル。豪華クスクスと言ったところでしょうか。本当に存在しそうです。

rien que~(リヤン ク)で 「ただ~だけ」、 boulette (ブー レット)とは、ミートボール。そしてもう一つの意味が「どじ、へま」。つまり「ただのどじ」

pois chiche (ポワ シシュ) とは、ヒヨコマメ。dans la teteで「頭の中」。つまり豆サイズの脳だと言っているのです。

これを見つけた主人は、大ウケ。ロワイヤル氏には失礼ですが、おかげでフランス語が勉強できました。

40

数字の「40」、フランス語ではquarante(カラーントゥ)と言いますが、フランス語は面白いもので「約 40」という意味の単語も持っているんです。それが quarantaine (カランテンヌ)。

例えば、「約40人の人」と言いたい時は、une quarantine de personnes と表現します。

そしてもう一つ面白い意味があり、このquarantaineで「検疫期間」「隔離」という意味を 表すことができます。

例えば、「彼を隔離・仲間はずれにする」は、On le met en quarantine.

この単語は英語のquarantine(クォランティーン)とまったく同じですね。英語でも意味は「隔離、検疫」という意味を持っています。そこでなるほどと思ったのは、この単語が40という数字から来ていること。この単語の由来とは昔検疫期間が40日だったことから来ているのです。お もしろいですね。フランス語を知り、英語を知るでした。

枕の故障

まずフランス語で「枕」はoreiller(オレイエ)と言いますが、これは「耳」oreille(オ レイユ)から来ています。日本人だと、枕と言うと頭を休めるというイメージがあるような気がしますが、フランス人は横を向いて寝る人が多いのかしら。うー ん、確かに私もいつも耳を下にして寝ているかも。

そこで、面白い表現を発見。それが「枕の故障」panne d’oreiller (パンヌ ドレイエ)です。「枕の故障」と聞いてどんなことを想像されるでしょうか。答えは「寝過ごしによる遅刻」です。枕というより、その人自体が故障 しているんじゃないのと思ってしまいますが、こんなことを言ってフランス人は言い訳しているのでしょうか。

sleeping

ちなみに、

faire la grasse matinee (フェール ラ グラス マティネ)とは「ゆっくりと朝寝坊する」と言う意味があります。直訳は「たっぷりの朝をする」。grasseま たはgrasは「肥満した、脂肪分の多い、肉厚の」という意味でよく使われている形容詞で、そこにもうひとつ「豊富 な、肥沃な」という意味も付け加えられます。

例えば、

Elle est grasse comme un porc. 「豚のように丸々太っている」
Tu a la langue grasse. 「はっきりしない話し方をする」

そしてよく知られている単語、

foie gras 「フォア グラ」 肥大させたカモの肝臓(レバー)!

*アクサン省略

センスがいいね

いい趣味や好みを持っている人に日本語では「センスがいいね」と言いますよね。このカタカナで書かれたセンス、英語になおすとsense。 そこから直訳して ”You have good sense” なんて言っていませんか。

この英語のsenseには「趣味」も「好み」も含まれていません。”You have good sense” と言うと「君は分別(判断力)がある」と訳されてしまいます。この場合You have a sense of beauty.とでも言えば「美を解する心=美的感覚=センスをもっている」となりますが。

そしてずばり日本語の「センスがいいね」に相当するのが、taste「味」を意味する単語です。 この単語には「趣味」と「好み」が含まれていますから、これを使って “You have good taste” 「いいセンスしてるね」と言うことができます。

フランス語でも同じです。フランス語で「味」というとgout(グ)ですね。

Tu a bon gout. 「センスがいいね」

Elle n’a pas aucun gout pour s’habiller. 「彼女は服装のセンスがない」

Nous avons des gouts communs. 「私たちは好みが同じ」

Chacun a ses gouts. 「人の好みはさまざま」

最後に「蓼食う虫も好き好き
【英語】  There is no accounting for tastes. 直訳すると「好みを説明 することはできない」
【フランス語】 Des gouts et couleurs on ne discute pas. 直訳すると「好みや色は議論することができない」

*アクサンは省略してあります。