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フランス語でいろいろ壊してみると

フランス語で「壊す」はcasser[カセ]といいます。では今からいろいろ壊してみましょう。

まず最初に「首」cou[ク]を壊すと、casse-cou[カ スク]となり  「向こう見ずな」という意味になります。何も考えずに危険を冒すと首を折ってしまいます。

次に「頭」tete[テトゥ]を壊すと、 casse-tete [カステトゥ]。「頭を悩ますような仕事や難問」。

「パンの皮」croute[クルトゥ]を壊すと、 casse-croute[カ スクルトゥ]で「軽い食事・弁当」となります。

「お尻」cul[キュ]、 「足」pieds [ピエ]などを壊すと、casse-cul、casse- piedsで「退屈な」。

「クルミ」noix[ノワ]を壊すと、 casse-noixで文字通り[くるみ割り]という意味と、「頭の固い厄介な人」という意味もあります。

「石」をpierre[ピエル]を壊そうとすると、casse-pierreとなり「無駄な」。

「パイプ」pipe[ピプ]を壊すと、casse-pipeで 「何か危険なこと、絶望的なこと」を表します。

では最後に、「ずべて」tout [トゥ]を壊してしまうような人は、casse-toutといって「不器用」な人をさします。

a boy skateboading on  the street

ムッシュは「ハエ」??

mouche

フランス語にMONSIEUR「ムッシュ」という言葉があります。英語でいう「Mr.」、日本語でいう「(男性に対して)~さん」に相当するのですが、この言葉をカタカナ通りに発音すると意味が変わってしまうのです。日本語には他の言語と比べて音が少なく、またそのため表記が困難で、細かい違いが表されにくいのです。

では、日本人が「ムッシュ  ムッシュ」とフランスで叫んだとしたら、フランス人は何を考えるでしょうか。きっとどこかに「ハエ」がいるんじゃないかと辺りを見回すかも…。「ボン ジュ-ル、ムッシュ」なんて言ったら、「こんにちは、ハエさん」になって、おかしな人と思われてしまうかも…。と、それは大げさとしても、日本人の発音では意味が通じません。このMONSIEURは厳密にカタカナで書くとしたら、「ムスィウ」とするのがいいでしょう。発音 は難しい…

次のセンテンスを早口で言ってみましょう。

Monsieur Moche Mouche se Mouche en Machant Méchamment
ムスィウ モッシュ ムッシュ ス ムッシュ アン マシャン メシャマン

Monsieur「~さん」、Moche「醜い」、Mouche「ハエ」、se Mouche「鼻をかむ」、 en Machant「かみながら」、Méchammentで「意地悪そうに」となります。「醜いハエさんが意地悪そうに口をもぐもぐさせながら鼻をかんでいる!?」

日曜日の運転手

車社会であるアメリカなどでは日曜日くらいにしか運転しない人のことを  Sunday driverと呼んでいます。つまり日本語で言うぺーパードライバーですね。この単語がフランス語にも存在することを最近知りました。フランス語でも英語 と同じく【日曜日】ということばを使っています。chauffard du dimanche(ショファール デュ ディマンシュ)。chauffard が「危険な運転手」を意味し、dimancheが「日曜日」を指します。こちらでは少なくとも日曜日くらいは運転するんですね。私は本当のぺーパーです。

ちなみにjoueur du dimanche(ジュウ-(ル) デュ ディマンシュ)は「日曜の選手」 つまりあまりうまくはない選手。sportif du dimanche(スポルティフ デュ ディマンシュ)も「日曜しかスポ-ツをしないような人」を表しています。フランス人いわくどんな組み合わせでもできると言っていました。日曜日にしかしないようなことってどんなことがありますか。travailleur du dimanche(トラヴァイユー デュ ディマンシュ)にはならないように。「日曜にしか働かない 人」。

えっ!フランス語の間投詞

他の言語で会話をする際、間投詞をたくさん使えると本当に会話らしくなる。例えば日本語で、「本当ですか。」と言った場合と「えっ、本当!?」と言った場合に感じが違うよう、外国語でも雰囲気が変わりますね。

ではフランス語の会話ではどんな間投詞がよく使われているか見てみましょう。

Ah. [アー]日本語の[あ-]と同じ。Ah bon? [ア ボン?]と言うと 「えっ、本当?」あるいは「あぁ、そうですか」 Ah non![ア ノン]は「えっ、違うの!」などとなる。イントネ-ションでも意味が変化するので注意。

Alors.[アロー]は「それじゃ・だから」 Et alors.[エ アロー]で「それで?・それから?」といった感じ。

Ben.[バン]は「さて・ところで」  Eh ben.[エ バン]と言うと「ええっと」

Eh,bien.[エ  ビアン]になると「え- 何だっけ」とか「そうですか」 Ah bonと近い。

Bon. [ボン]は「そうですか」

He.  [エ] 本来のスペルはeにアクサンがついています。意味は「おい・ねえ・もし」といった感じ。

Hein.[エイン]は「何ですか?」  や同意を求めて「ね、そうでしょう」というニュアンスもあります。

Euh.[ウー]は「えっ・えーっと・うーん」

at school
「マックスあなたの番よ。机の下で何探してるの。」
「え-っと...何でもないです、先生。

次に間投詞ではないけれど会話でよく聞くことば。


Aie![アイュ]
は「痛いっ」。何かにぶつかった時だけでなく困ったときにもAie aie aie.[アイアイアイ]「痛タタタッ」といった感じ。

BOUH[ブー]といえば、日本語で言う「わッ・うわ-ッ」あるいはブ -イングの時など。

Chut![シュートゥ]は「静かに」

POUAH[プアー]は「うわ-ッ、気持ち悪いッ」と何か嫌なものを見 たりしたとき。

cat

BERK[ベルク]もPOUAH[プアー]と同じく「うわ-っ、くさ いッ」といった感じ。

YOUPI[ユピ]と言うと「やったー!」

mother and girl
「リリ、フライドポテト作ったわよ。」
「やったー!」

Ouh la la 何か危ないときには[ウララ]。日本語の「あらら」または「おっとっと」と同じ。

Zut[ズュトゥ]は「ちぇっ・畜生」と悪いことば。

Merde[メルドゥ]も「ちぇっ・畜生」と使わない方がいいことばな ので、気をつけて。

さらに会話らしくするために。

Regarde.[ルガルドゥ]は何か注意を引くときに「ほら見て」

Tien.[ティアン]は「ほらどうぞ・これもって」

Allez.[アレ]と言うと[さぁ、どうぞ・ほら 行きなさい] よく電車なんかで席を譲るときにAllez-y[アレジ]「さぁ、そこへどうぞ」とよく声をかけています。

Ecoute.[エク-ートゥ]は呼びかけで「ねえちょっと聞いて」

Dit moi.[ディ モワ]も呼びかけで「ねえちょっと」

Donc.[ドンク]は結果を述べる時の「だから」

De toute facon.[ドゥ トゥトゥ ファソン]は「とにかく」

Voila.[ヴォワラ]は「さぁどうぞ・ほらできあがり」

D’ailleurs.[ダイユ-ル]というと「さらに・その上」

Quand meme.「カンメム」は私がフランス人の会話でよく聞く耳から離れないことば。「それでも・やっぱり」

あとよく耳にするのは faitを使った表現。

En fait[アンフェットゥ]=「実際は」

Tout a fait[トゥタフェ]=「全く」

Bien fait[ビアンフェ]というと「ざまぁみろ・いい気味だ」

こういった表現が自然に出てくるようになればいいですね。私は人にぶつかったときにOoops「ウーップ ス」(英)がまだ出てきてしまいますが、それが痛かったときにはAie「アイ」(仏)が出てくる。なんとなくOuch!「アウチッ」(英)と言うより Aie「アイ」(仏)の方が日本語の「あ、痛いッ」に似てるのでとっさに出てきやすいのかな!?

サボるは何語?

日本語で「授業をサボる」だとか「仕事をサボる」などと言ったりしますね。これが何語なんだろうと考えたことがありますか。英語を勉強されている方ならsabotageサボタ-ジュということばを思 い浮かばれるかもしれません。日本語でいうサボタ-ジュは「怠業」という意味で使われていますが、英語の辞書を調べると分かるように、英語では「生産妨害」「(一般的に)妨害活動」あるいは動詞として「妨害する・破壊する」という意味で使われています。

さて、この英語はどこから来たのでしょうか。

フランス語を勉強し始めてから、少しずつなんとなくあッこれはフランス語っぽいなと感じられるようになってき ました。そしてこのサボタ-ジュという単語も、なんとなく気になって辞書を引いてみました。すると語源の箇所に、[フランス人が争議中、sabot サボットという木靴で機械などを破壊したことから]と書いてあったのです。そうストライキの多いフランス。昔から労働者たちは故意に機械や製品などに損害を与えて生産妨害をしていたのでしょう。さらに低い階級の労働者たちは皆、この安くてはき心地の悪い木靴(サボット)を当時履かざるをえなかったというのも説明がつきます。今ではオランダの木靴が有名ですね。よくお土産に買っていくあの靴。飾り用だったり、実際庭仕事用に使われたりしているそうです。最新デザインは昔と違って履き心地がいいとか。私もオランダで木靴工場を見学したことがありますが、とても歴史があるそうです。

さらにフランス語の辞書を開いてみると、sabot サボには「木靴」という意味の他「馬・牛のひづめ」という意味も付け加わっていました。

もちろんsabotage サボタ-ジュには「仕事の手抜き」や「施設・鉄道の破壊」という意味があり、動詞のsaboterサボテは「手を抜く」「破壊する」という意味で使われています。

dozing off