Category Archives: フランス語レッスン

月の名前

最近はすっかりイタリア語に没頭しフランス語が・・・イタリア語の気が済んだらフランス語に取りかかります。

さて、ラテン語のルーツがたくさん感じられるイタリア語を勉強していてふと思ったことがあります。

ちょっと数字を見てみましょう。

フランス語 1−10

  • un
  • deux
  • trois
  • quatre
  • cinq
  • six
  • sept
  • huit
  • neuf
  • dix

イタリア語 1−10

  • uno
  • due
  • tre
  • quattro
  • cinque
  • sei
  • sette
  • otto
  • nove
  • dieci 

このイタリア語の7、8、9、10にご注目。これらの文字を見たときハッと気づきました。これって9月、10月、11月、12月じゃない!と。フランス語の7、8、9、10ではあまりピンと来ませんでしたが、これは何か関係があるに違いないと調べてみることに。

月名            英語                                フランス語                           イタリア語

9月   September                         Septembre                              Settembre

10月        October                           Octobre                                   Ottobre

11月        November                       Novembre                               Novembre

12月        December                       Décembre                                Dicembre

すると、

紀元前750年から紀元前710年まで使われていた古代ローマ暦(ロムルス・レムス歴)では1年を現在の3月にあたるMarutiusからDecember(現在の12月)まで10ヶ月に区切っていたようです。そして余った日は“死の季節”として設定していました。ちょうど冬の期間ですね。

その後、ヌマ歴でこの“死の季節”を二分割しJanuariusとFebruariusとなったそうです。JanuaryとFebruaryの誕生です!

そう、お分かりのように、現在我々が利用している(英語、仏語、伊語などの)9月、10月、11月、12月の言葉の中には、7番目、8番目、9番目、10番目という意味が含まれているのです。

9月なのに、なぜ7(sept/sette)、10月なのに、なぜ8(otto) ・・・とても気になっていたのですがこれですっきりしました。

そして紀元前46年Juilius Caesarの登場です。彼が全ローマに太陽暦を発布し、一年が365日、4年に1度の閏年が設けられました(ユリウス暦)。その後ローマ皇帝グレゴリウス13世によって修正がなされ(グレゴリオ暦)現在に至ります。

 

月名をまとめると:

順番:英語/仏語/伊語

January/Janvier/Gennaio
物事の始まりと終わりを司る神ヤヌス(Janus)から。

February/Février/Febbraio
酒を献上する(Ferus)と浄化する(Februere)の二つの由来が考えられています。あるいは古代ローマのお清めの儀式(Februa)からとする説も。

March/Mars/Maarzo
軍神マルス(Mars)から。

April/Avril/Aprile
4月はギリシア神話より女神アフロディテ(Aphrodite)から来ているという説。またラテン語のaperioとは植物が芽を出して花が咲く季節という意味だそうです。

May/Mai/Maggio
最高神ジュピターの妻である豊穣の女神マイアス(Maius)から。

June/Juin/Giugno
出産と結婚を司るローマ神話の女神ジュノー(Juno)から。June brideですね。フランスも6月になるとお役所は結婚式で忙しいそうです。

July/Juillet/Luglio
ユリウス・カエサル(Julius Caesar)より。

August/Août/Agosto
初代ローマ皇帝アウグストゥス(Augustus)より。

September/Septembre/Settembre
7番目の月

October/Octobre/Ottobre
8番目の月 Octopus(タコ)のoctoも8ですね!

November/Novembre/Novembre
9番目の月

December/Décembre/Dicembre
10番目の月

・・・以上ウィキペディア参考 ・・・

 

ラテン語、実に奥が深い。言葉をみると歴史そのものですね。

 

寝起きが悪い

誰か機嫌の悪そうな人がいると、きっとフランス人は“寝起きが悪かったんだろう”と言うかもしれません。
それをフランス語にすると、

Il s’est levé du pied gauche.  
“彼は左足から起きた”

ベッドから起き上がって、最初に床に着いたのが左足だと・・・縁起が悪い。

なにかと“左”というのは忌み嫌われるようですが、そこには起源があるようです。

ラテン語の形容詞である<<sinister>>という言葉から、“”を表す古フランス語<<senestre>>と“不吉な、縁起の悪い”もしくは“災害”という意味を持つ<<sinistre>>がうまれます。

英語でもsinisterといえば同じく “不吉な”や“災害”という意味を持っていますよね。

そしてラテン語にもっと近いイタリア語では、元の意味が生き続けており、左のことを<<la sinistra>>と表現するそうです!

つまり

ラテン語 sinister  左側に位置する/不吉な
イタリア語 sinistro(a) 左/不吉な
古フランス語 senestre 左 (現在はgauche)  —  現代フランス語 sinistre 不吉な
中期英語 sinistre 不吉な —  現代英語 sinister 不吉な

元々はラテン語では左側に位置するという意味を持っていたようです。

 

こんな表現を見つけました。

My mother’s blood runs on the dexter cheek, and this sinister bounds in my father’s.  By Shakespeare
(母の血は右の頬の走り、この左側は父親の血である)

そうです“左”sinisterの対になるのがdexer“右”なのです。

 

フランス語では、

dextrérité 器用さ/巧妙さ
dextre (貝殻の模様)右巻きの/(古フランス語)右/右側

もし両手が器用に使えると、

ambidextre 両手効きの

というふうに表現できます。

英語も全く同じです。

dexter 右側の
dexterous (手先の)器用な、上手な / 機敏な、抜け目のない
ambidextrous 両手効きの

 

では、なぜsinister(左)がネガティブで、 dexter(右)がポジティブなイメージなのでしょうか?

古代ギリシア語で“左”を意味するskaiosとそのラテン語の同義語scaevusというのはインド・ヨーロッパ祖語 shadow(現在使用されているshadow/シャドー/陰)を表す言葉から来ており、また他のインド・ヨーロッパ言語(ケルト語、ギリシャ語など)では“右側”というと“南向き”を表すそうです。

つまり左は陰で、右が日の射す方向。

古代インド・ヨーロッパ語族やセム語族は毎朝太陽の昇る東の空を眺めていたという証拠もたくさん残っているそうです。

北半球においては、東側を向くと太陽は常に右手側にあり、陰は左側に作られます。つまり左と陰という関係が出来上がるのです。

(以上 English Language and Usageより)

 

太陽が昇る右側は縁起がよく、陰になる左は縁起が悪いということですね。

またorient(オリエント)というと東洋、アジアという意味の他に、動詞で<東向きにする>、<教会を東向きに建てる>という意味も有名ですね。こちらもラテン語で“登りつつある(太陽)”という由来があるのです。

当時はホロスコープつまり星占術というものが社会の中心にあり、星の動きによってすべてが予言され支配されていました。きっと多くのギリシャ人たちローマ人が空を眺めていたことでしょう。太陽の昇る方角、東という方角がいかに大切だったことか。

 

sin_dex

(イメージ the Astrology Foundation Incより)

 

ことばが変わり、left/right 、gauche/droiteとなった現代においても遠いギリシア・ラテンの頃の意味が受け継がれ残っているのですね。

言語の中にはたくさん歴史が詰まっていておもしろいです。益々イタリア語の勉強が楽しくなります!!!(フランス語もしなければいけないのですが・・・)。追求するとどんどん長くなるのでこの辺で終わっておきます・・・。

火傷した猫は

パリと言えば犬を連れて散歩するパリジャンを想像しますが、最近猫をペットにする人が増えているそうです。猫の方が世話が簡単だからでしょうか。メトロでもよく猫を専用のバッグに入れて移動する人を見かけます。

どちらかというと犬派の私ですが、猫も観察してみると楽しい。マルセイユの実家で飼われている猫のフィフィ。ものすごく警戒心が強く慣れるのに数年かかりました。ちょっとした物音に驚いたり、雷が鳴った日には大混乱。

そこで見つけたことわざ!

Chat échaudé craint l’eau froide. 火傷した猫は冷たい水を怖がる。

本当に用心深い。

そう日本語で言う、<羹に懲りて膾を吹く> と全く同じですね。熱い吸い物で口を火傷した者は膾のような冷たい料理まで吹いて冷まそうとする。

英語にも同じ表現がありました。A scalded cat fears cold water.

確かに一度失敗すると慎重になるけれど、
He who fears to suffer, suffers from fear! なんて表現もあるのでほどほどに。
(苦痛を怖がる者は、その恐怖に苦しむことになる)

波長が合う

ある日ふと思ったフレーズ。そういえばフランス語も英語も、あ、日本語も同じ表現を持っているなあと。メモのためにページを作っておくことにしました。

「波長が合う」

これを英語に訳すと、

We are on the same wavelength.

さらにフランス語に訳すと、

On est sur la même longueur d’onde.

全く同じ表現です。

フランス語の onde(オンド)の部分がちょうど「電波」の意味にあたり、その他次のようにも使えます。

ondes courtes 短波
ondes moyennes 中波
ondes longues 長波
onde sonore 音波
onde électromagnétique 電磁波

そしてmicro-ondesと言えば電子レンジ!

またonduler「波打つ」という動詞が存在しますね。
〈Il a les cheveux ondulés〉 と言うと、「ウェーブした髪をしている」

「波長が合う」と似たような表現もたくさんあります。

On est en phase. 同じ考えである
On est en bons termes. 仲がいい
On est en bonne intelligence. 仲がいい
On est en harmonie. 仲がよい

On s’entend comme cul et chemise. 直訳すると『お尻とシャツのように仲がいい』
長いシャツがお尻にぴったり合うことから来たらしい。おもしろい発想ですね。

英語だと、

We hit it off right away. すぐに気が合う
We clicked from the start. 最初からピーンとくる
We have good chemistry. 相性がいい

日本語にもおもしろい表現がありますよ。

「馬が合う」:乗馬で馬と乗り手の息がぴったり合っているところから来たそうです。
「阿吽」:阿は口を開け、吽は口を閉めて発する声のことで、そこから呼気と吸気の意味が生まれ、両者が息を合わせることで阿吽の呼吸となった。
「つうかあの仲」:「つぅことだ」に対して「そうかぁ」と、内容を言わなくても気持ちが伝わる関係を表しているそうですが、他にもいろんな説があるようです。

息がぴったり合う人に出会うのっておもしろいですよね。どうして同じ感覚を持つようになったのか…全く違う環境で育ったのに。

日本は南半球に?

さあ、大統領選も終わり左派がトップに至ったわけですが、いろんな小グループが結合しており・・・、選挙で数パーセントしかとっていないような党がコネで力を持とうとしています・・・。エコロジー党・・・。この党にいらっしゃるCecile Duflotセシル・デュフロとう方、バカロレアBac+5、地理の正式な資格を持っていらっしゃるそうで、それはすごい知識をお持ちだとあります。

しかし! 大失敗。BFMというニュース番組で日本の福島原発について解説されていたのですが、そこで自信を持って『日本は南半球にあるので~』と言ってしまったのです。え、日本どこにあるのか知らないの? それで福島原発を語っているの? バカロレアって・・・? いろんな?マークが浮かんできてしまいました。日本は小さい国ですからね、外国人はけっこう知らなかったりするものかも。でも正式な資格を持ってたら、こんな間違いって・・・。

それだけではありません、この方フランス語も間違ってしまいました。

Cet accident ayant survenu dans l’hémisphère sud

survenirはêtreをとる動詞なのにavoirを使ってしまった・・・。

正しくは Cet accident étant survenu dans l’hémisphère nord

間違いは誰にもありますが、テレビで国民の前で発言する際にはもう少し慎重に!

http://www.youtube.com/watch?v=xntE9a8K2G8

youtube下にあるフランス人のコメントに笑ってしまいます。

 

これで大臣になれるのかあ・・・すごいなあ。地域平等相。

 

*以前日記に記載した記事をせっかくなのでフランス語のページに移しておきました。