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フランスのてんとう虫

なんだか分からないのですが、てんとう虫がたくさんやってきます。環境がいいということでしょうか。うちのバルコニーで見つけたてんとう虫のコレクション写真です。フランスではてんとう虫は幸せを呼ぶと言われているのでうれしいことです。

フランスには黄色のてんとう虫もいるのですが、まだ我が家のバルコニーでは見つけていません。いつか飛んでくるだろうか・・・。ちょっとした楽しみになっています。虫の嫌いな方すみません。

(更新1)確実にてんとう虫の数が増えています! 今日数えたら8匹+ベイビーてんとう虫(と思う)を1匹発見。5mmほどの大きさで、斑点模様がかすかについていました。ものすごい勢いで走り回っていたのを数回目撃。我が家の4つ葉クローバーがてんとう虫の住処に・・・。

(更新2)その後、数日後、クローバーにくっついていたアブラムシが全部消えていました。きれいです。8匹のてんとう虫もえさがなくなったようでみんな飛んで行ってしまいました。なんだかさみしい。てんとう虫はかなりの食いしん坊らしいです。数日間の観察結果、斑点の多いてんとう虫はかなり活発でものすごく動き回る傾向に、斑点のすくない種類は食べては寝、食べては寝という感じでしょうか。黒色に赤斑点の種類はほとんど見ることはありませんでした。黄色い種類もいまだ確認できず。フランスにはこれら4種類がいるようです。今年はてんとう虫イヤーで気づくとかばんやシャツにてんとう虫がとまっていたりしました。面白かったのは死んだふりをするてんとう虫。かしこい!

(更新3)ついに黄色いてんとう虫をマルセイユにて発見!それも黄色いてんとう虫ばかり4匹、5匹とそこら中に。比較的サイズは赤いてんとう虫より小さいようです。

緑のなかをよーく目を凝らしてみると、いろんな所に隠れています。

芝生のなかで昼寝中のてんとう虫。

主人に聞いてもなかなか見かけないという黄色いてんとう虫。とてもラッキーなことだそうです。さて次のターゲットはオレンジ色のてんとう虫!

パリの中の文化衝突2

少し前になりますが、以前住んでいたパリ19区へ数年ぶりに訪れたときのことです。なんとなく以前と違う雰囲気が感じられ、なぜだろうと主人と話していました。19区のBellevilleと呼ばれる界隈には中国人がたくさん住んでおり、通りも中国語の看板でいっぱい。ところが、中国人に混ざってマグレブ系の人たち(モロッコ、アルジェリア、チュニジア)が前よりかなり増えているように感じたのです。

そして最近このBellevilleで起こったある騒動を知りました。

2010年6月20日、パリの中でもあまり目立たない外国人コミュニティーで中国人たちによる大きな街頭集会が行われた。彼らの掲げる旗には、「全ての人間に安全を」「静かで穏やかなBellevilleを」「暴力反対」などと書かれている。行進が終わりに近づこうとしたときには警察と対立し合う場面も。

では、なぜこのような騒動に?

実際、ここ数年この界隈では多くの中国人が暴力的襲撃の被害者となっている。2010年6月1日から2日にかけての夜に行われた結婚式では、深夜、招待客が帰ろうとした際に出口で待っていた若者グループが5人の客に次々と襲撃。狙っていたものは、中国人の結婚式で客人に渡される現金の入った赤い封筒。

結婚式が行われていた会場の中国人ボディガードがこの騒動で、強奪犯の足に発砲し追跡することができたのだが、警察に捕まり投獄。怪我をした犯人は病院へ運ばれ、うわさによるとそのまま解放されたということ。このことが、Bellevilleに住む中国人たちの怒りをさらに刺激してしまったのである。

Bellevilleのある警察官は、「コミュニティー間にどんどん悪い雰囲気が漂う中での余分な騒動である。ここ数ヶ月複数のアジア系組合団体からの問い合わせが続いている。でもどうしようもない。この状況背景には、中国人の若者がネットでマグレブ人やアフリカ系アンティル諸島の人々に対して敵対発言をした問題もある。中国人はこれらの人々を襲撃犯として見ており、またマグレブ人は中国人に対して同じような感情を抱いている。解決法が見つからないままでBellevilleは過熱してしまっている。

6年間Bellevilleに住むある中国人女性はすでに2回強奪にあっている。「もう我々はうんざりしている。警察はきちんと仕事をしてほしい」と。「もう何年も中国人のみならず他の住民も暴力を増す襲撃の被害にあってきている。我々は恐れながら日々暮らしている。この状況を止めなければ。6月20日のデモ行進がいい例である。しかし、行進の最後に、ある若者がハンドバックを盗もうとしたところ、仲間たちが自分たちを弁護し彼を機動隊に引き渡した。その後、機動隊は何も状況をよく考えずに、中国人にガスを使ってその犯人を逃がしたのだ。これは普通ではない。フランスには正義がない。」

「犯人は楽に手に入る金品を狙っているのであって、中国人を狙ったものではない」と言う人もいるが、それでもやはり襲撃犯たちは被害者の実状をよく研究している。とりわけ中国人を。 例えば、ある中国人たちが行政上違反した状況にあり銀行に口座を持たず現金で給料が渡されているという事実。身分証明書のない状態では、警察に届出を出すようなリスクもかけられないし、言葉の壁もあり、フランスの法に対しても知識がなく、お祭りには祝儀袋を渡し合う。こうして、理想的なターゲットとなるのである。

(以上Le Figaro 訳/要約AKI)

最近までこんな問題が起こっていたなどと全く知らなかったのですが、確かにあのBelleville界隈は以前もちょっと危険を感じる地域でした。中国人のお店が並び活気があるのですが、たまに怪しいおじさんがいたりして・・・。そしてそんなコミュニティーに更なる異文化が混ざりつつあるんでしょうね。フランス人はこの異なる文化の狭間でうまくコントロールを取ることができるのでしょうか。ここBellevilleもパリの中の飛び地のようですね。フランスにいながら、どこか違う国のニュースを聞いているかのようです。でも他人事ではありません。気をつけましょう。

パリの中の文化衝突

パリには私も含めいろんな国籍の人たちが住んでいます。いろんな文化の人間が一緒に平和に暮らせるような世の中が存在すればそれに越したことはありませんが、現実はそうではありません。うまく共存できる場合もあれば、衝突しあうことも多々あります。

さて、次の写真はどこの国だと思いますか?


Pandawarriorz より


Ripostelaique より

イスラムのラマダン後に撮られたパリでの写真です。これらの写真は特別なデモンストレーションではなく、日常的に行われているパリでの風景です。どんどんエスカレートする信仰儀式のため、メッカに向いた交通路が占拠され、毎週金曜日はパリの一画が屋外巨大モスクと変わるのです。通りにあるお店ではアルコール類を売らないようにとされ、あるイエディッシュのお店は攻撃されたそうです。そして市や警察はというと、この完全に違法な光景に対して寛容な姿勢。

ビデオでも通りの状況を見ましたが異様です。video-paris-occupe

もちろん住民(もしくはフランス人たち)の不満はたまり、イスラム教に対する街頭集会が開かれました。これは上記のRipostelaiqueでも呼びかけが紹介されており、その記事によるとイスラム教で禁忌の豚肉ソーセージをメインに当日この通りでピクニックをするという予定。しかしその計画は市によって禁止される。その後、ピクニック計画はなくなったがシャンゼリゼ通りで抗議行進が行われたそうです。

このニュースは東京新聞でも紹介されていました。集会参加者の声には、「警察はイスラム教徒が街頭で座り込んで祈るのを認めるくせに、私たちの集会は禁じる のか」とありました。


6月18日(2010)、パリの凱旋門前で、豚肉のソーセージを振りかざし「イスラム教徒は欧州から出て行け」と叫ぶ人たち。 東京新聞より。

フランス人のためのフランスであるはずなのに、このことをメディアが取り上げてこなかったことが信じがたい。他の文化や宗教に口を出すと何かと差別だと訴える人もいるけれど、何でもかんでも受け入れていたら・・・、それも明らかに違法だと分かっているのに・・・・。フランス人が怒るのももっとも。

フランスと言えば、もうひとつイスラムのスカーフ、厳密にはブルカ問題も注目を集めています。ブルカとは目の部分だけが見える全身を覆った装い。一度メトロの中でブルカを身に着けた3人の女性に遭遇したのですが、表情が見えないのでやはりちょっとドキドキしました。

【2010年1月27日 AFP】フランス国民議会(下院)の調査委員会は26日、イスラム女性の衣装ブルカの着用は「フランスの価値観とは相容れない」として、公共の場での着用 禁止を提言する報告書をまとめた。議員32人で構成される同委員会は、ニコラ・サルコジ大統領が前年6月「ブルカは抑圧のしるし」と批判したことを受けて設置されたもの。一部の右派議員は全面着用禁止を求めたが、違憲性を問う慎重論もあり、学校、病院、公共交通機 関、役所での着用禁止を求めるという内容で承認された。

少し度の行き過ぎたイスラム教徒はイスラムの中でも批判されているようです。攻撃的な宗教の教えをもっと近代化した考えに変えなければいけないと。その日はいつ来るのでしょうか。

関連ページ フランス人の名前II

フリウル群島(マルセイユ/プロヴァンス)

マルセイユからおよそ4kmほど離れた場所に位置するフリウル群島は4つの島から成ります:Pomegues,Ratonneau,If,Tiboulain

マルセイユのVieux Port(旧港)から出ているフェリーでアクセス。往復10ユーロで大体30分おきに出航しています。

4つの島のうち一番有名なのがIf(イフ島)。ここにはCahteau d’If(イフ城)があり、多くの観光客が訪れます。このイフ島は、16世紀、当時フランス国王フランソワ1世が海から攻撃してくる外敵からマルセイユを守るために砦として築かれたものですが実際に役立ったことは一度もなかったそうです。そしてこのイフ城を世界的に知らしめているのは、作家アレク サンドル・デュマの小説「厳窟王」でしょう。この城は小説の主人公だけでなく、鉄仮面をはじめ、現実に数多くの政治犯や異教徒たちを幽閉、牢獄するために長年使われてきました。

さらにそこから船で数分、Ratonneau 島へ。ここは第二次世界大戦中ドイツ軍に占領されていましたが、1971年にマルセイユが買い戻しました。島には特に観光ポイントがあるわけではないのですが、ここにある自然は手付かずの状態で残されてい ます。ハイキングがてら丘の頂上へ歩いて行くとそこにはドイツ人の築いたバンカーの廃墟が残っていてちょっとびっくり。タイムスリップしたような気分。また島の端には病院の廃墟も。ここは検疫所として機能していたらしく、昔はマルセイユの陸に上がる前にここで病気などの検査がされていたということです。

島にはわずかに住民もおり小さなコミュニティが存在しますが、ほとんどが自然のまま。島のあちこちに小さな入り江があり、そこで日光浴をしたり泳いだり。リッチな人たちはボートでゆったりと・・・。私たちもマルセイユに帰省する際にピクニックによく出かけます。

ではここから島の自然をご紹介しましょう!

マルセイユの港を出る前に、ラファイエットの食料品コーナーでランチを調達(右上写真)。南仏名物ライオリ(ガーリックのきいたマヨネーズ)はいかがでしょう。パンやハムにつけて食べます。島にはお店がないので、お水など買っておくのを忘れないように。夏は日差しが強く、影もほとんどありません。サングラス、帽子も忘れずに。

ビーチ脇の岩場に腰を下ろし、海を眺めながらランチをし、おなかがいっぱいになったらハイキング。青い海を眺め、自然の空気をたくさんすってリラックス。左の写真は野生のromarin(ローズマリー)。とてもいい香りがしました。

南仏滞在で少し時間があれば足を運んでみてはいかがでしょうか。地中海からマルセイユを眺めてみるのもいいですよ。

関連ページ
プロヴァンスの町マルセイユ

関連サイト
Frioul If express
Iles du Frioul

腹話術

知っていてもたぶん使うことも、聞くこともまれかもしれませんが、フランス語で腹話(術)をventriloquie(ヴァントリロキ)と言います。

テレビであるコメンテーターの口の動きと声が腹話術のように見えて、このおかしさを主人になんとか伝えたいと思ったところから始まりました。

さて、このなんだかややこしい単語ですが、このひとつの単語からいろんな単語が覚えられます。では単語の分析開始です。

ventriloquieを2つの部分に分けると、ventri と loquieになります。
ventri はventre(ヴァントゥル)で「腹」という意味で有名ですね。

loquieは loquace(ロキュアス)「話好きな/おしゃべりな」、 loquacite(ロキュアシテ)「話好き/おしゃべり」   (*アクサン省略)
さらには、locution(ロキュション)「句/熟語/慣用語法」、locuteur(ロキュトゥール)「話し手/話者」、  locuteur natifで「ネイティヴスピーカー」になります。
interlocuteur(アンテルロキュトゥール)にすると inter「間/互いの」という意味が追加され、「話し相手/対話者」となります。

allocution(アロキュション)「演説/スピーチ」
colloque(コロク)「シンポジウム/討論会」

ここまで分析すると、一目瞭然。フランス語のventriloquieはまさに日本語の「腹話」と一致している!

さらにさらに、ルーツが分かれば英語もまったく同じ。

ventriloquism 「腹話術」
ventral「腹の、腹部の」

locution 「話し方/言葉遣い」、(格式的)「慣用語法/イディオム」
interlocutor「対話者/対談者」

colloquial「口語の/話し言葉の」
colloquialism「口語体/口語表現」
colloquium「共同討議」
coloquy(格式的)「会談/会話/討議」

さあ、これであなたもトライリンギャル!