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お父さんの口癖

photo主人のお父さんの口癖、それはずばり、”y a pas photo.” ( ヤパフォト)

どういう時に使うかというと、

「こっちのレストランの方が、この間行ったところよりいいですね。」とか「この絵のほうが、あっちのよりいいですね。」といったような感じのときに、一言 ”y a pas photo.” と言います。

y a pas photo とは「もちろん」「言うまでもない」という意味で、主人の解説による と、「多分、写真を撮って証拠を残すまでもなく、明白で明らかなこなんじゃないの。」と。

—そして、その後、当の本人お父さんに確認してみました。それを聞いてなるほどーと納得。それは、競馬からきているのです。競馬で、どちらが一着だったか判断できない時に、写真判定しますよね。y a pas photoとは、そんな写真判定を しなくても、明らかに決着が分かるようなレースというところからきているんだそうです。明らかに、これが一着だと。

horse race

y a pas の部分は il n’y a pas の省略で「~がない、ありません」の意味。

フランス語を聞いていると、どうして写真なの、どうして電話なのと不思議がいっぱい。でもそこに隠れた意味を知ってまた「なるほどー」 と思うのが楽しいのですが。

フランスの交通ルール

フランスで暮らし始めて数年。いまだ道を渡るたびにドキドキする今日この頃です。ここフランスでは、青信号で渡っても車はやってきますし、赤信号でも人は渡ります。何のために信号がついているのかが不明。ないほうが電気代もかからなくていいのではと思うくらい。

road traffic

まずは歩行者。信号は見ていません。車が来ないかどうかを見ています。親は小さな子供の手を引っ張って、「ほら車来ないわよ。」と言っ て赤信号で渡り、べビーシッター中のおばさんは、赤信号を堂々とべビーカーを前に押して渡ります。車が来たら? 慌てて手を挙げ車を止めようとします。

そしてドライバー。同じく、信号を見ていません。こちらには停止線もないので、横断歩道のギリギリまで車はやってきます。特に多いのが よそみ運転。今まで何度ヒヤッとしたことがあったか。また車線もないので、合図なしの急な車線変更は日常茶飯事。急ブレーキが大活躍する国です。中でも有 名なのが、凱旋門のロータリー。ものすごく怖いです。私は運転はしませんが、たまにバスを利用する時に、クラクションの嵐に巻き込まれます。こちらで運転 される日本人の方も、「あのロータリーに入ったら、一日中抜け出せないような気がするよ。」と。

そう、こちらの人は、相手が止まってくれるものだと思い込んでいるらしく、信号無視の自分が悪いとは思わないようです。特に信号の変わり目は両者とも、まだ平気だと思ってわが道を貫こうとするのです。

事例1:
例えば、ある母親は子供が路上で遊んでいるのに知らん顔。べちゃくちゃとおしゃべりをしていました。傍らで見ていて、絶対車が来るわよと思っていたら、本当にやってきたのです。とっさにその母親が子供を助けに行ったのですが、その後の対応がいかにもパリジャンらしい。どう見ても非はこの母親にあるのに、逆 切れして運転手に猛抗議。「うちの子が路上で遊んでるのに、もっと気をつけなさいよ。」と。

事例2:
うちの主人が、青信号で渡ろうとしていたとき、車が急接近。運転手が怒りの顔で信号を指し、主人に注意。もちろん信号は歩行者に対し青信号。運転手側は赤信号。信号を見てもいないのに、自信たっぷりに自分が正しいのだと訴えてきたその運転手に主人も怒り爆発。そばにいた日本人観光客が驚いていたとか。

事例3:

買い物の帰り、比較的交通量の少ない通りを歩いていました。信号が青になり、車も来ないことを確認。そして、通りの中央にさしかかろうとした時です。急に車が接近。何事だと思ったら、運転手はおじいちゃん。明らかなわき見運転。いっこうにこちらに気づく様子なし。本当にビクッとした一瞬でした。なんとか道は渡りきることができたのですが、その後そのおじいちゃんは、私の存在に気づくことなく去っていきました。

同じようなパターンは、もう何回も経験しています。横断歩道を渡っている私に最後の最後でやっと気づき、口に手を当てて大慌てする女 性。こちらもわき見運転。

本当、外を歩く時は皆さん気を付けて下さい。この間は通りで、放された犬が興奮して道路に走り出し、車にひかれていました。思わず 「ギャーッ」と悲鳴をあげてしまい、携帯で話していた主人が私が事故にあったのかと勘違いしてパニックになってしまいました。

どこの国にもマナーの悪い人間はいるものです。

マナーというよりも、道徳的な判断基準が私たち日本人とはかけ離れています。道徳のお手本であるべき教会のシスター、警察までもがルー ルを守らないですからね。

うちの近くにある教会前の通りでは、ちゃんと信号があるにもかかわらず、シスターが知らん顔して信号無視。通りを斜めに横切っていきます。見ていてある意味興味深い光景です。人間観察ですね。日曜のミサの後、教会から出てきた人々が次々赤信号で道を渡っていく姿を見ると、疑問がたくさん 浮かんでくるんです。

警察はというと、駐車違反。それも横断歩道に。このため、多くのドライバーと歩行者が道をふさがれ、大回りしなければならないという事 態になってしまったとか。

そう駐車違反というと、この横断歩道に駐車している車が本当に多い。どうしてこんなに堂々ととめられるのかはじめは驚いていたのですが、最近は「ここはフランスだから」と思うように努力をしています…。

横断歩道を渡ろうとしていた時のことです。渡っている私の目の前で、その横断歩道上に駐車しようとしている車がいるではありませんか。 私はまっすぐ歩くこともできず、道をブロックされてしまいました。この勝手さに怒りが抑えられず、思いっきりその車の窓をノック。ドライバーは、驚いたか のようにこちらを見て、私を呼び止めようとします。私は無視して去ったのですが(フランス語できないし)、その男性は遠くから「こっち来い」と呼んでいま した。うーン、フランス語ができたらいっぱい言ってやりたかったのに…。

illeagal parking
この車、動いているわけではないですよ。駐車してあるんです。奥の黒い車もそうですね。

illeagal parking

illeagal parking

illeagal parking

illleagal parking

traffic
夜の路上。警察の目の前に違法駐車。

こんな風景はフランスでは日常茶飯事です。きりがないと主人に言われたためこの辺で終了。

illeagal parking
そして、こういった町中で見かけられる駐車違反の車に対し、市長も困った状態。警察のあり方を厳しく批判しています。駐車違反の罰金は11ユーロ、これを今後25ユーロに値上げする方針。さらに対策用の予算を拡大する予定だとか。(フリーマガジンMetroより)

そしてそんな中、こんな記事も発見(同じくフリーマガジンMetroより)。 子供に《横断歩道免許を》と。これを見て主人と大爆笑。「道を渡るのに免許がいるんなて!取れなかったら、道渡れないの?」 大体、子供に学校で交通ルー ルの講習なんてやったって、普段周りにいる大人が手を引っ張って赤信号渡らせるような社会ですよ。本気で考えているのかと思うと、笑ってしまいました。

license

そんなことより、もっと運転免許取得のシステムを改善するべきなのに。これもいくつかのフランス人に聞いたのですが、フランスにある教習所というのは、多くがお金目当てであったりするんだそうです。誰かの知り合いで入ったりすると、すぐに取れるけれど、知らないと失敗しなくてもわざと何 回も落とされるんだそうです。うちの主人もそうとは知らず何度も何度も挑戦。何が失敗だったのか分からないまま。すると知り合いのフランス人が、「当たり 前よ。私が通っていたところ紹介してあげるわよ。」と。特にパリにある教習所はこのようにお金を稼いでるんだそうです。ということは、ルールもいまいち分 かっていないような人も免許が取れてしまうということになります。

うちの主人が、同僚たちと車でランチに出かけたときのことです。そしてその時の運転手が、道路標識も理解できず、サバイバルなドライブ だったとか。怖い。

皆さんも、通りでは気を付けてくださいね。フランスでは赤だろうと青だろうと関係ありません。日本人のもつ道徳は通じません。残念なが ら。

最後にある英字雑誌の引用です。

The French are champions at dexterous sports such as fencing and skiing. But they really excel at their national pastime-parking. It’s been elevated to an art form. ~ The French ar a touchy-freely nation, so it’s no surprise that gentle nudges and slight shoves between cars are quite acceptable. (The Paris Times)

〈フランス人というのはパーキングに秀でている。一種の芸術の域にまで達している。ちょっとくらい車が接触しても気にしないフランス 人。〉と、日本人だけではないのです。みんなが驚いているのです。

illeagal parking

illeagal parking illeagal parking
これが、フランスのもう一つの芸術?

on the railroad
そしてこちらが特別賞受賞の路上ではなく線路上パーキングです。

on the bridge
また夜ともなると橋の上は駐車のオンパレード。月明かりに車が輝き芸術です。

traffic light
そして、誰も見てくれないパリの信号機は、そっぽを向いてしまいました。

貯金箱

フランスで配布されているフリーマガジンに、こんなEDF(フランス電力)の広告がありました。

tirelire

HEY, ATTENDEZ!!!
QUELLE QUE SOIT VOTRE ENERGIE DE CHAUFFAGE,
IL Y A DES SOLUTIONS POUR FINANCER VOS TRAVAUX D’ISOLATION
SANS TOUCHER A VOS ECONOMIES
(アクサン省略)

ちょっと待って下さい!!!
暖房のエネルギーとなるものがなんであろうと、
貯金を使わず、断熱工事のための融資を受ける方法があります。

lesson 1 : Attender(待つ)という動詞の活用、Vous attendez(あなたは待ちます)の Vousが脱落し、命令形Attendez「待って下さい。」となる。ちなみに Tu attends(君は待つ)のTuをとって、 Attends 「待って。」とカジュアルにすることも可能。

lesson 2 : Quel(le) que +etreの接続法 「~がどんなものであろうと」
J’achete cette maison quel qu’en soit le prix. (ジャシェットゥ  セットゥ メゾン ケル カン ソワ ル プリ)「どんな値段だろうとも私はこの家を買います。」

lesson 3 : Il y a ~ 「~があります」
Il y a une voiture devant la maison. 「家の前に車がある。」 またトイレで、”Il y a quelq’un”. (イリヤ ケルカン)と言うと「入ってます。」という意味になる。

lesson 4 : Sans+不定詞 「~しない で」
sans rien dire /sans dire un mot 「何も言わないで」 あるいは Cela va sans dire. (スラ ヴァ サン ディール)と言うと「それは言うまでもない。」となる。

と、実は私は別にこの広告の文に注目したのではなく、その絵に興味を引かれたのです。長い前書きでした。そう〈貯金箱〉。昨日の夜フラ ンス語の単語を覚えていてこの〈貯金箱〉というのが出てきたので、ちょっとうれしかったのです。

私: 「貯金箱って、フランス語でtirelire(ティルリール)って言うんでしょう?」

夫: 「よく知ってるね。」

私: 「tire(ティール)は引き出すで、lire(リール)は何を読むの?」
*tirer 「引っ張る、引く、引き出す、印刷するなど」  lire「読む」

夫: 「tireは引き出すだけど、lireは読むという意味じゃない。それはイタリアの貨幣リラから来てるんだ。だから tirelireは貨幣(コイン)を引き出すっていうことになる。」

私: 「なるほどー。でもなんでイタリアのお金を使うの?」

夫: 「…。」

私: 「フランは大金で、リラは小金って思ってたんじゃないの…。」

lesson 5 :  Elle met des sous dans sa tirelire. 「彼女は貯金箱に小銭をためている。」 sou(ス)は複数形で話し言葉の「お金」という意味。

As-tu des sous?「お金持ってるかい?」
Il est sans le sou. 「一文無し」

lesson 6 : casser sa tirelire (カッセ サ ティルリール) casserは「割る」で、文字通り「貯金をはたく」という意味。

lesson 7 : tirer の名詞 tirage 「ティラージュ」。よく街中で目にする文字です。そうコピー屋さんで。「印刷」という意味。その他にも「引く」という意味から、le tirage au sort 「くじ引き、抽選」、Il y a du tirage. と言うと、抵抗があってうまくいかない「困難がある」という意味になります。

ネグリジェ

外来語を除くと日本語は成り立たないくらいの多さ。どこを見てもたくさんのカタカタを目にします、でも、外国語を学ぶ者にとっては、ちょっとした雑学になっておもしろいものでもあります。

毎日コツコツと単語を覚えながら、主人に使い方があっているか見てもらっているのですが、ある日こんな発見をしました。

une tenue neglige (ユヌ トゥニュ ネグリジェ)と言ってみたところ、それはune tenue negligente(ユヌ トゥニュ ネグリジェントゥ)じゃないかと訂正。une tenueと は「服装、身なり、行儀、態度、姿勢」という意味。negliger「おろそかにする、注意を払わない」という動詞か ら派生した形容詞negligeは「(仕事、身振りなど)雑な、だらしない」、そしてもう一つの形容詞negligente「(人) 怠慢な、だらしない」。私はこのうちの前者の意味でune tenue neglige=negligent in dress(だらしない身なり)のつもりで言ったのですが、主人は une tenue negligente=a negligent attitude(だらしない態度)と捉えたのです。そう英語では人・物両方同じ形の形容詞が使えたのですが、フランス語では変化するのです。

negliger「おろそかにする、注意を払わない」
negliger son travail(仕事をおろそかにする) / negliger sa sante(健康をおろそかにする)/ negliger sa tenue(身なりにかまわない) / negliger ses enfants(子供をほったらかしにする)

negligence 「怠慢、不注意」
avec negligence(いい加減に、雑に) / par negligence(不注意で、うっかりして)

negligent 「怠慢な、だらしない」
Ce que tu peux etre negligent! Range ta chambre. (なんてだらしがないの。部屋を片付けなさい。)

そして、そんな話をしていたとき、ネグリジェってあの夜着るネグリジェのこと?と、ふと。そう、身なりを構わない、だらしない格好。 neglige ネグリジェは「部屋着、化粧着」という意味を持っていたのです。英語ではnight gown。

ライオンの歯

以前「海の歯」 というタイトルでぺージを作りましたが、今回は「ライオンの歯」です。さてフランス語で ライオンの歯 dent-de-lion(ダン  ドゥ リオン)というと何のことでしょう。

*dent(ダン)「歯」    de(ドゥ)「~の」    lion(リオン)「ライオン」

lion

ライオンの歯をイメージしてみましたか? ちょっと結びつきにくいかもしれませんが、dent-de-lion(ダン ドゥ リオン) とは「タンポポ」を表します。英語でもdandelion(ダンディライオン)といいます。中学校のときの英語のテキストに載っていたような記憶があります。由来が説明してあったような。

この名前は、タンポポの葉のふちがぎざぎざになっていることからつけられたそうですが、日本人にはそんな発想がないような気がします。 もっとかわいらしいイメージのような気が…。

さらに、フランス語には、このタンポポ dent-de-lionにもう一つ正式名があって、pissenlit(ピッサンリ)とも呼ばれています。

*pisse(ピッス)「小便」    en(アン)「~で」     lit(リ)「ベッド」

そうこの pissenlit というのはフランス語で「寝小便」という意味。セイヨウタンポポはサラダなどにして食べられ、利尿作用 があるとされるところからこの名前がつきました。おもしろいですよね。ちなみに、ベルギーにいる「小便小僧」はManneken-pis 英語では  Little man piss と言います。

また日本語名の「タンポポ」は、花を鼓にたとえて「タン ポン ポン」と音をまねたのだという説が存在しています。

dendelion