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鳩サブレ

サブレといえば鳩サブレ。いろんなサブレがあります。ある日サブレについてこんな発見が…。

話はある祝日のランチに始まります。

久しぶりに主人と同じ日に休暇が重なり、シャンゼリゼでもぶらぶらしようと外出。お昼は軽く済ませるため、QUICKというファースト フードレストランへ。そこで新メニューらしきものを発見。カレー味のトルティーヤ。おいしそうだったので2人とも同じものを注文して席に着く。そのトル ティーヤ、持ち運びができるようにうまくパッケージに入っていて、そのパッケージをいろいろ読んでいたら、開け口のところにこんなセンテンスを発見。

TIREZ, DEROULEZ, SAVOUREZ (ティレ、デルレ、サヴレ)

savourer

TIRERとは「引っ張る」とか「引っ張って開ける」、DEROULERは「広げ る」という意味で、なんとなく言いたいことが分かります。「そこの部分を引っ張って開けてください」といった感じですね。でも最後のSAVOURERと いうのがよく分からなかったので、主人に質問。

「Gouter(グゥテ)は何かの味を見たり、試食(飲)したりすることで、Savourer(サヴレ)はそれより もっと上で、その味を楽しんだり、賞味したりすること。」という説明でした。

まずGouter(グゥテ)から。そう日本でも聞きなれた、Gout(グ)は 「味」という意味ですね。Gourmet(グルメ)はもうそのまま「グルメ」もしくは「食通・美食家」。そこから派生 した Groumand(e)「グルマン」というと「食いしん坊」という意味になります。

またおもしろいのはフランス語でも英語でも「センスがいいね」というのにこの味というのを使います。
仏語:Tu a du gout. 英語:You have good taste.
間違っても、「センスがいいね」という意味で You have good sense. などと言わないように気をつけてください。
また Je prends mon gouter. というと、「おやつを食べる」 という意味になります。

ではSavourer(サヴレ)の方はというと、この単語の意味を知った時「なるほどー、そういえ ば英語にsavorというのがあったなあ」と。あまり使ったことのない単語ですが、「~の風味がある」とか「~の香り がする」、そして「~を賞味する・~の香りを楽しむ」という意味があります。gouter:tasteは味を試してみ る、 savourer:savor はその味を楽しむといった感じでしょうか。

そこで、さらにピンときたことがあり主人に、「あー、だからクッキーのことをサブレって言うんだ。よく味わって食べるように。」と言っ たところ、思わぬ発見が。主人の説明によると、クッキーのサブレとはまったく関係がないということ。クッキーのサブレはsable(最 後のeにアクサンがつきサブレと読みます)と書き、sable(サーブル)「砂」 からきているそうです。多分あのクッキーを食べた時、砂のようにぼろぼろ崩れるところから来ているのでしょう。

長ーい前書きでしたが、なんだかすっきりした気分になりませんか。

オランジュリ-美術館

パリといえば、美術館めぐり。でも以外にこちらに住みはじめると、「いつで行けるわ」という感覚で、なかなか足を運ぶことがありません。そんな中、日本から来た友達からオランジュリ-美術館に行ってみたいという提案が。オランジュリ-と言えば「睡蓮」。確か、数年前に見てみたいと思ったことが あったような。でも当時は改装工事で美術館が閉まっていたのです。

そして今年(2006)、 6年ぶりに一般公開が再開。

オランジュリーと睡蓮
印象派の巨匠クロ-ド・モネ(1840-1926)がパリ近郊ジベルニーのアトリエで最晩年に描いた8枚の巨大な作品で、縦約2メ-トル、幅は総計100メ-トルに近い。「睡蓮」はモネが亡くなった翌年の1927年に国に寄贈されることに。モネは死後にこの作品を公開することを望んでいて、生前から国はこのオランジュリ-美術館の内部を改造しこの作品を管理していました。そして当初は彼の遺志でもあるよ うに、自然光の光でこの作品が展示されていました。

しかし、ジュリエット・ワルター夫人から、セザンヌ、ルノワ-ル、マチス、ピカソなどの作品144点の寄贈を受け、これらのコレクショ ンを展示するために、66年までに全館にわたりフロアを1階増やし、「睡蓮の間」は人工照明の部屋へと変えられてしまいます。

さらに、2000年には、同美術館の老朽化もあり、フランス政府は、施設の近代化とともに、再び自然の光の入る「睡蓮の間」を作ることを決断。2004年に再オ-プンする予定で工事に入ります。

しかし2003年、美術館の下から16-17世紀に建てられたパリを外敵から守るための城壁が発見されます。この遺跡は地下を斜めに走 り、工事は難航します。歴史団体の論争の末、20メ-トルだけ修復し保存することに。そのため工事は一年半延長し、総工費は当初の計画を大幅に上回る 2900万ユ-ロ(約38億6000万円)へと膨れ上がってしまいました。設計を担当していた建築家も「すべて壊して、建て直したほうが早いほどだっ た。」と語っています。

再オ-プンした美術館の「睡蓮の間」は楕円形の2つの部屋に分かれており、それぞれ「睡蓮」が4枚ずつ、ぐるりと掲げられています。そ して天井は、円錐型の吹き抜けで、障子のような膜を通して自然の光が差し込むようになっており、鑑賞者はまるで、池の中を回遊しているような雰囲気にとら われてしまいます。

(観光/マルモッ タン美術館のぺージでモネの歴史紹介)

「睡蓮の間」
真新しい透明感のある白い建物の中へ入ると、やさしい光に照らされたモネの「睡蓮」が目前へ現れてきます。浮き出すようなその淡い色に一瞬本当に池の淵に立っているような気に陥ってしまうかもしれませんよ。彼がいた場所に自分も立っているようなそんな空間です。

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地階にはルノワ-ルの「ピアノによる少女達」やセザンヌ、マティス、ピカソ、ユトリロなど144点の作品が展示されています。

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Musee de l’Orangerie

Jardin Tuilerie 75001 Paris
メトロ Condorde
入場料 6.50
開館時間はお昼12時半から。私が訪れた日は朝11時半くらいからちらほらと人が集まり始めていました。先にインタ-ネットなどでチケットを予約しておく といいですね。 ル-ヴル美術館と目と鼻の先にあります。美術館はどこも待ち時間が大変ですが、足を運ぶ価値は大です。
美術館公式サイト (日本語もあり)

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キャベツの中

日本から戻ってきた私たちのところにマルセイユの友達からチャットのメールメッセージが入っていました。時差ぼけの頭の中、そのフランス語を読んで いたら、なんとなく 「日本から戻った? 酒を飲んだ?」というような内容のことが書いてあることが解明。でもそのメッセージの最後にある Tu es dans les choux?(チュ エ ダン レ シュ)がどうしても分からない。何でキャベツの中なんだろうと。  《Tu es =あなた dans =中に les choux=キャベツ》

どういう意味か、辞書を調べても載っていない。そこで主人の登場。生きているフランス語辞書です。

Tu es dans les choux? 頭の中で自分がキャベツの中にいるのを想像してみてください。それは「寝ている」という意味なんだそうです。なんてかわいらしい表現をするんだろうと感動。

そう、その友達は、「日本でたくさん酒を飲んで今眠ってんの?」と言っていたそうです。

ちなみに、キャベツ=chou(シュ)といえば、日本でもおなじみのシューク リーム。これは英語ではないですよね。フランス語で正確に言うと chou a la creme(シュ ア ラ クレム)と言い、英語では cream puff (クリームパフ)かな。英語と思って「シュークリームを食べる」と言うと、「くつ磨きのクリームを食べる」と聞き間違えられるので気をつけてください。

Love ハンドル

フランス語を勉強しようしようと思いながら数年が経ち、いまだに英語を追求する今日この頃。この間も英語の表現力をあげようと本を読んでいると、”Love Handles“という言葉が出てきました。なぜこの単語に興味を持ったかというと、こんなLoveがつくような愛らしい表現のわり に、その表すものというと なんと「わき腹についた贅肉」なんです!! 確かにつかめるからハンドルはハンドルだと思うんだけど….。

この発見にちょっと調子にのって、うちのフランス人に何か分かるか試してみました。「Love Handlesってなんだと思う?」と。

すると、にやり。なんとフランス語でも同じ表現をするんです。フランス語では” Les poigees d’amour” と言い、「愛のひとつかみ」とか「愛の取っ手」という直訳です。

こんな風に表現されると「わき腹の贅肉」も美しく見える!?

しょっぱいポエム

メトロに毎日のように乗っているのですが、普段勉強できないフランス語を少しでも有効に学べるよう、できるだけ電車の中ではフランス語のチラシやポ スターに目をやっています。そしてある日、こんな詩を見つけました。

La ville est dans l’homme, presque comme l’arbre vole dans l’oiseau qui le quitte.

ブラジル人がメトロに投稿したみたいなのですが、分かりますか? 私はまずフランス語の理解から始まって、そこにどんな意味が隠れているのか想像するのに何時間もかけてしまいました。何が言いたいのか気になって気になって….。うちに帰って夕飯を食べながら主人と二人でできる限りの 想像力を駆使してみました。そしてふと、頭の中にあることが浮かんできたのです。

皆さんは、どういう風に想像しますか?

英語で直訳すると、

The village is in man, almost like a tree is flying in the bird that is leaving the tree.

日本語で直訳すると、

その町は人の中にあり、ちょうど木がその木を離れようとする鳥の中を飛んでいるかのようだ。

どんなことを想像しますか。私が想像したのは、

「町というのは人間の中、つまり人間によって築かれ支配されるもの。そして人間が町を作るということは、木(自然)を失うこと、そして、そこを住処としている鳥たちが追いやられること。飛んでいく鳥とともに木も飛んで行ってしまうのだと。」

tree

また、この解釈を導くに当たって、ブラジル人というのにヒントを得たことも付け加えておきます。ブラジルと聞いてアマゾンを思い浮かべ たからです。そしてこのタイトルには poem sale ポエム サレ (*アクサン省略) と書いてありました。サレとは、しょっぱい (ちなみに sel セル=塩) という意味で、sweet poem(甘い詩)にかけているかなあと。自然破壊は人間にとってはしょっぱいような、苦いような問題ですよね。