Category Archives: フランス観光

ヴォルヴィコント城

Chateau de Vaux-Le-Vicomte ヴォルヴィコント城
ヴォルヴィコントとはルイ14世に仕える財務長官Nicolas Fouguet二コラ・フーケの地所です。財宝の数々で埋め尽くされた彼の城は、17世紀中頃、他のどんな貴族も真似できないほど近代的でエレガントな傑作と称されていました。

ところが、このような華やかさが太陽王ルイ14世の嫉妬を招き、フーケは牢獄され、のちにヴェルサイユ宮殿がフーケの築いたヴォルヴィ コント城を元に建てられることになります。

ヴォルヴィコント城への行き方
Metroメトロ・シャトレーもしくはリヨン駅でRER D(パリ市内近郊を走る電車)に乗り、一時間ほどすると終点Melun ムランに着きます。そしてそこからは駅前から出ている専用シャトルバスを利用します(往復7ユーロ/4月から10月までの週末と祝日運 行/時刻表など詳細はホームページにて)。ちょっとそのバス停を探すのに手間取ってしまいましたが、カフェの並ぶ通りに立っています。出発時間の20分前 にはバスが到着し、それまでどこにいたのか不思議なくらいたくさんの人々がやって来ました。そして出発。街中を抜け、木々に囲まれた細道を進み20分ほどするとヴォルヴィコント城に着きます。


クリックす ると拡大します。

ヴォルヴィコント城内

Les Charmilles
バスを降り、城構内へ進んでいくと、まずお土産やさんとレストランがあります。お天気も良かったのでたくさんの人々がランチを楽しんでいました。5月から 10月の間の平日オープン。

The carriage museum(馬車博物館)
さらに奥へ進むと、馬車のコレクションが展示してある建物があります。左下の黄色い馬車は猟をした後に獲物を入れておくためのものだそうです。そんな馬車があるなんて知りませんでした。他にも子供用のポニー馬車など、たくさんの馬車が保存してあり、どれだけ裕福であったかが実感できます。

Chateau de Vaux-Le-Vicomte ヴォルヴィコント城
そして少し歩いて、お城へと到着。水に囲まれたお城はどこか訪問客を潤してくれます。

城内は見所がたくさん。これもあれもと説明を読みながら見学していきます。絵画などには当時の古いフランス語で説明がされていたりする ので、その言語にも興味津々となりながら見て回りました。昔のフランス語はラテン語に近かったので余分な部分が省略されて、現在のフランス語のアクサンが 生まれたんだそうです(フランス語アクサン記号の謎参照)。

下の絵は二コラ・フーケが裁判にかけられている様子です。ただの嫉妬で刑にかけられるなんて当時の絶対王政の力がうかがえます。

またにニコラ・フーケと親交のあった人物には寓話作家ラ・フォンテーヌの名前も。フランスではイソップ童話の紹介や他にも数々の寓話を 残し人々に親しまれています。絶対王政の中、王に向かって直接批判をすることはできなかったので、彼は彼の作品の中で、王をライオンと例え非難を表していたそうです。(関連ぺージ:観光/ラヌ ラグ公園

そしてこちら(左下)は当時のバスルーム。中央のちょっと長めの椅子のような形のものがお風呂です。そこに手前にある入れ物でお湯を入れたそうです。また右端の穴の開いた椅子が【トイレ】です。うーん、こんな普通の部屋の中でバスタイムは落ち着かない。右下の写真は寝室。昔の人は小さかったんですね。こんなスペースに私はおさまりません。

こちらはニコラ・フーケの書斎、方形の大部屋と王家の控えの間。ここでどんな本を読んでどんなことを考えていたのでしょうか。

ブッフェ広間はフーケの旧食堂。それ以前の時代では、主人や客のいる部屋に料理が運ばれていたので史上最初の食堂と言われています。右はワインセラー。

そして鉄仮面伝説。当時の王政下で牢獄された人物の中に鉄の仮面をかぶった囚人がいたそうです。仮面には鍵がかけられており、一言も口を聞かなかったそうです。そして彼の顔を見たものは全て処刑されてしまったという。ある説によるとルイ14世の双子の兄弟だったのではないかとも言われてます。それも本当かどうかは闇の中。いまだに誰だったのか、その話自体本当にあったことなのかも分からないままです。そしてニコラ・フーケはこの人物のことを知っていたのかどうか。

見所はまだまだ他にもたくさん。ヴェルサイユ宮殿のモデルにもなっただけあって、造りも良く似ているところがあります。比較しながら見 学してみるとおもしろいかもしれませんね。

途中にはDome visit(展望台見学/別料金)があり、美しい庭園を一望もできます。

ヴォルヴィコント庭園
では次はヴォルヴィコント庭園へ。この庭園を設計したのは、後ヴェルサイユ宮殿も手がけることになる造園家ル・ノートルです。彼の功績を称え、彼に与えられたシンボルがこちらキャベツとカタツムリ(右下)。城内にLe Notre exhibitoinが 設けられているので、そこで彼の作品について知ることができます。

この庭園は土地の傾斜など緻密に計算がされており、数学の知識が至るところに張り巡らされています。広大な敷地の中に置かれた大きな噴水のおかげで、城は実際よりも近くに見えるという目の錯覚が起こります。そう、近そうでものすごく遠いんです。川を挟んだ向こう側の丘に像が立っており、そこまで行くのにそんなかからないだろうと思って歩いて行くのですが、結構時間がかかる。そしてそこから城を見返すとそんな遠くにあるような気がしない(不思議)。それどころか手前にある大きな噴水の水に城が映っているのまで見えてしまう。

写真では伝えきれませんが、城から徐々に離れていきます。

ちょっとここで休憩。川の手前まで着ました。
夏には噴水ショーや花火もあります。きれいでしょうね。

城を川を挟んで反対の丘から見た眺めです。

丘の上では歩いて来た人々がそれぞれに休息をとっています。私たちも草の上に寝転がってちょっと休憩。
緑に包まれ、のーんびりとできました。

ヴェルサイユ宮殿もいいですが、その元になったお城を訪ねてみる価値があります。

Chateau de Vauxt-le-Vicomte
77950 MAINCY

TEL: 01 64 14 41 90
FAX: 01 60 69 90 85
オフィシャルサイト

オープン
3月24日~11月11日の毎日(2007年度) *7月6日、7日を除く
10:00am~5:30pm  *平日 1:00pm~2:00pm  お城は閉まっています。

12月22日(2007)~1月6日(2008) *12月25日、1月1日を除く
10:00am~6:30pm

詳細は上のオフィシャルサイトにて確認してください。

イベント
またここヴォルヴィコントでは年間を通していろんなイベントが企画されています。サイトで詳しくチェックしてみてください。

(2007年度のイベント情報)

・17世紀のコスチューム/ランチパーティ 6月17日(2007)

・ヴォルヴィコント夏のパーティ 8月14日(2007) 野外劇、音楽、花火

・屋外オペラ [Le Barbier de Seville] 9月6日~9月9日(2007)

・バロック音楽コンサート 10月20日(2007)

・ヴォルヴィコントクリスマス 城内庭園がクリスマスデコレーションされます。 12月22日(2007)~1月6日(2008)

・キャンドルライト 8:00pm~11:00pm 7月、8月の毎金曜日(7月6日を除く)。5月5日~10月6日の毎週土曜日(7 月7日と9月8日を除く)。

・噴水ショー 3月24日~10月27日 3:00pm~6:00pm 毎月第2と最終土曜日。

パリからのツアー
Paris Vision: 01 42 60 30 01
Euroscope: 01 49 46 24 50
Paris Trip: 01 42 12 86 76

ジベルニー

モネが暮らしたことで有名な村、ジヴェルニー。パリから北西へ約88キロのところに位置します。

行き方

パリからはサン・ラザール駅でルーアン(Rouen)行きなどに乗り、ヴェルノン(Vernon)で降ります。電車によって停車駅数が異なるので1時間半かかる場合もあるし、私たちの場合は45分ほどで着く電車を利用しました。SNCFのサイトで運賃料金を比較すると料金の差も分かりやすいですよ。私たちは一番安かったチケット片道11.60€。

ヴェルノン駅に着いたら、ジヴェルニーへアクセスする方法は3つ。まずは駅前にあるバス停からバスで。私たちは駅前のカフェで自転車を 借りました(一台一日10€)。お天気も良かったのでサイクリングがてら、のんびりとジベルニーまで楽しむことができたし、多分バスからは見えないまたは 味わえない雰囲気が味わえてとてもよかったです。そしてその途中には歩いてジヴェルニーへ向かう人も何人かいました。のんびりぶらぶらとするのもいいかも しれません。

セーヌ側沿いに車道が走っているのですが、そこから少し奥の山側に自転車と歩行者用の道が設けてあります。上の写真のようにまっすぐと自転車をこいでいきます。この日は朝早かったので人はまだ見かけませんでしたが、帰りには地元の子供たちが三輪車に乗って遊んでいたり、ベンチで本を読んだりおしゃべりしている人、さらに散歩をしている人などたくさん見かけました。

そして専用道を抜けると、Rue Claude MONET クロード モネ通り。モネの家が近づいてきます。

こちらは同じ通りに立っている教会。この右隣に色とりどりの花々でいっぱいにされたモネのお墓がありました。

モネの家

そしてようやくモネの家へと到着。そこには朝10時に着きましたが祝日ともあってもうすでに結構人が並んでいました。小さな入り口でチ ケットを買い(5.50€)、階段を下りて行くとまずそこはお土産売り場。そして花々がちりばめられた庭へと続きます。

花々に埋め尽くされた庭を歩いていると、甘い香りに心も癒されるような気がします。今回の写真は4月のもの。チューリップやパンジーが たくさん咲いていました。これから夏にかけていろんな花を咲かせるんでしょうね。

そしてこちらがモネの家。淡いピンクとグリーンが庭ととてもマッチしています。こんなところで毎日花々を眺めながら暮らせるなんていいなあと。

内部に入ると、まずモネが収集した日本の浮世絵版画が所狭しと飾られているのに驚きました。いきなりタイムスリップしてしまったような 気分に。「日本の浮世絵には動きがある」といってモネは賞賛していたそうです。その中には当時の日本人が見たアメリカ人、イギリス人、オランダ人、ポルトガル人、ロシア人などの絵があり、それを興味津々となって西洋人たちが眺めていました。うちの主人もとても興味深いと見入っていました。そして一階の奥に はモネのアトリエや目がちかちかしそうなくらい青いキッチン、黄色いダイニングルームとあり、二階へあがるとベッドルームなどがありました。二階から見る庭の景色も素晴らしかったですよ。

そしてさらにモネの代表作「睡蓮の池」のモデルとなった日本式庭園と向かいます。連絡路を通って車道の下をくぐり反対側へと移動。大きな柳と蓮が特徴的なあの池へとやってきました。

この池を囲むように散策路が作られておりぐるっと一周することができます。本当に絵の中を歩いているかのような気分。幻 想的な雰囲気です。睡蓮は時期としては4月は早すぎましたが、それでも充分満足。水面に映った木々や草花とのコントラストがとても美しかったです。ここで あの大作が描かれたのだなあと。

そんな興奮感に浸りながらしばらく庭に用意されたベンチで一休み。自然の美しさをゆっくりと鑑賞させてもらいました。

モネと睡蓮

睡蓮はモネが1890年代から描き始めた連作です。1899年から1926年に彼が亡くなるまで、ここジヴェルニーの睡蓮の池で200 点以上の作品を描きあげました。1890年代の作品には岸に生える柳や木、池に架かる日本風の橋などがモチーフとされていましたが、1900年代になる と、画面が全て水面で埋め尽くされ、水面に浮かぶ睡蓮や水草、水面に映る空や樹木などが描かれるようになりました。晩年は白内障を患い、失明寸前状態とな り、彼の作品は徐々に抽象的になっていきました。

ここモネの家では彼の作品ではなくほとんどが日本の浮世絵版画で覆われています。彼の作品をうかがうためにはパリにあるオランジュリー美術館そしてマルモッタン美術館に足を運びま しょう。モネを追ってフランスの旅もいいですね。

そして私たちは、帰るまでにまだ時間に余裕があったので、しばらくサイクリングを楽しみ、サンドイッチを買って草むらの上でピクニッ ク。日光浴がてらにそこでしばらくうたた寝をしてから駅へと向かいました。ひっそりとたたずんだ村の中には、たくさんのB&Bや農家自家製サイ ダーなどのサインをみつけました。暑かったけれど新鮮な空気がたくさん吸えた一日でした。

Fondation Claude Monet

86, rue Claude Monet – 27620 Giverny
TEL : 02 32 51 28 21

ホームぺージ

オープン
9:30~18:00
休み:月曜、11月~3月 月曜日でも祝日に当たると開いているそうです。サイトで確認を。
入園料: 5.50€(大人)

サント・シャペル

Sainte Chapelle サント・シャペル

シテ島の左側に位置する建物、Palais de Justice最高裁判所の敷地内にそのチャペルはあります。狭い入り口の前にいつも観光客の列が通りを埋め尽くしていて、いつか行こうと思いながら今度今度となかなか行けずにいました。でも今回は日本からの訪問客があり、一緒に行くことに。この日は思っていたよりも人が少なくスムーズに。

メトロ4番線シテで降り、パリ警視庁を正面に右へ向かって行くと最高裁判所がありまあす(左下写真)。その裁判所の立つ通り少し左に入っ た所に入り口が設けてあります。入り口で手荷物検査を受けて、そしていざチャペルへ。最高裁判所の一角にこんな建物が現れます(右下)。こんな場所にこん なチャペルがあるなんて少しびっくり。外から見るとものすごい門構えの裁判所のイメージしかなかったので。

palais de justice

では、このチャペルの歴史をさかのぼってみましょう。13世紀にSaint Louis 「聖王」と呼ばれていたルイ9世が、十字軍の遠征で手に入れたキリストの「茨の冠」を納めるために建てたのがこの2層式ゴシック様式の礼拝堂でした。

ルイ9世が1230年に王位につくと、国の政治的、宗教的基盤を強めなければならないと考え、聖遺物のいくつかを買い求めたいとオリエ ンタル皇帝ボードゥイン2世と交渉を開始しました。1239年、交渉がうまくいき、パリはキリストの「茨の冠」を受け取ることに。2年後にはHoly Cross(聖なる十字架)も獲得しました。

まずは一階。黄金色に、でもどこかぼんやりとした不思議な空気の漂う空間。たくさんお土産も売っていましたが・・・。

そして上層には、高さ15mのステンドグラス。こちらは世界最大、パリ最古と称され、出エジプト記や聖マリアの生涯など聖書を題材に描 かれています。狭く暗い階段を上り、2階へ着くとまるで別世界かのように輝く空間が。「聖なる瞳」とも呼ばれているそうです。

また椅子がステンドグラスを向いて並べてあるので、そこに座りながらじっくり鑑賞するのもいいかもしれませんね。こんな建物をどうやっ て昔の人は作ったのだろうと。どこの国でも同じですが、古い建築物というのは、芸術性、技術性に優れていて、材料物資など制限が多かった時代にこれだけのものが作れるなんてと、いつも思うんですよね。

【Sainte-Chapelle 入り口】
4 boulevard du Palais  75001 Paris
Tel: 33 / (0)1 53 40 60 80
Fax: 33 / (0)1 53 40 60 90

【オープン】
9.30 am – 6.00 pm 3月1日~10月31日
9.00 am-5.00 pm 11月1日~2月29日 (30分前には入場終了)
1月1日、5月1日、12月25日は休館

【料金】 7.50ユーロ *サン・シャペルとコンシェルジュリーの共通券11.50ユーロ

【関連サイト】 La Sainte Chapelle

Conciergerie コンシェルジュリー

さて、一度この裁判所から外に出て、今度は通りの右側にある入り口からコンシェルジェリー(門番)へ。もともとは14世紀にフィリップ 4世によって王宮として建てられたゴシック様式の建物です。 しかし14世紀からは監獄として使われ、18世紀フランス革命後には多くの貴族や革命家が刑 の執行前にここへ幽閉されました。また1793年の8月から10月まで、マリー・アントワネットが処刑されるまでの76日間を過ごした独房なども再現されています。


マリー・アントワネットの独房


マリー・アントワネットが最後に口にしたかもしれないという水を飲む際に使ったとされる水差し(右)。

【Conciergerie 入り口】
2, boulevard du Palais  75001 Paris
Tel: 33 / (0)1 53 40 60 93
Fax: 33 / (0)1 53 40 60 96

【オープン】
9.30 am – 6.00 pm 3月1日~10月31日
9.00 am-5.00 pm 11月1日~2月29日 (30分前には入場終了)
1月1日、5月1日、12月25日は休館

【料金】 6.50ユーロ *サン・シャペルとコンシェルジュリーの共通券11.50ユーロ

【関連サイト】 La Conciergerie

マルセイユ(プロヴァンス)

プロヴァンスの歴史:

プロヴァンスには紀元前1万年に、すでに人類がソルグからアントレープ地方の岩場に居を構えていたことがわかっています。紀元前600年にはギリシャ人が入り始め、小アジアからフォカイア人が現在のマルセイユにマッサリア王国をつくり、商業の拠点となっていました。1世紀になるとローマ帝国が関わってきます。その後混乱の時代が続き、異民族が進入してきてマッサリアはフランク王国の支配下に入ります。

13世紀初頭、フランス王ルイ8世はアヴィニョンを包囲。1229年パリで条約が結ばれ、 ローヌ川右岸はフランス王領となりました。1274年には法王庁がローマからアヴィニョンに移され繁栄の時代を迎えます。

その後、プロヴァンスは戦争の絶えない時代が続きますが、現在のようにプロヴァンス地方がプロヴァンス・アルプス・コートダジュールとして成立していきます。

プロヴァンスの文化:

プロヴァンスは多くの文化遺産が残る地方です。そしてまた多くの芸術家たちがたくさんの作 品を生み出したところでもあります。ゴッホをはじめ、ピカソ、マティス、セザンヌなどが挙げられます。伝統文化に関しては鉄球を投げて目標玉に接近させる ゲーム、La Petanque(ペタンク)や闘牛のFerias(フェリア)などが有名です。また先祖代々伝わる技術で作られる各種工芸品も魅力的なものばかりです。プロヴァンス独特の織物やサントンの粘土人形(フランスのクリスマ ス参照)はプロヴァンスの名物になっています。そしてプロヴァンス地方にも方言があり、パリのフランス語とはだいぶ印象が違います。パリと比べると、その風土ともあいまってプロヴァンスの人の話し方のほうが人懐っこく暖かみがあるような印象を受けるかもしれません。

petanque

Marseille マルセイユ:

マルセイユは、紀元前600年フォカイア人によってつくられたプロヴァンス最古の都市で、 以来、海上貿易の中心地として栄えてきました。船による渡仏が当たり前だった時代、日本人が最初に到着したフランスの地もマルセイユでした。現在もフランス第一の貿易港であり、パリに次ぐ大都市です。

まず中心地となるのが LeVieux Port(旧港) です。たくさんのヨットや遊覧船などの船が停泊する港で、周辺にはたくさんのカフェやレストランが並んでおり、名物のブイヤベースが味わえます。
そこからのびる La Canebiere(カヌビエール通り)にはデパート、ホテルなどが並びマルセイユの中心となっています。また港から見て右手にある丘の上にはノートル・ダム・ド・ラ・ガルド寺院が あり、そこから見下ろす景色は最高です。

vieux  port

cannebiere


旧港に向かって立つ教会。そして右は強大なオリーブの鉢植え。


遠くに見えるのがノートル・ダム・ド・ラ・ガルドです。毎日太陽が輝いています。ちなみにこの写真は12月クリスマス時期に撮影。停泊する船は色とりどり。地中海の雰囲気がいっぱい。


ノートル・ダム・ド・ラ・ガルド。この教会からの眺めも最高ですよ。マルセイユの町から地中海まで。

そして港から遊覧船で約20分、Chateau d’If (イフ城)は、16世紀、当時のフランス国王フランソワ1世が海を渡ってやってくる外敵か らマルセイユを守るために、砦として築かれたものですが実際役立ったことは一度もなかったそうです。このイフ城を世界的に知らしめているのは、作家アレク サンドル・デュマの小説「厳窟王」でしょう。この城は小説の主人公だけでなく、鉄仮面をはじめ、現実に数多くの政治犯や異教徒たちを幽閉、牢獄するために長年使われてきました。さらにそこから船で数分、Iles de Frioul(フリウル島)に着きます。ここは第二次世界大戦中ドイツ軍に占領されていましたが、1971年にマルセイユが買い戻したということで、特に観光ポイントがあるわけではないのですが、ここにある自然は手付かずの状態で残されています。お気に入りの場所は少し歩いたところにある小さな入り江になっているビーチです。澄んだ青い地中海とあまり人の知らない場所で静かにのんびりするのはとても気分がいいです。

frioul
観光ページ フリウル群島 も参考に。詳しくご紹介しています。

歴史に興味のある方は、旧港のすぐ近くにあるCentre Bourse(サントル ブルス)というデパートの中にあるMusee d’histoire de Marseille(マルセイユ歴史博物館 )をおすすめします。入り口階にはSavon de Marseille(オリーヴで作った石鹸)で有名なこの地域の産業の歴史を、昔の広告ポスターなどを使って紹介しています。階段を下りて地下階に行くとがらりと変わって、プロヴァンスの歴史の古さを感じさせる展示物がずらりと並んでいます。特に海上貿易の盛んだった都市ということで巨大な船の模型や、そのころの生活を表す道具などが数多く展示されています。さらに奥へ進んでいくと、プロヴァンス最古の都市を思いおこさせる住居の模型や、ミイラなどがおかれています。デパートの中にこのように立派な博物館があるなんてびっくりしてしまいます。

museum

museum garden
こちらが博物館の入り口。デパートの中です。外には本物の遺跡が公園として残されています。デパートを建てる際に発見されたそうです。

また日本でも人気のサッカー。こちらフランスではそれ以上。特にここマルセイユ。サッカー ファンの方なら、L’OM (L’Olympique de Marseille) が有名でしょう。マルセイユの南東に位置するホームスタジアムにはグッズショップが入っていて、地元のお客さんがたくさん買いものに来ていました。スタジ アムには60,000の観衆が毎ゲーム、チームをサポートしにやってくるそうです。

l'om

zidan
こちらは旧港の正面にあるL’OM カフェです。そしてジダンもマルセイユ出身(右)。

南仏といえばまた、オリーブや魚介類などの食材も豊富ですね。マルセイユの代表的料理として、ブイヤベースはおすすめです。旧港の周りにはたくさんのレストランが並んでいるのですが、地元の人に聞いたおすすめレストランをここでご紹介しましょう。どこのお店のメニューにもブイヤベースと書いてあるけれど、はずれが多いそうなので、せっかくマルセイユへ行くの ならば本物をお試しください。

miramar
MIRAMAR まず旧港に面したレストランの並びの中にある一番有名で おいしいブイヤベースのレストラン。ホームページ

michel
MICHEL 旧港を後に車で海岸線沿いを走っていくと左手に現れます。

petit  nice
LE PETIT NICE PASSDAT さらに進んでいくと地中海に突き出た 岩の上にレストランが立っています。

rhul
Le RHUL こちらはマルセイユでもっとも有名なホテル。地中海を正面にきれいな景色が眺められます。

そして南仏といえば地中海。旧港から東に少し行くと、Le Prado(ル プラド)と呼ばれる人工のビーチがあります。夏はもちろんのこと、冬でも日光浴に人々が多く出かけます。地中海は一年 を通じて温暖な気候なのです。泳ぐには寒いかもしれませんが、冬でも充分地中海の気分が満喫できると思いますよ。遠くには上でご紹介したイフ城やフリウー ル島 が見えます。


こちらの写真は12月クリスマス時期に撮影したもの。太陽が輝きとても穏やかな天候です。


そのビーチの正面の道路中心に立つミケランジェロのダビデ像。なぜこんな所に。カモメが頭にとまっています。地中海を見下ろす丘に建つ高級住宅やマンション。


そして近くのカフェで夕日を見ながらgrenadine(グラナディン)のシロップでも。


こちらはLuminy(リュミニ)と呼ばれる森から見下ろした地中海。ハイキングコースになっています。

まだまだ見所の多いマルセイユです。フランスはパリだけではありません!ぜひ南にも足を運んでみてください。

関連ページ
マルセイユのおいしいもの
マ ルセイユのお土産
カシスの町

観光案内所/Tourist office in Marseille

マルセイ ユ観光船協会/Information about excursion boats in Marseille

フランス歴 史文化財/Historical monuments in France

マルセイユ市公式ウェッブサイト/ Official Website of Marseille

ジャルジー (サヴォワ)

パリからアヌシー(オートサボワ県)までTGVで4時間、そこからさらに1時間半、少し南下して、おとなりサボワ県にあるジャルジー(Jarsy) という村に向けて車でアルプスの山の中へと入って行きます。くねくねと曲がる山道や農道をドライブです。そうそこは電車もバスも通らない、100パーセント自然の環境です。

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写真(左)の遠くに見えるのがアヌシー湖です。どんどん山を登っていきます。その途中には牛がいたり馬がいたり、のどかな景色が迎えてくれます。動物たちはおとなしくて飼いならされているため、好奇心で寄ってきます。はじめは怖かったのですが、主人のお母さん (動物大好きの)が大丈夫よって馬をさすっている写真が右です。真ん中の写真の牛もじーっとこちらを見つめて観察。どんなことを考えてるんだろう と・・・。

念のために、こういった牧場に張り巡らされている柵には軽い電流が流れているので触らないように。家畜が道 路に出ないようにと設置されているのです。

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そしてジャルジー到着。360度の自然の中。とにかく静か。村の人々はどんな暮らしをしてるんだろうと思うくらい静かで、たまに車が数台通るくらいの音。人もめったに見かけませんでした。その他は、虫の声だとか牛のベルの音だけでとても心地よく、これが本当の地球の姿なんだなあと。山々もそびえ立っています。そしてまた夜見た星空は最高でした。空にはこんなにたくさん星があったんだと感じるくらいのスケール。

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村の中には小さな集落がいくつか点在しており、その中でも小さな集落ベルビル(Belleville)とい う所に私たちの泊まったコッテージがあります(上の写真)。新築で私たちが最初のゲストだとのこと。眺めもよく、木のいい匂いがして、ゆっくりとリラック スできました。毎朝遠くで鳴り響く教会の鐘で目覚め、夜は家の裏のどこかでふくろうが鳴くのを聞きながら眠りました。一週間で約400ユーロ。

唯一の悩みというと、蚊はいないのですが、あぶがたくさんいて、攻撃してくるんです。牛や馬が多い山の中は このあぶが天敵。コッテージの中にも入ってきてみんなで逃げ回ったり。でもそれが今では楽しかった思い出なのですが。上左写真に見えるテラスで毎晩家族みんなで夕涼みしたこともいい思い出です。

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サヴォワといえばおいしいハム。毎日お母さんがおいしいものを用意してくれました。左から、サヴォワワイ ン、サヴォワ生ハム、サヴォワサラミハム。おいしかったあ。スーパーで買ったものとは比べ物にならないほど。直売といった感じですからね。新鮮です。口の中で風味がふわーッとわいてくるような。やみつきになります。

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サヴォワチーズ、サヴォワジャム、サヴォワチョコレート、サヴォワクッキー、そしてサヴォワソーセッジ。味が伝えられないのが残念。来てよかったーと何回思ったことか。毎日グルメ三昧でした。

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こちらがジャルジーで買ったサヴォワチョコレート。

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またサヴァワ地方(アルプス)は、写真でも分かるようにその水の美しさでも有名です。村のそこらじゅうで水が湧いていて、そのままで飲めます。澄みきっているだけではなく、とても冷たくておいしいんです。地元の人々もここで水を汲んで花に水をやったりと生活の 一部となっています。私たちは毎朝テニスをした後このサヴォワウォターで癒されていました。

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またサヴォワのマルシェは新鮮な野菜や果物の宝庫。私の大好物あんずとメロン。お母さんにたくさん買っても らいました。とても甘くてジューシー。果汁がしたたりおちます。サヴォワハムとメロンの組み合わせは最高です。

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サヴォワのこぶた。

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泊まっていたコッテージのすぐそばで子牛が飼われていました。その愛くるしい表情に思わずシャッターを。最後の日にお別れに行くと、不思議にもこちらへ寄ってくるではないですか。モーと一鳴き。お別れの挨拶をしてくれたのでしょうか。

今ではあの牛たちのベルの音が恋しい。